1日の平均通知数は約40件、若者の約4割が「自由時間の通知でストレス上昇」と回答
Amazonが2月に日本全国の2,000人を対象に実施した「デバイスの通知に関するアンケート調査」によると、現代人が1日に受け取る通知の平均件数は約40件に上ることが明らかになった。
全体の約6割が「1日に受ける通知のうち役に立つものは10%以下」と回答しており、多くの人が不要な通知に囲まれている実態が浮き彫りになった。

若年層ほど強まる通知ストレス
自由時間に通知を受けるとストレスレベルが上がるという意見に同意した人は全体で約2割だったが、20代以下では約4割にのぼった。また、リラックスタイム中に通知で気が散ると感じる人の割合も、20代以下で約5割、30代で約4割、40代で約3割と、若年層ほど通知の影響を強く受けていることが伺える。
リラックスするために効果的なアクティビティとしては、テレビ・動画視聴、音楽鑑賞、読書活動が上位を占めた。このうち「本やマンガを読む」活動では、約4人に1人が通知によって「頻繁」または「ある程度頻繁」に気が散ると回答。テレビや音楽よりも通知の影響を受けやすい結果となった。

脳科学者が警鐘「認知症リスクにも」
東北大学応用認知神経科学センター助教で脳科学者の榊浩平氏は「頻繁な通知が集中力を削ぎ、ストレスを引き起こす可能性がある」と指摘する。通知が鳴るたびに意図せず注意が散漫になり、元の作業に戻るには余計な時間と労力がかかるという。
また不要な情報でも脳のメモリを圧迫し、頻繁な通知による作業中断や情報を見逃す不安感がストレスを高めるとしている。特に読書は能動的で深い集中を必要とするため、通知による中断が思考の流れを断ち切り、強いストレスを感じやすくなると榊氏は説明する。
同氏は慢性的な通知ストレスが脳の働きに影響し、将来的には認知症リスクにも繋がる可能性を示唆。「脳と心を休めるためには、意識的に通知から解放される時間が必要」として、読書専用端末のような集中できる環境の提供が有効な選択肢になると提言している。


