【実測4.0ms】Pulsar X2V2 Size 2レビュー!55.5gの軽量ボディで4000Hz対応の最新ゲーミングマウス
Pulsar X2V2について
Pulsar Gaming Gearsが開発した左右対称型超軽量ワイヤレスゲーミングマウス「X2V2」は、前モデルX2から内部構造を完全に見直し、パフォーマンスと機能を強化したモデルです。
本体は120.4mm × 63.0mm × 38.0mmのサイズで、重量は53g(±1g)と軽量です。準最新のPAW3395センサーを搭載し、最大26,000 DPI、650 IPSのトラッキング速度、50Gの最大加速度に対応しています。
2.4GHz無線と有線での接続に対応し、バッテリー駆動時間は公称最大約100時間(1000Hz時)です。ポーリングレートは標準で1000Hz、別売りの4Kドングル使用時は最大4000Hzまで対応します。チャタリング防止機能付きの光学式スイッチと、防塵機能付きのPulsar Blue Encoderを採用しています。
前モデルのX2からの改良点として、シェルの剛性向上による堅牢な構造、グリップ力が向上したコーティング、約2gの軽量化、メインクリックの構造強化、Pulsar Blue Encoder採用によるスクロールホイールの動作改善があります。
価格は約13,200円前後で、クローグリップやフィンガーチップグリップに適しており、eスポーツ競技での使用を想定した設計です。高性能センサーと軽量設計を求めるゲーマーに最適な、コストパフォーマンスの高いゲーミングマウスとなっています。
X2V3との違い
2025年1月に後継機種X2V3が登場しました。X2V2とX2V3の主な違いは、ポーリングレートとセンサーにあります。X2V2は別売りの4Kドングル使用時に最大4000Hzのポーリングレートに対応し、PixArt PAW3395センサーを搭載しています。一方、X2V3は別売りの8Kドングル使用時に最大8000Hzのポーリングレートに対応し、新世代センサーXS-1を採用しています。
X2V2は4000Hzのポーリングレートで十分な性能を発揮し、PAW3395センサーも高い性能と信頼性を備えているため、通常の使用環境では両モデルの違いを体感しにくいでしょう。
購入を検討する際は、8000Hzポーリングレートの必要性と価格差を考慮することをお勧めします。また、実際の使用感やパフォーマンスの違いについては、今後のレビューや使用報告を参考にするのも良い判断材料となるでしょう。

パッケージと付属品
X2V2のパッケージ内容は、ワイヤレスマウス本体、2.4GHzワイヤレスレシーバー、ワイヤレスレシーバーアダプター、USB-Cケーブル、ユーザーマニュアル一式となっています。4Kドングルは標準パッケージには含まれていませんが、4000Hzのポーリングレートを利用したい場合は別売りで入手可能です。ただし、Founder’s Editionやesモデルにはあらかじめ4Kドングルが付属されています。
接続方式には有線と無線の2種類があり、USB-Cケーブルによる有線接続と2.4GHz標準ドングルによる無線接続が可能です。ポーリングレートは標準ドングルで最大1000Hz、4Kドングル使用時は最大4000Hzまで対応しています。

