【実測レビュー】AULA WIN60HE|8000Hz対応の格安ラピッドトリガー!性能比較35機種で分かった実力
ゲーミングキーボードの選択に悩んでいませんか?高性能なキーボードは高額なものが多く、予算と性能の両立に頭を抱えている方も多いはずです。そんな中で注目を集めているのが、AULA WIN60HEです。
実測値0.108mmという業界最短クラスのトップデッドゾーンを実現し、高価格帯の競合製品と比べても明確な性能優位性を持っています。約5,000円という手頃な価格で、ホットスワップ対応のマグネット式スイッチ、カスタマイズ可能なRGBライティング、そして豊富な入力アシスト機能を搭載した本製品は、コストパフォーマンスに優れたゲーミングキーボードとして高い評価を得ています。
本記事では、AULA WIN60HEの詳細なスペックと性能測定結果を徹底解説。予算を抑えながら最高のゲーミング体験を実現したい方に、最適な選択肢となることをお約束します。
AULA WIN60HEについて
パッケージと付属品
パッケージには、キーボード本体、USB Type-C接続ケーブル、キーキャッププーラー(キーキャップの取り外し用)、簡易ユーザーズマニュアル、予備スイッチ2個、キーボードストラップ一式が同梱されています。
キーボードレイアウトとデザイン
AULA WIN60HEは、US配列の60%コンパクトキーボードで、GH60互換のPCBを搭載しています。購入場所によって価格は多少異なりますが、約5,000円という手頃な価格で入手可能です。省スペース設計を採用しており、必要な機能性を維持しながら、マウスとマウスパッドのための十分な操作スペースを確保できるため、限られたデスクスペースを効率的に活用できます。
本製品は、ゲーマーのニーズに応える機能性と、シンプルで洗練されたデザインを兼ね備え、デスク環境を美しく整えることができます。
ケースは人気のラピッドトリガーキーボードに似たデザインを採用し、本体左上にストラップホールを配置しています。プラスチック製の筐体は高品質で、堅牢性も十分です。
USBポートはキーボード背面から見て右側に配置されており、ケーブルがマウスやマウスパッドと干渉する心配なく、同梱のビニル被覆ケーブルでPCに接続できます。
キーキャップ
AULA WIN60HEのキーキャップは、ゲーマーの長時間使用を徹底的に考慮した設計を採用しています。キーキャップの素材には、高品質なABSプラスチックを使用し、ダブルショット製法による成形を行っています。この製法では、2つの異なる色のプラスチックを2段階で射出成形することで、キートップの表面と文字部分を一体化させています。
さらに、キーキャップの形状はOEMプロファイルに準拠しており、各行ごとに異なる角度と高さを持つ立体的な設計となっています。これにより、指の自然な動きに合わせた快適なタイピング体験を実現し、長時間のゲームプレイでも疲労を軽減します。キーキャップの表面には、マットコーティングを施し、指先のグリップ感を向上させることで、正確な入力操作をサポートしています。
ライティング
AULA WIN60HEはRGBバックライトシステムを搭載しており、輝度、速度、パターンを自由に調整できます。約1677万色から好みの色を選択でき、各キーに個別の色を設定することも可能です。
専用Webドライバーを使用することで、波紋のように色が広がるウェーブエフェクトや、キー入力に連動して光が拡散するリアクティブライティングなど、15種類の多彩なライティングパターンを楽しむことができます。
ただし、キーキャップは光を透過しない仕様であるため、暗い環境でバックライトを点灯した場合でも、キーの印字が見えにくくなることに注意が必要です。
キースイッチ
AULA WIN60HEは、KS-20互換のLEOBOG Gray wood magnetic switchを搭載しています。アクチュエーションフォース32gf、ボトムアウトフォース50gf、ストローク3.4±0.1mm、精度0.04mmという仕様が公表されています。このスイッチは、ボックスステム構造を採用し、TTC KOMに近い安定した軸の動きにより、リニアタイプならではの滑らかな押し心地を実現しています。
AULA WIN60HEは、磁気スイッチとホールエフェクトセンサーを採用したキー入力検知システムにより、高精度な応答性能を実現しています。ホットスワップ対応で簡単にスイッチを交換でき、予備のスイッチも同梱されているため、万が一の故障時も迅速に対応できます。
ウェブソフトウェアと機能性
AULA WIN60HEは、専用のWebソフトウェアで様々なキーボード機能をカスタマイズできます。日本語対応は完璧ではありませんが、直感的なインターフェースを通じてキートリガーストローク(アクチュエーションポイント)とラピッドトリガーの感度を調整できます。
