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Windows 11アップデートでSSD障害か、Phison社が調査開始

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 Windows 11の特定アップデート適用後、一部のSSD搭載PCでストレージがアクセス不能になる障害が報告され、台湾のストレージコントローラーメーカーPhison Electronicsが調査を開始したことが明らかになった。原因は不明だが、業界全体に影響が及ぶ可能性があるとされている。

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障害の詳細

 この問題は、Windows 11のバージョン24H2向けに提供された更新プログラム「KB5062660」および「KB5063878」を適用した環境で、特定の条件下においてストレージ障害が発生するという。

 報告によれば、数十ギガバイト(GB)に及ぶ大容量のデータを連続して書き込む作業を行うと、一部のSSDでアクセスが不能になる症状が確認された。この症状は、OSを再起動することで復旧する場合がある一方、再起動しても復旧しない恒久的な障害に至るケースもあったとされる。

 ねこるすきー氏が実施した検証では、メーカーが異なる21種類のSSD製品のうち12種類で不具合の発生が確認された。さらに、そのうちの1製品は再起動後も復旧しなかったと報告されている。

Phison社が「業界全体への影響」とコメント

 この一連の報告は海外の著名なテックブログ「Tom’s Hardware」でも取り上げられ、これを受けて台湾のメモリ・ストレージコントローラーメーカーであるPhison Electronicsが米国時間8月19日にコメントを発表した。

Latest Windows 11 security patch might be breaking SSDs under heavy workloads — Phison investigating reports of disappearing drives following file transfers, including some that cannot be recovered after a reboot
Latest Windows 11 security patch might be breaking SSDs under heavy workloads — Phison investigating reports of disappearing drives following file transfers, including some that cannot be recovered after a reboot

 Phisonは、この問題を「業界全体に対する影響である」と認識していることを明らかにした。同社は声明で「Phisonは最近、Windows 11のアップデート『KB5063878』および『KB5062660』が、Phisonがサポートするものを含む複数のストレージデバイスに影響を与える可能性があるという、業界全体にわたる影響を認識しました」と述べた。

 さらに、「これが引き起こした可能性のある混乱を理解しており、速やかに業界関係者と連携しました。我々は製品の完全性、そしてパートナーとエンドユーザーの成功に揺るぎなくコミットしています」とし、問題解決への姿勢を強調した。

原因は未特定、今後の動向

 障害発生の具体的な原因は、現時点ではまだ特定されていない。しかし、Phison製のコントローラー(SSDのデータ読み書きを制御する半導体チップ)を搭載した製品を含む、一部のストレージデバイスで問題が発生していることは確かであるとみられる。Phisonは「現時点では、影響を受けた可能性のあるコントローラーは調査中であり、パートナーと協力しています」と説明しており、調査が進行中であることを示している。

 同社は今後の対応について、「影響を受けた可能性のあるパートナーには、サポートを提供し、適用可能な是正措置を確実にするため、引き続き更新情報と勧告を提供していきます」としており、関係各社と連携して問題解決にあたる方針だ。

 なお、編集部では、複数のデバイスに当該パッチを適用済みだが、特定の1台のみアップデート直後に再起動した際、正常にPCが起動しなかった問題が発生した。万一に備え、パッチ適用後は大容量のデータ書き込みを控えることや、事前のデータバックアップをおすすめする。

 今後は、Phisonからの調査続報や、他のストレージ関連メーカーからのアナウンスが待たれる。

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