【レビュー】瞬 キーボード MATATAKI 8000Hz対応|14,980円の高性能ゲーミングキーボード【PBT採用・磁気式スイッチ搭載】
AIM1 瞬 キーボード – MATATAKI(以下、AIM1 瞬)は、税込14,980円で販売されているラピッドトリガー対応ゲーミングキーボードです。最大8000Hzの高速ポーリングレートに対応し、Outemu製のリニア磁気式スイッチを採用しています。キーキャップには耐久性の高いPBT素材を使用し、昇華印刷で文字が印字されています。
接続は有線のUSB-Cケーブルを介して行われ、サイズは344×143×42mm、重量は898gとなっています。カラーバリエーションはホワイトのみの展開です。
AIM1 瞬について
キーボードレイアウトとデザイン
レイアウト
このキーボードは75%サイズのコンパクト設計を採用しており、テンキーレス以上に省スペースな構造となっています。矢印キーやファンクションキーなどの実用的なキーは残しつつも、よりコンパクトな設計を実現。特にマウス操作のスペースを重視するゲーマーにとって、デスクスペースを効率的に活用できる利点があります。
USBポートは、キーボード背面から見た際にほぼ中央に位置しているため、付属のUSBケーブルでPCと接続する際、マウスやマウスパッドとの干渉を気にする必要がありません。
本体デザイン

AIM1 瞬は、オールホワイトの筐体を採用し、清潔感と高級感を両立しています。マット仕上げのキーキャップとケースの表面処理により、指紋や汚れが目立ちにくいため、長期間にわたって美しい外観を維持できます。
オールホワイトのゲーミングキーボードはいまとなっては珍しい存在ですが、AIM1瞬は純白に近いケースと、スノーホワイトのような青みがかったキーキャップを組み合わせています。この2つの色味が見事に調和し、美しい仕上がりを実現しています。
ダイヤルノブ
AIM1 瞬のダイヤルノブは、快適な操作感と高い実用性を兼ね備えた多機能コントローラーです。キーボードの右上部に配置され、回転と押し込みの2種類の操作に対応しています。
メディアコントロールがデフォルトで設定されており、音量調整や曲の操作が簡単にできます。スクロール操作や明るさ調整、アプリケーション切り替えなど、ユーザーの好みに応じて機能をカスタマイズできます。
滑らかな回転フィールと適度なクリック感により、誤操作を防ぎながら快適な操作を実現しています。ゲームプレイ中の音量調整、創作作業での細かい調整、動画編集時のスクラブ操作など、様々な場面で活用できます。
このダイヤルノブは、メディアコントロールやスクロール操作など、頻繁に使う機能へのアクセスが容易になる点が最大の特徴です。ゲーミングキーボードの性能に加え、実用的な付加価値として製品の魅力を高めています。
キーキャップ


AIM1 瞬のキーキャップには、PBT(ポリブチレンテレフタレート)素材を採用しています。この素材は耐久性に優れ、長時間の使用でも摩耗しにくい特徴があります。表面はマット仕上げで、滑りにくく肉厚に作られているので、コトコトとした快適な打鍵感をもたらします。
キーキャップの文字や記号には昇華印刷技術を使用しており、色褪せに強く、長期間鮮明さを保ちます。
デザイン面では、ホワイトを基調としたカラーリングが清潔感と高級感を演出し、キーボード全体のデザインと調和してデスク環境をスタイリッシュに整えます。Cherryプロファイルの採用により、指にフィットしやすく、長時間の使用でも疲れにくい設計です。さらに、主要なキーキャップの文字を中央揃えにすることで、統一感のある洗練された外観を実現しています。
ライティング


AIM1 瞬のライティングシステムは、20種類以上のエフェクトと約1,680万色のカラーバリエーションを備え、豊富なカスタマイズ性と高品質な光の表現を実現しています。ユーザーは好みに応じて細かな調整を行えます。
ただし、非透過型キーキャップを使用しているため、暗所ではライティングを点灯しても文字の視認性が低下します。また、キースイッチのハウジングが乳白色のため、LEDをホワイトで発光させた場合でも、写真のようにハウジングを透過した光がややクリーム色がかって見えます。
ウェブソフトウェアと機能性
AIM1 瞬は「AIM1 Keys」というインストール型のソフトウェアを使用します。
AIM1 Keysソフトウェアで、AIM1 瞬を詳細にカスタマイズできます。キーの反応位置は0.1mm単位で調整可能で、アクチュエーションポイントは0.1〜3.7mm、ラピッドトリガーは0.1〜2.5mmの範囲で設定できます。