外見と特徴
シルエットとサイズ

X2V2 Size 2は、長さ120.4mm、幅63mm、高さ38mm、重量53g(±1g)の中~大サイズの手に適したマウスです。右利き向けの左右対称形状を採用し、ワイドウエストとローハンプ設計により、前面は盛り上がりのない直線的な形状で、後方にバックハンプを配置しています。人間工学に基づいた設計により、長時間の使用でも快適な操作感を実現しています。
グリップスタイルはクローグリップ、フィンガーチップグリップ、リラックスしたクロー/パームクローグリップに適しています。前モデルのX2から内部構造を完全に見直し、シェルの剛性を最適化・強化しながら、軽量性と安定性を両立しています。特に側面部分の強度を向上させることで、より確実なグリップ感を実現しました。
側面形状とくびれ
X2V2の側面は、ノーズからテールにかけて、くびれがほとんどないフラットな形状とトップからボトムへ傾斜がない直線的なサイドデザインを採用しています。グリップ性能については、シンプルな側面形状でありながら滑りにくいコーティングにより、競技性を重視した設計となっています。
このような側面形状により、X2V2は「シンプルだけど妥協なし」というコンセプトを体現しています。くびれの少ない直線的なサイド形状により、様々なグリップスタイルに対応できる汎用性の高さを実現しています。
剛性
X2V2は内部構造を前モデルから完全に見直されました。サイドボタンのPCB設計により構造的な剛性が高まり、マウスを握ってもシェルの歪みや軋みがありません。さらに、普通の把持でサイドボタン下部を押しても誤作動が起きない堅牢な構造で、シェルの振動やガタつきもない完成度の高い設計です。
メインボタンとサイドボタン
X2V2のメインボタンには光学式スイッチを採用しており、チャタリングの心配はありません。クリック感は硬めで明確な押下感があり、適度な反発感により連打操作もスムーズです。押下時の横方向のブレも最小限に抑えられています。
ただし、レビュー個体では左右ともにメインボタン中央から先端でクリックする際に大きな遊びがあり、押下時にカクッという触感が発生してから実際のカチッとしたクリックに至るため、使用感に課題が残ります。後継機種のX2V3ではこの遊びの問題が解消されることが期待されます。
サイドボタンは丸みを帯びたボタンが程よいサイズで適度に突出しており、親指での操作が容易な位置に配置されています。誤作動を防ぐ堅牢な構造を採用し、PCB設計の改良により構造的な剛性も向上しています。特にサイドボタン下部からの押し込みによる誤作動を防止する設計となっています。
センサー位置
X2V2のセンサーは本体中央に位置し、親指と小指を結んだライン上に自然に収まります。
準最新のPAW3395センサーは最大26,000 DPI、最大ポーリングレート4000Hzの性能を実現します。センサーの中央配置により、様々なグリップスタイルや中から大サイズの手に対応し、自然な位置でのエイム操作と直感的なマウス操作を実現します。
コーティング
X2V2のコーティングは高品質ながら、Zowie、Vaxee、Endgame Gearと比べるとグリップ力は控えめです。使用感については、手汗の影響を受けにくく、環境が変化しても一貫したグリップ感を維持します。ホワイトモデルは汗による汚れが目立ちにくく、長期使用でも美しい外観を保てます。
手汗をかきやすいユーザーでもグリップテープなしで確実な把持が可能です。グリップテープを追加すれば、さらなる把持力の向上も可能です。長時間使用での快適性を重視した表面処理です。

スクロールホイール
Pulsar X2V2 Size 2のスクロールホイールは、プラスチック製のホイールにラバーを組み込み、シンプルな凹凸のトレッドパターンで適度なグリップ力があります。メインボタンからの突出を抑えた低めの設計で、指の引っかかりが少なく、操作性を重視した配置です。直径約2センチのホイールで、正確な操作性と素早いスクロールを両立しています。
エンコーダーには、PULSAR BLUE ENCODERを搭載。信頼性の高いエンコーダー製造パートナーとの共同開発により、防塵メカニズムを内蔵し、微小な塵埃による故障リスクを低減しています。24ステップのノッチ式で、精密で静かな操作感があり、明確な段階を持ちながらもスムーズな回転が特徴です。また、タクタイルなクリック感のあるホイールクリック機能があり、明確な「カチッ」という感触で使いやすい設計です。
このように、Pulsar X3 Size 2のスクロールホイールは、ゲーミング用途に最適化された設計で、精密な操作性と快適な使用感の絶妙なバランスが特徴です。
重量
Pulsar X2V2 Size 2は公称53g(±1g)、実測55.5gという軽量ボディでありながら、シェルの剛性は高く、強めのグリップでも歪みが生じにくい設計です。競技シーンでの使用を想定した実用的な重量設計で、特に比較的軽いマウスを好むユーザーに適しています。このように、Pulsar X2V2 Size 2は超軽量でありながら、実用性と耐久性を両立した設計です。
バッテリー持ち
Pulsar X2V2 Size 2のバッテリーは、実測値で標準設定の1000Hzで約80時間、4000Hz設定では約16時間の使用が可能です。2000Hz設定では電力消費が若干増加し、4000Hz設定では大幅に増加します。
一定時間使用しない場合は自動的にスリープモードに移行し、バッテリー消費を抑えます。
バッテリー管理は効率的で、フロントサイドボタン付近のLEDでバッテリー残量を確認できます。残量が低下すると赤く点滅して警告が表示されます。
持ち方



