【レビュー】ATK VXE MAD R MAJOR 実測38.9グラム 8000Hz対応の左右対称軽量ゲーミングマウス
MAD R MAJOR
ATK VXE MAD R MAJORは、最軽量クラスの36gと最大36,000DPIセンサーを搭載したゲーミングマウスです。8,000Hzの超高速ポーリングレートに対応しています。
左右対称デザインと人間工学に基づいた設計で長時間のプレイでも快適な操作感を実現し、Ice-feel Coatingで優れたグリップ性能を確保。さらに、約7,000万回の耐久性を誇るオムロン製オプティカルスイッチを採用しています。
超軽量の36gという設計とPAW3950センサーの組み合わせにより、プロゲーマーからカジュアルプレイヤーまで、あらゆるユーザーのニーズに応える高性能ゲーミングマウスとなっています。
このマウスについて
MAD R MAJORの特長
ATK VXE MAD R MAJORは、わずか36gという業界最軽量クラスの重量を誇るゲーミングマウスです。120.1 × 63.2 × 38.1 mmのコンパクトなボディは中型の手に最適で、人間工学に基づいた左右対称デザインにより、あらゆるグリップスタイルに対応します。
最新のPAW3950センサーを搭載し、最大36,000DPIの高精度トラッキングを実現。FPSなどの競技性の高いゲームでも優れたパフォーマンスを発揮します。有線・無線どちらのモードでも8,000Hzの超高速ポーリングレートに対応しています。
Ice-feel Coatingによる優れたグリップ性能で、長時間のプレイでも快適な操作感を維持。汗による滑りも効果的に防止します。さらに、約7,000万回の耐久性を持つオムロン製オプティカルスイッチを採用し、長期的な信頼性も確保しています。
付属品
製品パッケージの同梱物には、VXE MAD R MAJOR ワイヤレスマウス本体、8Kレシーバー(ドングル)、充電ケーブル、交換用マウスソール、グリップテープが含まれています。また、取扱説明書と保証書も付属しています。これらのアイテムがすべて揃っているため、開封後すぐにマウスを使用することができます。
外見と特徴
形状とサイズ
このマウスは左右対称デザインを採用しており、前部のメインボタンは低く設計され、後部が高くなるリアハンプ形状により手のひらに自然にフィットします。
両側面には、わずかなくびれとI字型の壁に近い緩やかなV字型の傾斜が設けられており、親指・薬指・小指を自然な位置に配置できます。サイズは120.1 × 63.2 × 38.1 mmのコンパクトサイズで、中サイズの手の大きさに最適であり、パームグリップ、フィンガーグリップどちらでも快適な操作が可能です。
剛性
VXE MAD R MAJORは公称値36gという超軽量設計でありながら、優れた剛性を実現しています。シェルは軽量化を図りつつも高い剛性を維持しており、グリップ時の軋みやへこみは一切発生しません。また、強く握っても変形やたわみが生じない堅牢な設計となっています。
ボタン部分においても高い剛性が確保されており、メインボタンは強く押し込んでも遊びやガタつきがなく、確実な操作感を実現。サイドボタンも同様にガタつきが少なく、しっかりとした作りとなっています。
メインボタンとサイドボタン
メインボタン
メインボタンは、指の形状に合わせた緩やかなクリックガイドを採用し、左右が独立して分かれた設計となっています。ただし、シェルの両側に挟まれる構造のため、ボタンの端を押すグリップスタイルのユーザーは注意が必要です。
スイッチには、オムロン製オプティカルスイッチを採用し、7000万回の耐久性と光学式によるチャタリング防止を実現しています。クリック感は適度な押し込みの硬さがあり、明確なフィードバックを感じられます。
サイドボタン
サイドボタンはシェルから程よくはみ出した設計です。コンパクトで平らな直線的形状により、素早く正確な指の配置ができます。親指の自然な位置に配置されているため、操作性に優れています。
クリック感は適度な硬さと明確なフィードバックがあり、押し始めの遊びがほとんどないため即座に入力できます。また、分離型の設計により前後のボタンが直感的に区別しやすく、誤入力を防ぐ構造となっています。
センサー位置
センサーはマウス本体のほぼ中央に配置されており、手の大きなユーザーが握った場合でも、つかみ持ちやかぶせ持ちのどちらでも、親指と小指を結んだライン上にセンサーの中心が位置するように設計されています。
