2024年に発売されたガラスマウスパッドの中でも、個人的にトップ5に入る逸品 GLSSWRKS Hana Premium Glass Mousepad レビュー
GLSSWRKS Hana Premium Glass Mousepad
GLSSWRKS Hana Premium Glass Mousepad(以下、GLSSWRKS Hana)は、GLSSWRKSシリーズの3作目のガラスマウスパッドです。AKARIとKAZEMIに続いて登場したこの製品は、GLSSWRKSの特徴を踏襲しています。その特徴とは、マウスパッド全面に妖艶な女性キャラクターのアートワークがプリントされていることです。さらに、滑走面の品質も非常に高く、測定の結果、KAZEMIとAKARIの中間に位置する滑らかで安定した滑り心地を実現しています。
国内向けには、ふもコレより2種類が販売されていました。特別仕様の「GLSSWRKS Hana Premium Glass Mousepad Japan Edition 560x480mm」は11月7日17時までの予約受付でしたが、執筆時点ですでに終了しています。
現在、予約・購入可能なのは、ふもコレで取り扱っている「GLSSWRKS Hana Premium Glass Mousepad International Edition 490x420mm」のみで、価格は24,980円です。
外観的特徴
GLSSWRKS Hanaは、GLSSWRKSの歴代マウスパッドの中で最も透明度の高いガラスを採用しています。この高透明度のガラスは、マウスパッドの美しさを際立たせています。さらに、超高解像度UVプリント技術を駆使して描かれたアートワークにより、キャラクター「Hana」が鮮明かつ妖艶に映し出されます。この印刷技術は、細部まで美しく再現することができ、まるでHanaが生きているかのような立体感を表現しています。
ベースには特注デザインのカスタムシリコン素材を採用しています。このベースはデスク上にしっかりと吸着し、マウスパッドの使用中の滑りやズレを防止します。これにより、安定した操作環境をもたらします。
サイズは490mm×420mmで、現代のゲーミングマウスパッドに求められる十分な大きさを備えています。これにより、広範囲のマウス操作や低感度設定のプレイヤーにも対応できます。
GLSSWRKS Hanaは、製品の安全性と品質保持を最優先に考え、厳重なフラットパッケージで梱包されています。この特殊な梱包方法により、輸送中の破損リスクを最小限に抑えることができます。また、平らな形状を維持することで、製品の変形や歪みを防ぎ、高品質なガラスマウスパッドの特性を損なうことなく届けることが可能になっています。GLSSWRKS Hanaのパッケージには凝ったプリントや装飾が施されており、製品の高級感と開封時の体験価値を高める工夫が見られます。
さらに、この包装方法により自宅での安全な保管も容易になります。使用しないときは元のパッケージに戻して保管することで、製品を傷や汚れから守ることができます。このように、GLSSWRKSは製品の梱包から保管に至るまで、あらゆる面で細心の注意を払っています。
形状とエッジ
GLSSWRKS Hanaの厚さは公称値3.0mmです。実測値では、ガラスが2.0mm、シリコンベースが1.42mmで、合計3.42mmとなります。このパッドは丸みを帯びた2.5D「エッジレス」デザインを採用しており、薄さと角の丸さにより、エッジ部分が手首や腕に与える圧力や不快感を最小限に抑えています。この設計により、長時間の快適な使用が可能になります。さらに、GLSSWRKS Hanaは軽量なため、持ち運びや設置位置の調整、デスクスペースの清掃が特に容易になっています。
カッターマットの方眼を基準に、GLSSWRKS Hanaの水平・垂直方向の歪みを目視で慎重に確認しました。複数の角度から観察し、光の反射具合も考慮しながら詳細に検証しましたが、いかなる変形や歪みも見られませんでした。この結果は、GLSSWRKS Hanaの製造過程における高い品質管理と精度の高さを示しています。
表面組織と底面
GLSSWRKS Hanaの滑走面は、熱処理された強化ガラスにより耐久性が向上しています。マットでサラサラとした手触りの表面は極めて滑らかに仕上げられ、摩擦を最小限に抑えています。これにより、高速な動きや急激なフリック、トラッキングに対しても鋭い応答性を示します。ガラスマウスパッド特有の乾いた感触と相まって、非常にスムーズな操作感を実現しています。さらに、イオンコーティングされたこの滑走面は長期間の使用でも性能が年単位で劣化しにくく、一貫した操作感を維持し続けるとのことです。