また、キースイッチのキャリブレーションやSOCD機能、Mod Tap、トグルキー、DKS機能など、用途に応じて自由にカスタマイズできます。
プロファイル管理機能を使えば、ゲームや作業などの用途に応じた設定を保存し、必要に応じて瞬時に切り替えられる予定ですが、本記事公開時点では機能の開発中で使用できないことに注意が必要です。実際に使用できるようになれば改めて追記します。
日本語に完全対応した直感的なインターフェースのおかげで、初心者でも迷うことなく設定できます。このように、AIM1 Keysは豊富なカスタマイズ機能を通じて、AIM1 瞬キーボードの持つ可能性を最大限に引き出します。
キーボードの性能測定
当サイトでは、キーボードの各種測定値を定量的に評価するために、独自の測定装置を開発しました。
- 測定機材・方法・環境および設定条件・免責事項
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測定方法
当サイトでは、キーボードの各種測定値(トップデッドゾーン、アクチュエーションポイント、ラピッドトリガーポイント、ボトムデッドゾーン)を定量的に評価するために、独自の測定装置を開発しました。この装置は圧力センサーと高精度モータにより0.0005mm単位の高精度でキースイッチを押下できるため、従来のマイクロメーターや手動測定では困難だった再現性のある正確な測定を実現しています。
測定結果
トップデッドゾーン(AP:0.1mm設定)
AIM1 瞬のトップデッドゾーン測定結果
- 8000Hz設定時: 0.380ms
- 4000Hz設定時: 0.372ms
- 2000Hz設定時: 0.430ms
- 1000Hz設定時: 0.520ms
AIM1 瞬のトップデッドゾーン性能は、ポーリングレート設定により0.372ms〜0.520msの範囲で推移します。これは測定した機種中で中位の性能です。注目すべきは、4000Hz設定時に最良値の0.372msを記録し、8000Hz設定時も0.380msという安定した性能を維持している点です。さらに、RAZER HUNTSMAN V3 PROなどの高価格帯競合製品(0.38ms)と同等の性能を達成しています。
一方で、ELECOM GAMING VK720AやWOBKEY RAINY75 RT Proなどのトップグループと比較すると約0.2msの差があり、また低いポーリングレート(特に1000Hz)に設定した際は性能が低下する傾向が見られます。
市場における位置づけとしては、上位グループ(0.18-0.23ms)には届かないものの、中堅~上位クラス(0.3-0.4ms)に位置しており、RAZERやSteelSeriesといった高級ゲーミングキーボードブランドと同等以上の性能を実現しています。
リセットポイント(リリース:0.1mm設定)
AIM1 瞬のリセットポイント測定結果
- 8000Hz設定時: 0.235mm
- 4000Hz設定時: 0.277mm
- 2000Hz設定時: 0.267mm
- 1000Hz設定時: 0.240mm
AIM1 瞬の0.1mm設定時のリセットポイント性能は、0.235mm~0.277mmの範囲で変動しており、測定された機種の中では下位グループに位置しています。結果上位のDrunkdeer A75(0.04mm)やVXE ATK RS7 PRO(0.05mm)と比較すると約0.2mm以上の差があります。ただし、これらの機種は設定値の0.1mmよりも短い距離で反応を示しており、この特性の評価は意見が分かれるところです。
一方で、Logicool G PRO X TKL RAPID(0.36mm)よりは良好な数値を示しており、各ポーリングレート設定での変動幅も0.042mmと比較的小さいという特徴があります。
途中入力オン(プレス:0.1mm設定)
AIM1 瞬の途中入力オン測定結果
- 8000Hz設定時: 0.292mm
- 4000Hz設定時: 0.325mm
- 2000Hz設定時: 0.425mm
- 1000Hz設定時: 0.400mm
AIM1 瞬の途中入力オン性能は、測定された機種の中で下位グループに位置しています。測定値は0.292mm~0.425mmの範囲で変動し、ポーリングレート設定による性能差は最大0.133mmとなっています。最も良好な性能は8000Hz設定時の0.292mmですが、ポーリングレートを下げると性能が低下する傾向が見られます。
途中入力オフ(リリース:0.1mm設定)
AIM1 瞬の途中入力オフ測定結果
- 1000Hz設定時: 0.216mm
- 2000Hz設定時: 0.225mm
- 8000Hz設定時: 0.255mm