キースイッチのキャリブレーションはもちろん、キートリガーストロークは0.08mmから3.40mmの範囲で0.02mm単位で、ラピッドトリガーは0.02mmから1.70mmの範囲で0.02mm単位で設定可能です。さらに、ラピッドトリガーではトリガーとリセットを個別に設定することもできます。
本製品は、DKS(キー深度に応じて4つの異なる入力を設定可能)、MT(押下時間による入力変更)、TGL(連続入力)などの高度な入力補助機能を搭載しています。RGBバックライトは各キーで波状や点滅など多彩なエフェクトを個別設定でき、視覚的な好みに合わせたカスタマイズが可能です。さらに、マクロ機能とキーリマッピングにも対応しており、特定のキーに複雑なコマンドを割り当てることができます。
これらの豊富な機能により、AULA WIN60HEは優れたカスタマイズ性と操作性を備えたゲーミングキーボードとして、ゲームプレイの性能向上と個々のユーザーニーズに柔軟に対応する設計となっています。
キーボードの性能測定
当サイトでは、キーボードの各種測定値を定量的に評価するために、独自の測定装置を開発しました。
- 測定機材・方法・環境および設定条件・免責事項
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測定方法
当サイトでは、キーボードの各種測定値(トップデッドゾーン、アクチュエーションポイント、ラピッドトリガーポイント、ボトムデッドゾーン)を定量的に評価するために、独自の測定装置を開発しました。この装置は圧力センサーと高精度モータにより0.0005mm単位の高精度でキースイッチを押下できるため、従来のマイクロメーターや手動測定では困難だった再現性のある正確な測定を実現しています。
測定結果
測定条件として、AULA WIN60HEのじくたい(原文ママ)設定は実物のキースイッチの軸色と同じものにしてくださいとのことでCY1、全スイッチキャリブレーション済み、キートリガーストロークは0.1mm、ラピッドトリガーの設定はトリガーもリセットも0.1mmで測定を行いました。
トップデッドゾーン(AP:0.1mm 設定)
AULA WIN60HEは、業界最短クラスの実測0.108mmトップデッドゾーンを実現した高性能キーボードです。高級ゲーミングキーボードのLogicool G PRO X TKL RAPIDの0.23mmと比較すると、約2倍の高速応答性能を達成しています。
競合製品との比較では、MCHOSE ACE 60 PROが0.232mm~0.366mm、Wooting 60HEが0.339mmという数値を示しており、高価格帯の製品と比べてもAULA WIN60HEは明らかな性能優位性を持っています。
ほぼゼロに近いトップデッドゾーンと設定通りのAP0.1mmでの入力検知により、FPSや競技ゲームでの瞬時の入力が可能です。高速タイピング時でもキー入力の即応性が高く、eスポーツシーンでその真価を発揮します。入力の即応性を重視するユーザーに最適ですが、非常に敏感な反応性のため、この高性能な設定を使いこなすには慣れが必要です。初めは0.5mmや0.7mmにアクチュエーションポイントを設定することをお勧めします。
リセットポイント(リセット:0.1mm設定)
AULA WIN60HEのリセットポイントは実測0.076mmを記録しました。この数値は測定データの中で第4位であり、Drunkdeer A75(0.040mm)やEWEADN Battle 68(0.067mm)といった上位モデルと僅かな差を示しています。これらの差は実使用では体感できないほどの微細なレベルです。ただし、測定値が設定値の0.1mmより手前で入力がオフになるという特性については、評価が分かれます。
競合製品と比較すると、MCHOSE ACE 60 PROシリーズ(0.13mm~0.193mm)やLogicool G PRO X TKL RAPID(0.36mm)に対して明確な優位性を持っています。
総合的に見て、AULA WIN60HEは低価格帯のキーボードながら、想定以上のリセットポイント性能を備えており、一般的なゲーミング用途で十分な性能を発揮できます。
途中入力オン(トリガー:0.1mm設定)
AULA WIN60HEの途中入力オンの実測値は0.108mmで、測定データ中第8位を記録しました。設定値どおりのスペックを実現し、入力切れや誤入力を起こすことなく、高速な入力を可能にしています。また、トップデッドゾーンやリセットポイントとの整合性が取れており、バランスの取れた特性を示しています。
競合製品との比較では、Drunkdeer A75(0.020mm)やEWEADN Battle 68(0.050mm)といったトップグループと比べると数値上はやや遅くなりますが、測定値が設定値の0.1mmより手前で途中入力がオンになる特性については評価が分かれます。
