Razer DeathAdder V3 ゲーミングマウスレビュー

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Razer

DeathAdder V3

主な特徴

項目仕様
重量59グラム
センサーRazer Focus Pro 30Kオプティカルセンサー
DPI最大30,000 DPI
ポーリングレート最大8,000Hz
スイッチ第3世代Razer Optical Mouse Switches(耐久性9,000万回クリック)
形状右手専用エルゴノミックデザイン
サイズ128mm × 68mm × 44mm
ボタン数5ボタン
ケーブル1.8メートル編組ケーブル
付属品マウス本体・専用ポーチ・取扱説明書

このマウスについて

Razer DeathAdder V3は、2006年から続くRazerの名門シリーズ「DeathAdder」の最新モデルで、2023年2月28日に発売された有線ゲーミングマウスです。高い人気を誇るこのモデルは、標準的なエルゴ形状でありながら高性能な設計を特徴としています。本体に穴あき加工を施すことなく公称59グラムの軽量化を実現し、最新のFocus Pro 30Kオプティカルセンサーと最大8,000Hzのポーリングレートに対応しています。

Razer DeathAdder V3は、中~大サイズの手に最適な大型エルゴノミックマウスです。マウスの最高点が中央部分にあり、リアハンプではなく長めのテールが親指の付け根に自然とフィットします。親指を置く部分は適度なくびれがあり、快適なサムポケットを備えています。このエルゴノミック設計により、確実なグリップ感が得られ、素早い動きが必要な場面でも安定した操作が可能です。

付属品

付属品一式

Razer DeathAdder V3の同梱物は、マウス本体、専用ポーチ、取扱説明書です。専用ポーチはマウスを持ち運ぶ際の保護に最適で、取扱説明書には設定方法とカスタマイズオプションが分かりやすく解説されています。ケーブルは本体一体型の内蔵式を採用しています。シンプルな付属品構成ではありますが、必要なものが揃っており、開封後すぐに使用できます。

外見と特徴

形状と剛性

  • 左右非対称形状:人間工学に基づいた設計で、パームグリップとクローグリップの両方に適した右利き用の形状を採用しています。
  • サイズ:手の大きさが中型から大型のユーザー向けに最適化された寸法設計です。
  • シルエット:マウスの最高点が中央にあり、なだらかなカーブを描く長いテールが手のひらに自然とフィットします。また、深いくびれを持つサムポケットにより、親指を快適に配置できます。この設計により、確実なグリップ感と安定した操作性を実現しています。
  • 軽量化設計:穴あき加工を使用せずに59グラムの軽量化を達成。
  • 高剛性構造:軽量でありながら堅牢な設計により、激しいゲームプレイでも安定した性能を発揮します。軋みやたわみのない高品質な作りで、信頼性の高い操作感を発揮します。

メインボタン

  • デザイン:メインボタンは左右側面のシェルで挟まれる構造です。通常のグリップでは問題ありませんが、ボタンの端に指を置く持ち方の場合、シェルと指が干渉する可能性があります。
  • ガイド:メインボタンには、指の形状に合わせた滑らかな凹形状のフィンガーガイドが施されています。これにより、自然な指の配置が可能で、直感的かつ快適な操作を実現しています。
  • クリック感:光学式スイッチによりチャタリングを防止し、適度な押し込み抵抗と明確な「カチッ」という触感を実現しています。
  • クリックトラベル:クリック前の遊びがやや深く、クリック後の沈み込みは一般的な距離となっています。

サイドボタン

Razer DeathAdder V3のサイドボタンは、直線的な突起形状を採用し、十分な大きさと自然な配置で親指が無理なく操作できます。表面には滑り止め加工が施されているため、素早い操作時でも確実なクリックが可能です。適度な深さのストロークと明確なクリック感です。このような細部まで配慮された設計により、優れた使い勝手を実現しています。

センサー位置

Razer DeathAdder V3のセンサーは、マウス本体の中央部分に最適に配置されています。筆者の使用テストでは、手のサイズや握り方(パームグリップ、クローグリップなど)に関わらず、親指と小指を結んだライン上にセンサーが自然と位置しました。この理想的なセンサー位置により、マウス操作が直感的で、エイム精度の向上にも貢献しています。

コーティング

Razer DeathAdder V3は、手汗をかきやすい筆者でも、高品質な滑り止めコーティングのおかげでグリップテープなしでも安定した把持が可能です。サードパーティ製のグリップテープも有効な選択肢となります。グリップテープを使用することで把持力が向上し、長時間のゲームプレイでも安定した操作性を維持できます。使用環境や好みに合わせてグリップテープを選べば、より理想的な操作感を実現できます。