- 4000Hz設定時: 0.262mm
AIM1 瞬の途中入力オフ性能は、測定機種の中で中~下位に位置しています。実測値は0.216mm~0.262mmの範囲です。結果上位のDrunkdeer A75(0.02mm)と比較すると0.2mm以上の差があります。ただし、これらの機種は設定値0.1mmよりも短い距離で反応した結果であり、この特性については評価が分かれるでしょう。
Realforce GX1(0.365mm)やLogicool G PRO X TKL RAPID(0.33mm)と比較すると良好な数値を示しており、特に1000Hz設定時に最も安定した性能を発揮します。
ボトムデットゾーン
AIM1 瞬のボトムデットゾーン測定結果
- 1000Hz設定時: 1.090mm
- 4000Hz設定時: 1.090mm
- 8000Hz設定時: 1.097mm
- 2000Hz設定時: 1.127mm
AIM1 瞬のボトムデットゾーン性能は、測定機種の中で下位グループに位置します。実測値は約1.1mmと比較的大きく、結果上位のRAZER HUNTSMAN V3 PROの0.15mmと比べると、約0.94mmの差が生じています。
各ポーリングレート設定間での性能差は最大0.037mmと小さく、安定した性能を示しています。
FPSなどの素早い入力切り替えが求められるゲームでは若干不利になる可能性があります。カジュアルにゲームを遊ぶ用途では問題なく使用できますが、競技シーンやプロフェッショナル向けには、より上位の性能を持つモデルをお勧めします。
まとめ
AIM1 瞬は、8000Hzの高速ポーリングレートとOutemu製リニア磁気式スイッチを採用した75%レイアウトのラピッドトリガーキーボードです。
AIM1 瞬の主な長所は、洗練されたオールホワイトのミニマルデザインと高級感のある外観です。また、耐久性の高いPBTキーキャップによる優れた打鍵感、8000Hzの高速ポーリングレート対応も特徴です。さらに、アクチュエーションポイントとラピッドトリガーのカスタマイズ機能、SOCDなどの入力アシスト機能を備え、実用的なコンパクト75%レイアウトと安定した製品品質を実現しています。
一方で、キースイッチとラピッドトリガーの入力性能において、競合製品との差が顕著です。トップデットゾーン、途中入力オフ、ボトムデットゾーンのすべてにおいて、中位から下位クラスの性能にとどまっています。
このキーボードは、デザイン性を重視するユーザー、75%レイアウトを求めるユーザー、カジュアルゲーマー、そしてラピッドトリガーキーボードに初めて挑戦したい方に特に適しています。
販売価格については、14,980円という設定において、デザイン性と質感は価格を上回る価値を有しており、基本性能も価格に見合っています。AIM1 瞬は、特にデザインと使い勝手の面で高く評価できる製品といえます。
AIM1 瞬は、ファームウェアアップデートによる更なる性能向上と次期モデルでの進化に期待が持てる製品です。デザインと実用性のバランスが優れています。このキーボードは、デザイン性を重視するユーザー、75%レイアウトを求めるユーザー、カジュアルゲーマー、そしてラピッドトリガーキーボードに初めて挑戦したい方に特に適しており、有力かつ魅力的な選択肢となるゲーミングキーボードでしょう。






[サンプル提供:AIM1]
主な購入先
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主な公称スペック
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | AIM1 瞬 MATATAKI |
価格 | ¥14,980(税込) |
配列 | ANSI(英語配列) |
サイズ | 75% レイアウト |
寸法 | 幅 344mm × 奥行き 143mm × 高さ 42mm |
重量 | 898g |
カラー | ホワイト |
キーキャップ | PBT製(昇華印刷、厚さ1.5mm) |
スイッチ | Outemu製リニア磁気式スイッチ |
アクチュエーションポイント | 0.1mm ~(0.1mm単位で調整可能) |
ラピッドトリガー | 対応(リセットポイント短縮機能) |
ポーリングレート | 最大8000Hz |
接続方式 | USB Type-C |
ケース素材 | プラスチック |
ソフトウェア | 専用ソフトウェア対応 |
その他機能 | SOCD対応、キャリブレーション機能 |
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