Pulsar X2V2 Size 2は、マウスの持ち方によって使用感が大きく異なります。
かぶせ持ちは、後部が盛り上がった低めのバックハンプからノーズにかけて滑らかに高さが低くなっていく形状と相性が良くありません。筆者の場合、MP関節の可動域が制限され、人差し指と中指の中節骨でメインボタンをクリックすることになり、直感的な操作感から離れて不安定な状態となります。
一方、つかみ持ちでは快適性が高く、リラックスしたクローグリップに最適な形状です。指骨の末節骨でメインボタンをクリックできるため直感的な操作が可能です。サイドの直線的な形状により指の置き場所を自由に選べ、特に中から大サイズの手に適しています。
中から大サイズの手のユーザーはつまみ持ちでも快適に使用できます。後部が盛り上がった低めのバックハンプからノーズにかけて滑らかに高さが低くなっていく形状により、手のひらや指の付け根への接触が少なく、マウスを前方につまんで持っても干渉が少ないためです。また、ほぼ水平なサイド形状により、指先の動きが直接的にマウスに伝わります。
ソフトウェア
Pulsar X2V2 Size 2は、インストールタイプのソフトウェアの「Pulsar Fusion Wireless Mice」に対応しています。
「Pulsar Fusion Wireless Mice」は日本語UIに完全対応し、インストールが必要なマウス設定ソフトウェアです。直感的な操作性により、各種設定を簡単に行えます。DPI設定は50から26,000 DPIまで50単位で調整可能で、最大4つのDPIステージとプリセットに対応。ポーリングレートは125Hzから4,000Hzまで選択でき、用途に応じて最適化できます。
ボタン設定では、全ボタンのカスタマイズ、マクロの記録・編集、デバウンスタイム(0~30ms)の調整、ドングルキーバインドが可能です。センサー設定では、LOD(1.0mm/2.0mm)の調整やモーショントラッキングの最適化に加え、省電力のためのスリープモード時間も設定可能です。
他のマウスと比較
Pulsar X2V2 Size 2と他のマウスモデルには、それぞれ特徴的な違いがあります。
Pulsar X2と比較すると大まかな形状は同じですが、サイドボタンの位置間隔が異なります。X2はサイドボタンの前後の間隔が広く、指で触るだけで識別しやすい一方、X2V2では前後の間隔が狭くなりました。また、底面の電源ボタンとDPI変更ボタンの配置が左右逆になりました。
X2Hと比較すると、X2V2は標準的な左右対称デザインでサイドが水平に近い形状で、つまみ持ちとつかみ持ちに適しています。一方、X2Hは後部が高めの尻高形状で、つかみ持ちに特化しています。重量は両モデルともに53-54g前後と非常に軽量です。初代X2からは、内部構造の見直しによる剛性向上、光学式スイッチの採用によるチャタリング防止、ホイールエンコーダーの改良、シェル構造の強化など、様々な改良が加えられています。
G PRO X SUPERLIGHT 2と比較すると、形状的なアプローチに違いがあります。X2V2は全体的にコンパクトで、真上から見た時、やや四角い形状とリア寄りのハンプにより安定したホールド感を実現しています。一方、SUPERLIGHT 2は卵型の形状で中央部に緩やかな盛り上がりがあり、様々な持ち方に対応できる汎用性の高いデザインです。