コーティング
VXE MAD R MAJORはアイスフィールコーティングと呼ばれる表面処理を採用し、快適な操作性を実現しています。
マットな滑り止め加工は見た目の美しさだけでなく、実用的な機能性を兼ね備えています。長時間のプレイでもグリップ力が持続し、手汗をかきやすいゲーマーでも安定した操作が可能です。優れたグリップ性能と快適さを両立し、ゲーミングマウスとして高い完成度を誇ります。
LEDインジケータ
LEDインジケータが左側面の先端に搭載されており、DPI設定、充電状況などを表示します。バッテリー残量と充電状態は、異なる色と点灯パターンにより一目で確認できます。後述するウェブソフトウェアでDPIライトエフェクトの点滅パターンや速さなどを変更することもできます。
スクロールホイール
VXE MAD R MAJORのスクロールホイールは、メインボタンの表面から控えめに突出しています。黒いプラスチック製のホイールにゴム製のリングが装着されており、表面には凹凸加工が施されています。ただし、この凹凸の刻みが比較的浅いため、使用者によっては滑りやすく感じる可能性があります。
スクロールは適度なノッチ感があり、正確な操作が可能です。動作音は控えめで静かな環境でも気にならず、1ステップごとの刻み感が明確なため、ゲーム中の武器切り替えなども正確に行えます。
スクロールホイールのクリック機能は、適度な押し込み圧と明確なフィードバックを備えており、誤操作を防ぎながらも確実な操作が可能です。「カチッ」という感触ではなく、「カコッ」という少し乾いた籠もった音が特徴的で、長時間使用しても疲れにくい押し込み荷重を実現しています。
重量
VXE MAD R MAJORの公称重量は約36g(±2-3g)で、実測値は38.9gと公称値の範囲内でした。現代のゲーミングマウスにおいて最軽量クラスに位置し、穴あけ加工を必要とせずにこの軽量化を実現しています。
バッテリー持ち
MAD R MAJORは、200mAhのバッテリーを搭載しています。一般的なゲーミングマウスは250~300mAhのバッテリーを搭載することが多いですが、200mAhという小容量バッテリーの採用は徹底的な軽量化を追求した結果と考えられます。
派生モデルのMAD R MAJOR+は500mAhの大容量バッテリーを搭載していますが、本記事公開時点では日本国内での正式販売は行われていません。
使用条件別の持続時間
- 1000Hzポーリングレート使用時:実測約58時間の連続使用が可能でした。
- 8000Hzポーリングレート使用時:バッテリー消費が増加するためバッテリー持ちは短くなり、実測約15時間の連続使用が可能でした。
使用時の注意点
- ポーリングレートの設定により、バッテリー持続時間が大きく変動します。
- 高いポーリングレート(4000Hz/8000Hz)設定時は、より頻繁な充電が必要になります。
一般的な使用であれば十分なバッテリー持ちですが、高ポーリングレートでの使用時は、バッテリー消費が増加することに注意が必要です。
持ち方
かぶせ持ち(パームグリップ)
パームグリップスタイルでの使用に最適な設計で、手のひら全体で包み込むように握ることができます。小~中サイズの手を持つゲーマーにも快適なサイズ感で、リアハンプが手のひらの中心に自然と密着するため、適度な圧力と安定したグリップ感を実現しています。
つかみ持ち(クローグリップ)
クローグリップスタイルは、中~大型の手のサイズのユーザーに最適な握り方です。マウス中央に配置されたセンサーは、親指と小指を結んだライン上に位置することで、高い操作精度を実現します。さらに、両側面には適度なくびれと緩やかなV字型の傾斜が設けられており、親指・薬指・小指を自然な位置に添えやすく、多様な持ち方に対応できる設計となっています。
つまみ持ち(フィンガーティップグリップ)
つまみ持ちでは、優れたコーティング処理により安定したグリップ力を維持し、確実な操作が可能です。
軽量設計により素早い操作性も実現しています。また、両側面にはわずかなくびれと緩やかなV字型の傾斜が設けられており、親指・薬指・小指を自然な位置に添えやすい形状となっているため、様々な持ち方に対応できます。
VXE MAD R MAJORは、様々なグリップスタイルに対応できる汎用性の高い設計となっており、ユーザーの好みや用途に応じて最適な持ち方を選択できます。
ソフトウェア