同クラスのLogicool G PRO X TKL RAPID(0.100mm)と同等の性能を持ち、MCHOSE ACE 60 PROシリーズ(0.150mm~0.200mm)を上回っています。
途中入力オフ(リセット:0.1mm設定)
AULA WIN60HEの途中入力オフの実測値は0.100mmで、測定データ内で第7位の好成績です。競合製品との比較では、上位モデルのDrunkdeer A75(0.020mm)やEWEADN Battle 68(0.050mm)より数値上は劣るものの、設定値の0.1mmより手前で途中入力がオフになる特性については、ユーザーの好みが分かれる点です。
同クラスのIYX MU68 PRO(0.110mm~0.140mm)やMCHOSE ACE 60 PRO(0.140mm~0.183mm)と比べると、優れた性能を発揮しています。
価格を考慮すると、AULA WIN60HEの途中入力オフの性能は期待以上の精度を実現し、設定値通りの動作を示しています。コストパフォーマンスに優れ、初心者からコアゲーマーまで、幅広いユーザーに自信を持って推奨できる製品です。
ボトムデットゾーン
AULA WIN60HEのボトムデッドゾーンの実測値は0.678mmで、測定データの中では中位に位置します。競合製品と比較すると、MCHOSE ACE 60 PRO(0.363mm)やEWEADN Battle 68 RGB(0.430mm)といった上位モデルより数値は長めですが、DeviceArmoury RX-75(0.620mm)、Wooting 60HE(0.627mm)、VGN A75(0.650mm)など、同クラスの製品と近い性能を示しています。
実用面では、FPSゲームでキー離しによる入力オフにわずかな影響が出るものの、一般的なゲームプレイには十分な性能です。このボトムデッドゾーン性能は実用的な中程度のレベルで、上位モデルより若干遅いながらも、初心者からカジュアルユーザーまでの幅広いニーズに応える実用性を備えています。
まとめ
AULA WIN60HEは、5,000円という手頃な価格で入手できる高性能なラピッドトリガーキーボードです。8000Hzの高ポーリングレート、実測0.108mmの最短クラストップデッドゾーン、設定値どおりのラピッドトリガー性能(途中入力オン0.108mm、オフ0.100mm)により、同価格帯の製品の中でも優れた性能を実現しています。スイッチにはボックスステム構造を採用し、TTC KOMに似た安定した軸の動きで、リニアタイプならではの滑らかな押し心地です。
ホットスワップ対応PCB、RGBバックライト、60%コンパクトレイアウトなど、ゲーミングキーボードに必須の機能を完備しています。ボトムデッドゾーンは0.678mmとやや長めですが、初心者からカジュアルユーザーまで幅広く活用できる実用性があります。
最新のウェブソフトウェアと日本語に対応し、直感的なインターフェースで簡単に設定できます。豊富なカスタマイズ機能を備えながら、初心者でも扱いやすい設計で、キーマッピングやDKSなどの入力補助機能も充実しています。
キーキャップやプラスチック筐体、底面の滑り止めは価格相応の品質ですが、GH60規格の基板を採用しているため、プラスチック、金属、木材などの互換ケースに換装できます。GH60互換ケースは国内外で豊富に流通しており、高い拡張性を備えています。
総じて、AULA WIN60HEは外装面で高価なフラッグシップモデルには及ばないものの、アクチュエーションポイントやラピッドトリガー性能といった核心的なスペックではフラッグシップモデルと遜色ない性能を実現することに成功しています。
本製品は競技性の高いゲームから日常的なPC操作まで幅広くカバーする実用性を持ち、ラピッドトリガーキーボードへの入門機として最適です。特にコストパフォーマンスとカスタマイズ性を重視するユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
[サンプル提供:UNFINITY]
主な購入先
今回レビューした製品はこちら
主な公称スペック
項目 | 仕様 |
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接続方式 | Type-C有線接続 |
レイアウト | 60%レイアウト |
スイッチ | マグネット式ホットスワップ対応 |
キーキャップ | ABSダブルショット |
ポーリングレート | 8000Hz(8K) |
スイッチ精度 | 通常時:0.02mmビーストモード時:0.01mm |
構造 | POサンドイッチ構造 |
バックライト | RGBライティング(カスタマイズ可能) |
執筆者