【レビュー】Pulsar X2F フィングチップグリップ特化のゲーミングマウス

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2025年4月1日公開・2025年6月18日更新

 Pulsar Gaming Gearsが2025年発売予定のフィンガーチップ専用マウス「X2F」のベータテストが実施され、試作品の提供をいただきましたのでフィードバックを兼ねてレビューさせていただきます。

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製品概要と開発背景

 Pulsar X2Fは、Pulsar Gaming Gearsが開発する初のフィンガーチップ専用ゲーミングマウスです。同社は「Pulsar Lab」として韓国で製造される初のマウスとして位置づけ、コミュニティの意見を積極的に取り入れた開発を進めています。

 現在ベータテスト段階にあり、テスターにはプロトタイプが配布されています。2025年の発売が予定されていますが、詳細な発売日は明らかにされていません。

基本仕様と設計

主要スペック

 X2Fプロトタイプの基本仕様は以下の通りです。

項目仕様
寸法120mm × 62mm × 36mm
重量42g(プロトタイプ)
形状対称フィンガーチップ
接続方法2.4GHz ワイヤレス
センサーPixart PAW3950
DPI最大26,000
ポーリングレート最大8,000Hz
バッテリー寿命約20-30時間(2,000Hzポーリング)
シェル素材カーボンコンポジットブレンド
スイッチHuano Blue Shell Pink Dot

形状とエルゴノミクス

 X2FはX2 Miniから進化した形状を採用し、後部のフレアが安定性を向上させています。幅62mmの設計により、多くのフィンガーチップユーザーに適応する形状です。ただし、手のサイズが長さ19cm×幅10cm程度の手の大きなユーザーには、後部の鋭いエッジが手に食い込むので、長時間使用時に不快感を与える可能性があります。

センサー性能

基本性能

 Pulsar X2Fには、高性能な光学センサーが搭載されています。DPI設定は最大26,000DPIまで対応しています。8,000Hzポーリング対応により、特にVALORANTなどでマウスの微妙な調整時に滑らかなカーソル移動を実現しています。

素材とクオリティ

カーボンコンポジット素材

 シェル素材には40%が炭素で構成されるカーボンコンポジットが使用されています。この素材は既存のあらゆるゲーミングマウスよりも優れたグリップ性能をもたらしますが、指紋が目立ちやすいという特徴があります。

構造的強度

 42gという軽量設計にもかかわらず、シェルは「ねじれ知らず」の優れた構造的強度を持っています。

重量と競合比較

 X2Fの42.6gという重量は、フィンガーチップマウス市場では重い部類に入ります。

 主要競合製品との比較は以下の通りです。

  • Zaunkoenig M1K: 23g
  • Zaunkoenig M2K: 24g
  • Zaunkoenig M3K: 24g
  • G-Wolves HTX Mini 8K: 26.9g
  • WLmouse Beast Miao: 31g
  • G-Wolves HTS Ultra 8K: 29.5-32.5g
  • Darmoshark M5 Pro: 38g

ワイヤレス性能とバッテリー

 バッテリー寿命は2,000Hzポーリングレートで20-30時間となっており、G-Wolves HTS Ultra 8Kより短いです。満充電時間は2-3時間で、低バッテリー時の通知に問題があり、試合中の電池切れが発生したことがありました。

ボタンとスイッチ性能

 Huano Blue Shell Pink Dotスイッチが採用されていますが、タップ撃ちには重い作動力が課題と感じました。

 側面ボタンのプリトラベルについては、ちょうど良い使いやすい調整具合でした。ただし、側面ボタンが前後分離されておらず、間隔が短すぎるため、意図せず誤ったボタンをクリックすることがあり、操作性が悪いと感じました。

今後の改善点と展望

  • 重量の軽減(25-30gが理想)が必要
  • メインボタンの作動力が重たく、をタップ撃ちしにくいため改善が必要
  • 操作性向上のために側面ボタン配置の明確な間隔分離が必要
  • 指紋が目立ちにくいコーティングまたはカラーリングが必要
  • バッテリー持続時間の延長

総合評価

 Pulsar X2Fは「野心的だが現在は欠陥のある」フィンガーチップマウスの試みだと思います。コアデザインの哲学と形状の基本は、Pulsarがフィンガーチップユーザーのニーズを理解していることを示していますが、製品版発売前に解決すべき重要な課題が複数存在すると感じました。

 重量、側面ボタンの配置、各部のエッジの鋭さなどの改善が必要です。Pulsarの過去の製品改良実績を踏まえ、これらの課題が解決されれば「市場をリードするフィンガーチップマウス」になる可能性がある思います。

 現段階では「実現された製品というより有望なコンセプト」でありつつ「有望だが大幅な改良が必要」という位置づけです。

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