【レビュー】VXE ATK RS7 PRO性能比較|トップデッドゾーン0.24mmの驚異的性能を検証!
ゲーミングキーボードの性能において、ラピッドトリガーは最も重要な要素の一つです。多くのプレイヤーは、より速い入力と正確な反応を求めて、様々な製品を比較検討しています。
VXE ATK RS7 PROは、最新のラピッドトリガー技術により、業界最高水準の性能を実現しました。特に、トップデッドゾーン0.24mmという数値は、競合製品の中でもトップクラスです。
当サイトでは、実測データと長期使用による検証を通じて、VXE ATK RS7 PROの性能を評価しました。その結果、高性能な設計、安定した動作、そして優れたカスタマイズ性を確認できました。
本記事では、VXE ATK RS7 PROの詳細なレビュー、実測データに基づく性能評価、実際のゲーミング体験から得られた知見を共有します。
VXE ATK RS7 PROについて
パッケージ
VXE ATK RS7 PRO(以下、ATK RS7 PRO)のパッケージには、製品名と大きなアニメキャラクターのイラストが印刷されています。開封すると、キーボードカバーにも同じアニメキャラクターのイラストが描かれており、二重の演出で楽しませてくれます。
付属品
ATK RS7 PROには、キーボード本体に加えて以下の付属品が同梱されています。
- USB-C to USB-Aケーブル
- 約2メートルの長さがあり、高品質な編み込み仕様により優れた耐久性を実現しています
- 着脱可能な設計で、持ち運びと収納が容易です
- キーキャップ&スイッチプーラー
- キーキャップの交換や清掃が簡単に行えるツールです
- 交換用スイッチ(3個)
- Gateron Jade magnetic switches (purple limited)の予備が3個付属
- ユーザーマニュアル一式
- 日本語と英語の二か国語表記で、初心者でも簡単にセットアップできます
レイアウトとデザイン
レイアウト
ATK RS7 PROは75%レイアウトを採用することで、コンパクトな設計と実用的な機能性を両立しています。テンキーレスに似たデザインながら矢印キーとファンクションキーを備えており、デスク作業の効率を損なうことなく、ゲームプレイ時に重要なマウス操作スペースを確保できます。また、矢印キーやホームキー周辺の配置が最適化されており、タイピング作業やゲームプレイの両方で直感的かつ快適な操作が可能です。
本体デザイン
CNC加工によるアルミニウム製ケースにより、高級感と耐久性を実現しています。ガスケットマウント構造の採用で、柔らかな打鍵感と静音性を確保。さらに、適度な重量のおかげで、激しい操作時でも本体が安定し、デスク上でのずれを防ぐため、ゲームプレイ時に最適な性能を発揮します。
キーキャップ
ATK RS7 PROのキーキャップは、高品質なPBT(ポリブチレンテレフタレート)素材を使用しています。PBT素材はABS素材と比較して硬度が高く、長期間使用しても表面の劣化が少ないのが特徴です。
5面染色サブリメーション加工により、キーキャップの表面と側面に鮮明なプリントを実現しています。マット仕上げの表面は指にフィットし、長時間の使用でも快適な操作感を維持します。
キーキャップは適度な厚みがあり、打鍵時に確かな感触をもたらします。その結果、タイピングの満足度が高まり、ゲームプレイ時の操作性も向上します。また、厚みのあるPBT素材とガスケットマウント構造が組み合わさることで、心地よい打鍵感を実現しています。
ライティング
ATK RS7 PROのライティングシステムは、豊富なカスタマイズ性と高品質な光の表現を実現し、20種類のエフェクトと約1,680万色のカラーバリエーションにより、好みに合わせた細かな調整が可能です。
アルミニウム筐体との組み合わせによる高級感のある光の演出は、ゲーミングキーボードとしての存在感を際立たせています。
ただし、非透過型キーキャップを使用しているため、暗所ではライティングを点灯していても文字の視認性が低くなります。
ウェブソフトウェアと機能性
ATK RS7 PROの設定は、インストールタイプの「ATK V HUB」か、ウェブソフトウェアの「ATK HUB WEB」を使うことで設定できます。
ATK HUB WEBの最大の魅力は、インストール不要で手軽に利用できる点です。基本機能も充実しており、直感的なインターフェースで初心者でも扱いやすくなっています。日本語対応はされていませんが、ブラウザの翻訳機能で日本語表示が可能です。必要な設定を一通り行えることから、ATK RS7 PROユーザーにとって実用的なソフトウェアとなっています。
Advanced KeySettingでは、ダイナミックキーストロークやSOCD機能など、各種拡張機能の設定が可能です。
Performance Settingタブでは、アクチュエーションポイント、デッドゾーン、およびラピッドトリガーのプレスとリリース、スイッチの手動キャリブレーションなどが調整可能です。ファームウェアv2.06では、以下の詳細設定に対応しています。
- アクチュエーションポイント:0.04~3.40mm(リミテッドモードβオン時は0.01mm単位、オフ時は0.02mm単位)
- ボトムデッドゾーン:0.00~1.00mm(0.02mm単位)