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入力遅延測定
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ゲーミングマウスの性能評価において、入力遅延の測定は重要な要素です。当サイトでは、NVIDIAが開発した遅延測定ツールLDAT(Latency Display Analysis Tool)を使用して、マウスの入力遅延を計測しています。LDATは、ゲームやアプリケーションにおけるクリックからマズルフラッシュまでの遅延を、迅速かつ正確に測定するツールです。
測定の仕組みは、光センサーをディスプレイ表面に取り付け、マズルフラッシュを検出します。測定したいマウスが実際にクリックされてからマズルフラッシュ発光までの時間を高精度で計測することで、マウスの実際の応答性能を客観的に評価できます。当サイトではこの測定における最小値を掲載しています。
ただし、マウスを総合的に評価する際は、入力遅延だけでなく、前述の形状、重量、ボタン配置なども重要な判断材料となります。LDATの測定結果と他の要素を総合的に分析することで、より自分に適したゲーミングマウスを選択できるでしょう。
他のゲーミングマウスの入力遅延データは、こちらで見れます【実測4.0ms】Pulsar X2V2 Size 2レビュー!55.5gの軽量ボディで4000Hz対応の最新ゲーミングマウス免責事項等について免責事項・著作権
測定結果
Mouse Firmware:v1.3.3 Receiver Firmware:v0126 Motion Sync:オン
Pulsar X2V2 Size 2の入力遅延は、4000Hz時に4.0ms、2000Hz時に4.6ms、1000Hz時に4.7msを記録しました。これはトップクラスのマウスと比較してもわずかな差で、例えばAJAZZ AM3 MAX(有線4K)とHITSCAN Hyperlight Wireless(無線8K)は3.5msと、X2V2より0.5ms速い程度です。
競合製品と比べると、Logicool Pro X Superlight 2(光学モード、無線1K)は3.7msと若干優れており、LAMZU MAYA 8K(8000Hz時)は4.0msとPulsar X2V2 Size 2と同等の性能です。ポーリングレートが高いほど入力遅延が改善され、4000Hzで最も良好な4.0ms、2000Hzで4.6ms、1000Hzで4.7msという結果になりました。
4000Hzモード時の4.0msという入力遅延は競争力のある数値で、トップクラス製品との0.3-0.5ms程度の差は実際のゲームプレイでは体感できないレベルです。ただし、4000Hz使用時は専用ドングルが必要です。1000Hz/2000Hz時の4.6-4.7msという遅延もゲーミングマウスとして十分な性能で、特に4000Hz時はLAMZU MAYA 8KやLogicool Pro X Superlight 2といった競争力のあるゲーミングマウスと同等の性能を持ち、競技シーンでも使用できる性能です。
まとめ


Pulsar X2V2 Size 2は、軽量性と高い剛性を両立させた高性能ゲーミングマウスです。光学式スイッチの採用やスクロールホイールの改良など、前モデルX2からの改善点も多く、競技シーンでも十分な性能を備えています。4Kドングルの使用で低遅延化が可能で、価格面でも優位性があります。
入力遅延は4000Hz時に4.0ms、2000Hz時に4.6ms、1000Hz時に4.7msと、トップクラスのゲーミングマウスと同等の性能です。別売りの4Kドングルで、さらなる低遅延操作が実現できます。
構造面では、新設計によりX2よりも剛性が大幅に向上し、サイドボタンPCBの改良による構造強化も実現しています。シェルのたわみや異音がほぼ皆無で、実測55.5gという軽量設計です。
Pulsar X2V2 Size 2のバッテリーは、実測値で標準設定の1000Hzで約80時間、4000Hz設定では約16時間持続します。2000Hz設定では電力消費が若干増加し、4000Hz設定では大幅に増加します。
価格は本体が13,860円、4Kドングルが2,690円(別売)で、Razer Viper V3 ProやLogicool G Pro X Superlight 2と比べると価格的な優位性があります。ただし、メインボタンの感触など、いくつかの課題も残されています。後継機種のX2V3にて改善が期待されます。













購入方法と販売店
今回レビューしたマウス

ミニサイズはこちら

別売りの4Kドングルはこちら

公称スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
センサー | Pulsar XS-1(独自開発) |
最大DPI | 32,000 DPI |
トラッキング速度 | 750 IPS |
最大加速度 | 50G |
ポーリングレート | 最大8,000Hz(別売8Kドングル使用時) |
スイッチ | Kailh Optical(光学式) |
接続方式 | 2.4GHz ワイヤレス |
充電端子 | USB Type-C |
後継機種のX2V3はこちら

執筆者