VXE MAD R MAJORは、ウェブベースの「ATK HUB WEB」とインストール型の「ATK V HUB」の両方に対応する専用ソフトウェアを利用できます。
基本機能として、シンプルなUI設計を採用し、バッテリー残量を1%単位で表示します。マウスボタンの割り当てやDPI設定、ポーリングレートなど、豊富なカスタマイズ機能を備えています。
- ボタン設定
- マウス、キーボード、メディア機能、マクロの割り当てが可能
- DPI設定
- 50-36,000 DPIの範囲で50単位ごとに調整
- 最大8段階のプリセットを保存可能
- カラーコードで視覚的に識別
- 詳細設定
- ポーリングレート:125Hz~8000Hz
- デバウンスタイム調整機能
- リフトオフディスタンス:0.7mm・1mm・2mm
- Motion Sync機能のオン・オフ
- Eスポーツモードのオン・オフ
- 超長距離モードのオン・オフ
- DPIライト効果のオン・オフ、パターン、速さの設定
ATK HUB WEBは必要な機能を十分に備えた軽量で使いやすいソフトウェアです。日本語には対応していませんが、ブラウザベースのため翻訳ツールを活用できます。初心者にも直感的な操作性を提供しながら、上級者向けの詳細な設定オプションも充実しています。
インストール型の「ATK V HUB」は日本語にある程度対応しているため、英語が不得意な方でも安心してマウスの詳細設定が行えます。
他のマウスと比較
比較表
仕様 | VXE MAD R MAJOR | Pulsar X2H V3 | Ninjutso Sora V2 |
---|---|---|---|
長さ | 120.1mm | 120.4mm | 119.2mm |
幅 | 63.2mm | 65.0mm | 59.8mm |
高さ | 38.1mm | 39.1mm | 39.0mm |
重量 | 36g | 53g | 39g |
センサー | PAW3950 | XS-1 | PAW3395 |
ポーリングレート | 8,000Hz | 8,000Hz | 8,000Hz |
ハンプの位置 | やや後ろ | 後ろ | やや後ろ |
側面の曲率 | ほぼフラット | 内側向き | 内側向き |
形状の特徴と比較
3つの人気ゲーミングマウスを比較すると、VXE MAD R MAJORは左右対称形状と中程度のバックハンプを採用し、わずか36gの超軽量設計が特徴です。かぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちなど、あらゆるグリップスタイルに対応する汎用性の高いデザインで、8,000Hzの高いポーリングレートと相まって、競技志向のゲーマーに最適な選択肢となっています。
Pulsar X2Hは高いバックハンプと細いウエストを特徴とする53gの軽量マウスです。特にクローグリップ(つかみ持ち)に適しており、手のひらを確実にサポートする設計により、安定感を重視するユーザーから支持を得ています。
Ninjutso Sora V2は、VXE MAD R MAJORと同程度のサイズながらもよりコンパクトな設計で、39gという軽量性を実現しています。強いくびれとV字型の傾斜側面を持つ対称形デザインにより、様々な手のサイズに対応し、8,000Hzのポーリングレートと相まって、競技志向のゲーマーに最適です。
マウス選びにおいて、最も重要なのは使用者の好みと用途に合わせた選択です。
超軽量マウスを求めるユーザーには、36gのVXE MAD R MAJORか39gのNinjutso Sora V2がおすすめです。側面の形状については、フラットな形状を好む場合はVXE MAD R MAJORが、くびれのある形状を好む場合はNinjutso Sora V2が適しています。
一方、安定感とグリップのサポートを重視する場合は、高いバックハンプを特徴とするPulsar X2Hが最適な選択となるでしょう。
最終的には、使用者の手のサイズとグリップスタイルに合わせて選択することが、快適な使用感を得るためのポイントとなります。
入力遅延測定
- 入力遅延測定の条件と免責事項等について(クリックで開きます)