- ラピッドトリガーのプレスとリリース:0.02~3.40mm(リミテッドモードβオン時は0.01mm単位、オフ時は0.02mm単位)
打鍵音
ATK RS7 PRO
ATK RS7 PROの打鍵音は、軽やかで柔らかい「カチカチ」という心地よい音が特徴です。音の変化が繊細で指の動きを正確に反映し、鋭さが抑えられた落ち着いた印象を与えます。キーを押した時の感触がそのまま音として伝わってくるため、繊細なニュアンスを楽しむことができます。長時間のタイピングでも耳障りになりにくく、軽やかで繊細なタイピングを好む人に特に適したキーボードといえます。
LOGICOOL G PRO X TKL
LOGICOOL G PRO X TKLの打鍵音は、力強く低音が特徴的な「カタカタ」という響きを持ち、明確な存在感があります。キーを押した時の心地よい反発音が機械的な力強さを際立たせており、タイピングのリズムを楽しめる特徴があります。そのため、音の存在感を重視するユーザーに特に適しています。
違いをまとめると
両者の打鍵音は対照的な特徴を持っています。ATK RS7 PROは軽やかで繊細な音質で、静かで洗練された打鍵感。一方、LOGICOOL G PRO X TKLは力強く機械的な音質で、タイピングに存在感と重厚さを求めるユーザーに適しています。
キーボードの性能測定
当サイトでは、キーボードの各種測定値を定量的に評価するために、独自の測定装置を開発しました。
- 測定機材・方法・環境および設定条件・免責事項
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測定方法
当サイトでは、キーボードの各種測定値(トップデッドゾーン、アクチュエーションポイント、ラピッドトリガーポイント、ボトムデッドゾーン)を定量的に評価するために、独自の測定装置を開発しました。この装置は圧力センサーと高精度モータにより0.0005mm単位の高精度でキースイッチを押下できるため、従来のマイクロメーターや手動測定では困難だった再現性のある正確な測定を実現しています。
測定結果
トップデッドゾーン(DZ:ゼロ設定、AP:0.1mm設定)
VXE ATK RS7 PROのトップデッドゾーン性能は0.24mm~0.44mmの範囲で変動します。最短距離の0.24mmでは上位グループに位置し、Logicool G PRO X TKL RAPID(0.23mm)やMCHOSE ACE 60 PRO(0.232mm)に近い性能を発揮します。ただし、設定条件によっては0.35mm~0.44mmの範囲まで変化することがあります。
VXE ATK RS7 PROのトップデッドゾーン測定結果
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオン:0.24mm
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオフ:0.255mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオフ:0.35mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオン:0.44mm
リセットポイント(リリース:0.1mm設定)
VXE ATK RS7 PROのリセットポイント性能は、リリース0.1mm設定時に0.05~0.08mmの範囲で変動し、設定値よりも実際に速い反応を示します。最短距離の0.05mmは上位グループに位置し、Arbiter Studio Polar 65 NeoTokyo(0.065mm)やRealforce GX1(0.07mm)を上回る性能を示しています。
VXE ATK RS7 PROのリセットポイント測定結果
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオン:0.05mm
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオフ:0.055mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオフ:0.055mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオン:0.08mm
途中入力オン(プレス:0.1mm設定)
VXE ATK RS7 PROの途中入力オン性能は、プレス0.1mm設定時、実測値が0.04mm~0.07mmの範囲で変動し、設定値以上の高速な反応を実現します。最短距離となる0.04mmは上位グループに位置しており、RAZER HUNTSMAN V3 PRO(0.055mm)やArbiter Studio Polar 65 NeoTokyo(0.07mm)を凌ぐ性能を示しています。
VXE ATK RS7 PROの途中入力オン測定結果
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオン:0.04mm