LEDインジケータ

Razer DeathAdder V3のボトムシェルには、LEDインジケータが搭載されています。このLEDは単なる装飾ではなく、DPI設定(マウスの感度)などの重要な情報を色の変化で直感的に表示する実用的な機能です。

スクロールホイール

Razer DeathAdder V3のスクロールホイールは、高めの位置に設計されています。近年の多くのマウスは低めの配置を採用しているため、この高さでは意図せず指がホイール側面に触れてしまうことがあります。ただし、使用に慣れると自然な指の動きでスムーズなスクロール操作が可能になります。ホイールには高品質なラバーリングが採用されており、確実なグリップ感と精密な操作性を実現しています。

スクロール時の感触は、各ノッチ間がスムーズに移行し、控えめな「カチカチ」感を備えています。スクロール操作時の抵抗感は絶妙なバランスで、ホイールクリックは明確な「カチッ」という触感を提供し、快適な操作性を実現しています。

重量

Razer DeathAdder V3は実測値57.9グラムという軽量化を実現しています。高品質なプラスチック筐体により、優れた耐久性と剛性を保ちながら、この軽量化を達成しました。マウスの重心は本体の中央に最適に配置され、バランスの取れた操作感を実現しています。

持ち方

Razer DeathAdder V3は、中~大サイズの手に最適な左右非対称マウスです。マウスの最高点が中央部分に位置し、長めのテールが親指の付け根に自然とフィットします。また、適度なくびれを持つサムポケットにより、親指を快適に配置できます。このエルゴノミック設計により、確実なグリップ感が得られ、素早い動きが求められる場面でも安定した操作を実現します。

大きな手のユーザーにとって、このマウスはパームグリップとクローグリップの両方に適しています。長時間のゲームプレイでも疲労が少なく、快適な操作感を維持できます。

ソフトウェア

Razer DeathAdder V3は、専用ソフトウェア「Razer Synapse」を使用して詳細な設定をカスタマイズできます。このソフトウェアでは、DPI(マウス感度)、ポーリングレート、リフトオフディスタンス(LOD)、ボタン割り当てなど、多岐にわたる設定が可能です。完全な日本語対応により、直感的な操作が可能で、初心者でも迷うことなく設定を行えます。また、プロファイル機能を使用することで、ゲームごとに異なる設定を保存し、自動的に切り替えることができます。

他のマウスと形状比較

サイズ比較では、Razer DeathAdder V3はXlite V3 SIZE2やLAMZU THORN、Logicool G PRO X SUPERLIGHT 2 DEXといった大型エルゴノミクスマウスとほぼ同等のサイズを採用しています。このサイズ設計により、手の大きなユーザーが快適に使用できるマウスとなっています。

入力遅延測定

Q
入力遅延測定の条件と免責事項等について(クリックで開きます)

ゲーミングマウスの性能評価において、入力遅延の測定は重要な要素です。当サイトでは、NVIDIAが開発した遅延測定ツールLDAT(Latency Display Analysis Tool)を使用して、マウスの入力遅延を計測しています。LDATは、ゲームやアプリケーションにおけるクリックからマズルフラッシュまでの遅延を、迅速かつ正確に測定するツールです。

測定の仕組みは、光センサーをディスプレイ表面に取り付け、マズルフラッシュを検出します。測定したいマウスが実際にクリックされてからマズルフラッシュ発光までの時間を高精度で計測することで、マウスの実際の応答性能を客観的に評価できます。当サイトではこの測定における最小値を掲載しています。

ただし、マウスを総合的に評価する際は、入力遅延だけでなく、前述の形状、重量、ボタン配置なども重要な判断材料となります。LDATの測定結果と他の要素を総合的に分析することで、より自分に適したゲーミングマウスを選択できるでしょう。