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ゲーミングマウスの性能評価において、入力遅延の測定は重要な要素です。当サイトでは、NVIDIAが開発した遅延測定ツールLDAT(Latency Display Analysis Tool)を使用して、マウスの入力遅延を計測しています。LDATは、ゲームやアプリケーションにおけるクリックからマズルフラッシュまでの遅延を、迅速かつ正確に測定するツールです。
測定の仕組みは、光センサーをディスプレイ表面に取り付け、マズルフラッシュを検出します。測定したいマウスが実際にクリックされてからマズルフラッシュ発光までの時間を高精度で計測することで、マウスの実際の応答性能を客観的に評価できます。当サイトではこの測定における最小値を掲載しています。
ただし、マウスを総合的に評価する際は、入力遅延だけでなく、前述の形状、重量、ボタン配置なども重要な判断材料となります。LDATの測定結果と他の要素を総合的に分析することで、より自分に適したゲーミングマウスを選択できるでしょう。
他のゲーミングマウスの入力遅延データは、こちらで見れます【レビュー】ATK VXE MAD R MAJOR 実測38.9グラム 8000Hz対応の左右対称軽量ゲーミングマウス免責事項等について免責事項・著作権
測定結果
Mouse Firmware:v0217 Receiver Firmware:v0217 Motion Sync:オン
VXE MAD R MAJORの入力遅延結果
VXE MAD R MAJORの入力遅延性能は最高クラスを誇ります。特にEスポーツモードでは、ワイヤレス接続時(1K/4K Hz)に3.6msという低遅延を実現し、これはテスト対象の中で2番目に優れた数値です。VAXEE x NINJUTSO SORA(3.5ms)にわずかに及ばないものの、Logicool Pro X Superlight 2(3.7ms)やNINJUTSO Sora V2(4.1ms)、Pulsar X2H V3(5.1ms)といった競合製品を上回る性能を示しています。
注目すべき特徴として、ワイヤレス接続時の方が有線接続時よりも低遅延を実現している点が挙げられます。また、8KHzという高いポーリングレートでも3.9msの低遅延を維持できており、安定した性能を発揮します。Eスポーツモードの搭載により、競技シーンでの使用に最適化された性能を実現しています。
まとめ
MAD R MAJORは、圧倒的な軽量性と低遅延性能により、プロゲーマーから一般ユーザーまで満足できるゲーミングマウスに仕上がっています。
入力遅延性能では、Eスポーツモードで無線1KHz/4KHz時に業界最高クラスの3.6msを実現。通常の無線モードでも3.8ms~4.0msという優れた性能を維持し、8KHz時でも3.9msの安定した低遅延を実現しています。
製品の特徴として、業界最軽量の36gボディにより、長時間の操作でも疲労を大幅に軽減。様々なグリップスタイルに対応する汎用性の高い形状と、アイスフィールコーティングによる優れたグリップ感で、長時間のゲームプレイでも快適な操作を実現しています。
性能面では、有線・無線両方で8000Hzポーリングレートに対応し、超高速な応答性を実現。標準モデル(200mAhバッテリー搭載)は1000Hz設定で実測58時間の連続使用が可能で、軽量性と実用的なバッテリー持続時間を両立しています。
MAD R MAJORは、入力遅延、軽量性、形状のすべてにおいて優れたバランスを実現しています。特にEスポーツモードにおける3.6msの入力遅延は最高クラスの性能を誇り、競技シーンでの使用に最適です。プロゲーマーから一般ユーザーまで、高性能なゲーミングマウスを求めるすべての方にとって、魅力的な選択肢となることでしょう。
[サンプル提供:株式会社ゲート]
購入方法と販売店
今回レビューしたマウス
公称スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
サイズ | 120.1 × 63.2 × 38.1 mm |
重量 | 36g(±3g) |
センサー | PixArt PAW3950 |
チップセット | Nordic 52840 |
ポーリングレート | 有線/無線:最大8,000Hz |
接続方式 | 2.4GHzワイヤレス + 有線 |
スイッチ | オムロン製オプティカルマイクロスイッチ |
エンコーダー | F-switch E10A2 |
コーティング | Ice-feel Coating |
バッテリー容量 | 標準モデル:200mAh |
執筆者