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオフ:0.04mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオフ:0.04mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオン:0.07mm
途中入力オフ(リリース:0.1mm設定)
VXE ATK RS7 PROの途中入力オフ性能は、リリース0.1mm設定時、0.03mm~0.07mmの範囲で変動し、設定値以上の高速な反応を示します。最短距離となる0.03mmは上位グループに位置し、RAZER HUNTSMAN V3 PRO(0.054mm)やArbiter Studio Polar 65 NeoTokyo(0.065mm)を上回る結果でした。
VXE ATK RS7 PROの途中入力オフ測定結果
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオフ:0.03mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオフ:0.03mm
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオン:0.045mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオン:0.07mm
ボトムデットゾーン(ゼロ設定)
VXE ATK RS7 PROの設定別ボトムデットゾーン値
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオン:0.45mm
- リミットモードオン+誤タッチ防止モードオフ:0.485mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオフ:0.77mm
- リミットモードオフ+誤タッチ防止モードオン:0.94mm
長所
- 最短距離時(0.45mm)では、市場の上位~中位に位置する性能
- MCHOSE ACE 60 PRO(0.42mm)に近い性能値
- SteelSeries APEX PRO TKL WIRELESS(0.683mm)より優れた性能
短所
- 設定によって性能が大きく変動(0.45mm~0.94mm)
- 誤タッチ防止モードオンの場合、性能が低下する傾向
競合製品との比較
- トップクラス(0.15mm~0.4mm)
- RAZER HUNTSMAN V3 PRO:0.15mm
- MCHOSE ACE 60 PRO(最適設定):0.363mm
- MelGeek MADE68 Pro:0.392mm
- 中位クラス(0.4mm~0.6mm)
- WOBKEY RAINY75 RT Pro:0.447mm
- VXE ATK RS7 PRO(最適設定):0.45mm
- Wooting 60HE:0.573mm
- 下位クラス(0.6mm以上)
- SteelSeries APEX PRO TKL:0.683mm
- Logicool G PRO X TKL RAPID:0.88mm
- ELECOM GAMING VK720A:1.005mm
まとめ
VXE ATK RS7 PROは、ラピッドトリガーキーボードの上位モデルです。トップデットゾーンをはじめ、あらゆる測定項目で競合製品を上回る性能を実現しています。
ラピッドトリガーのプレスとリリースが設定値以上の速い反応を示す点は評価が分かれるかもしれませんが、その性能は間違いなくトップクラスです。詳細な設定調整が可能で、誤タッチ防止機能も搭載。さらに、高級感あふれる堅牢な筐体を採用しています。
本製品は、競技性の高いゲームを遊ぶeスポーツプレイヤー、そして高性能なゲーミングギアを求めるコアゲーマーに最適な一台です。
VXE ATK RS7 PROは、2万円代後半の価格設定ながら、その性能と品質は十分な価値があります。適切な設定で安定した高性能を発揮し、競技志向のゲームプレイヤーに自信を持っておすすめできる製品です。
[サンプル提供:MY TREND Gaming Gear]
主な購入先
今回レビューした製品はこちら
MY TREND Gaming Gearで購入時
クーポンコード「Neu」適用で5%OFF
主な公称スペック
項目 | 詳細 |
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型番 | VXE-ATKRS7-PRO |
キー配列 | 75% US配列 (英語配列) |
カラー | ブラック |
スイッチ | Gateron Jade magnetic switches (purple limited) |
アクチュエーション調整範囲 | 0.02mm ~ 3.4mm |
トリガートラベル範囲 | 0.1mm ~ 3.4mm |
デッドゾーン調整 | 0 (調整可能) |
ポーリングレート | 8000Hz |
構造 | ガスケットマウント、ホットスワップ対応 |
キーキャップ | 5面染色サブリメーションキーキャップ |
筐体素材 | CNCアルミトップカバー、アルミポジションプレート |
バックライト | RGBライティング搭載 |
接続方法 | 有線 (USBインターフェース) |
対応OS | Windows / MacOS |
執筆者