他のゲーミングマウスの入力遅延データは、こちらで見れます
Razer DeathAdder V3 ゲーミングマウスレビュー
Razer DeathAdder V3 ゲーミングマウスレビュー
免責事項等について
免責事項・著作権
免責事項・著作権
測定条件
項目備考
CPURyzen 9 7950X3D
Mother BoardASRock B650 livemixerを使用。マウスはLightning Gamingポートに接続
マウス以外のUSB機器は接続せず、キーボードはBluetooth接続
GPURTX3090
DisplayDell AW2524HF
GameVALORANTの射撃演習場で測定。設定はフルスクリーンモード、ローインプットバッファモードをオン。Nvidia Reflex Low Latencyはオン+ブースト。垂直同期はオフ、グラフィック設定は低。
Mouse DPI800に固定
Mouse Polling Rate1000Hzからスタートし、最大ポーリングレートまで測定
デバウンスタイム変更できるものは最小値に設定
クリック回数100回
免責事項
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msはミリ秒の略で、1秒の1000分の1を表す時間の単位です。コンピューターやゲーミングデバイスの性能を測定する際によく使用されます。

例えば、マウスの入力遅延を測定する際にmsが使われています。入力遅延とは、マウスをクリックしてから、そのアクションがコンピューターに認識されるまでの時間のことです。

これらの数値が小さいほど、マウスの反応が速いことを意味します。ゲーミングマウスの場合、低い遅延値(つまり、より小さいms値)が求められ、それによってゲーム内でのより速い反応が可能になります。

測定結果

Mouse Firmware:1.1.0.0

有線接続での性能について

Razer DeathAdder V3の有線接続における入力遅延を詳細に分析すると以下のようになります

  • 1KHz/2KHzポーリングレート: 3.9ms
    • 一般的なゲーミングマウスの標準的なポーリングレートである1000Hz(1KHz)での性能が非常に安定
    • 2000Hz(2KHz)でも同じ3.9msを維持し、高い一貫性を示す
  • 4KHzポーリングレート: 4.0ms
    • わずか0.1msの遅延増加で、高いポーリングレートでの性能劣化が最小限
    • 実用的な使用シーンでは体感できない程度の差
  • 8KHzポーリングレート: 4.4ms
    • 最高設定でも0.5ms程度の遅延増加に抑制
    • 高負荷状態でも安定した性能を維持

競合製品との比較分析

市場のベンチマークとなるLogicool G PRO X SUPERLIGHT 2 DEXの有線1KHz時の3.3msと比較すると、DeathAdder V3の3.9msという数値は以下の観点から評価できます

  • 相対的な差は0.6msと極めて小さく、人間の知覚限界(約20ms)を大きく下回る
  • 一般的なディスプレイの表示遅延(約4-8ms)と比較しても十分に低い数値
  • 高いポーリングレート設定時の性能低下が最小限で、安定性に優れている

これらの測定結果から、DeathAdder V3は最新のeスポーツ競技に求められる低遅延性能を十分に満たし、プロフェッショナルな使用にも耐えうる高性能なゲーミングマウスであると結論付けられます。特に、異なるポーリングレート間での性能の一貫性は、実際のゲームプレイにおける信頼性の高さを示しています。

まとめ

スペック

  • 重量:59グラム(穴あき加工なし)
  • センサー:Razer Focus Pro 30K(最大30,000 DPI)
  • スイッチ:第3世代Razer Optical Mouse Switches(9,000万回クリック耐久)
  • ボタン数:5ボタン

接続性

  • 1.8メートルの編組ケーブルによる有線接続
    • 有線接続により、バッテリー残量を気にすることなく高ポーリングレートで接続可

形状設計

  • 右手専用エルゴノミックデザイン
  • 中~大サイズの手に最適な設計
  • サイズ:128mm × 68mm × 44mm
  • 長めのテールと適度なくびれのあるサムポケットで快適なグリップ感を実現

ソフトウェア

  • Razer Synapseで詳細なカスタマイズが可能
  • DPI、ポーリングレート、LOD、ボタン割り当ての設定
  • プロファイル保存機能搭載

入力遅延性能

  • 1KHz/2KHzポーリングレート時:3.9ms
  • 4KHz時:4.0ms、8KHz時:4.4msと安定した性能を維持
  • 競合製品と比較しても十分な低遅延性能を実現

総評

Razer DeathAdder V3は、2006年から続く名門シリーズの最新モデルとして、革新性と伝統を見事に融合させた高性能ゲーミングマウスです。市場では数少ない左右非対称エルゴノミクスデザインを採用し、FPSなどの競技性の高いゲームで真価を発揮します。中~大サイズの手を持つユーザーに最適な形状と、1万円台という手頃な価格設定により、プロからカジュアルゲーマーまで幅広いユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。高い性能と品質を考慮すれば、競技性の高いゲーミングマウスを求めるユーザーにとって、十分な価値のあるゲーミングマウスといえるでしょう。

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この記事を書いた人

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