Pulsar Gaming Gears、米Lethal Gaming Gear買収でマウスパッド事業と北米インフラ強化
韓国のゲーミング周辺機器メーカーPulsar Gaming Gearsを運営するAplusX Inc.は7月9日、米国のゲーミング周辺機器ストアLethal Gaming Gear(LGG)を買収したと発表した。

北米進出の足がかりとして新法人設立
今回の買収により、Pulsarは北米法人「Pulsar Americas Inc.」を新設する。同社は2020年の創業以来、年間平均成長率500%という成長を遂げており、今回の戦略的買収を通じて北米および南米全域でのサポート迅速化、物流改善、将来的なリテール展開の拡大を目指すとしている。
LGGは2019年にDylan Hessman氏が米国ジョージア州アルファレッタで設立した企業で、プロ志向の高性能マウスパッドと優れたカスタマーサポートで知られている。同社は世界235の国と地域のゲーマーをサポートしてきた実績を持つ。
ブランド統合と製品展開
LGGが手がけてきた高品質マウスパッド製品は、今後Pulsarブランドのもとで開発・販売される予定である。現行のLGGブランド製品については、在庫がなくなるまではそのまま販売が継続され、その後は同等の製品がPulsarブランドとして再入荷される。
ただし、LGGは「旧ブランド」として吸収されるわけではなく、今後もPulsarの小売戦略の中核として重要な役割を果たしていく。公式ウェブサイト(lethal.gg)も引き続き運営され、コミュニティの中心的なプラットフォームとして成長していく予定だ。
経営陣とチーム体制
LGGのチームはそのまま残り、Pulsarの新体制に完全に統合される。LGGの創業者兼CEOであるDylan Hessman氏は、米国におけるマウスパッド開発およびカスタマーサポートを引き続きリードする。
Pulsar CEOのShim Kunhee氏は「Lethalの顧客第一主義と製品に対するこだわりは、私たちの理念と完全に一致している。Dylan氏が築き上げてきた素晴らしい仕事に敬意を表し、これから共に進めることを非常に楽しみにしている。米国でのパッド開発と顧客体験を彼が引き続きリードしてくれることで、世界中のプレイヤーやファンにとって新たな価値を提供できると確信している」と述べた。
LGG創業者のDylan Hessman氏は「Pulsarとの提携をとても楽しみにしている。品質とパフォーマンスに対する私たちの共通の情熱が、今回の統合を自然な流れにした。Pulsarのスケールとリソースを活かすことで、LGGが築いてきたものをさらに発展させ、これまで通りコミュニティに寄り添ったサービスを提供し続けられると確信している」とコメントした。
Pulsarの事業展開
Pulsarは2020年に韓国で設立された高性能eスポーツ周辺機器のグローバルブランドで、設立からわずか数年で急成長を遂げている。日本および中国にも専用拠点を展開しており、製品企画から設計、製造までを一貫して自社で行っている。
直近では、マウス背面のハンプ(盛り上がり)を排除した、つまみ持ちユーザー向けに設計された革新的なマウス「X2F」をリリース。通常版と5周年記念版の限定版が発売されており、ゲーミングパフォーマンスの進化に向けた同社の勢いは今後も加速していくとしている。
今回の買収は、Pulsarのグローバル成長戦略における大きな前進であり、世界中のゲーマーに業界最高峰のパフォーマンスギアを届けるという同社の使命をさらに強固なものにするものであろう。