底面全体にシリコン製の滑り止めが施されており、マウスパッド自体の変形を防ぎます。これにより、激しいマウス操作中もパッドが安定し、長期間の使用に耐える堅牢性を実現しています。特注デザインのカスタムシリコン素材をベースに採用し、デスク上にしっかりと吸着させることで、使用中の滑りやズレを防止します。結果として、安定した操作環境をもたらします。
付属品
GLSSWRKS Hanaには、300×300mmのマイクロファイバークリーニングクロス、UNUSUAL WAY SPORTSのマウススケート、清掃用アルコールパッド、そしてレンチキュラー印刷によるHanaのコンセプトアートが施されたポストカードが付属しています。
HANAに付属するUNUSUAL WAY SPORTSのマウススケートは、同社のSILVER FOXに酷似していますが、充填剤の配合率が異なるためか、色合いや滑りに違いがあります。詳細な比較については、今後機会があれば実施したいと考えています。
- ゲーミングマウスパッドの防滑性能の重要性
-
- 防滑性能の高いマウスパッドは、プレイヤーが激しくマウスを操作しても、マウスパッドの位置がズレません。これによりマウスの動きが正確に反映され、マウスの操作やエイムの精度が向上します。
- 特にFPSやMOBAなど、瞬時の反応が求められるゲームでは、マウスパッドのズレが致命的なミスを引き起こす可能性があります。
アームカバー(スリーブ)との相性
代表的なアームカバー(スリーブ)との相性は以下の通りです。
アームカバー(スリーブ) | GLSSWRKS Hana |
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◎ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | ◎ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 表面 | ◎ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 裏面 | ◎ |
WALLHACK ARM SLEEVE | ◎ |
AIM1 Sleeve アームカバー | ◎ |
静動摩擦測定(初動と滑り具合の評価)
- 静動摩擦測定条件と免責事項等について(クリックで開きます)
-
当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、布マウスパッドはESPTIGER ARC2、ガラスマウスパッドはNitro Factory ACZ-Fを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
測定に使用している装置はこちら多機能型静動摩擦測定機 TL201Tt免責事項等について免責事項・著作権評価について
初動の重さを以前はカテゴライズしていましたが、荷重が大きくなるほど初動の重さ係数(最大静摩擦係数)は小さくなることが分かりました。各マウスパッドで初動の重さ係数の変化が異なり、荷重に比例しないため、マウスパッド間での初動の重さ(最大静摩力)の単純な比較はできないと判断し、カテゴライズを中止しました。
滑り心地(平均動摩擦力および係数)について、マウスやマウスソールにかかる重さが変化しても、マウスパッドの動摩擦係数はほとんど変化しないことが分かりました。具体的には、測定機で確認できる範囲内で荷重による変動は見られるものの、その変動幅は小数点第三位程度です。そのため、動摩擦係数は小数第二位までの表記で十分な精度を確保できると判断しました。
カテゴライズについて
滑り心地は、平均動摩擦力の測定値に基づいて、以下の表のようにカテゴライズしています。※分類基準は予告なく変更される場合があります。
平均動摩擦力(単位:gf) 項目 – 13.0183 ハイスピード 13.0184 – 18.3832 スピード 18.3833 – 23.7481 スピードバランス 23.7482 – 29.1130 バランス 29.1131 – 34.4779 バランスコントロール 34.4780 – コントロール
初動の重さ(最大静摩擦力)と滑り具合(平均動摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 最大静摩擦力 |
---|---|
X軸 | 73.6gf |
Y軸 | 67.3gf |
45度 | 70.9gf |
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | ハイスピード | 11.0gf | 1.24 |
Y軸 | ハイスピード | 10.7gf | 1.28 |
45度 | ハイスピード | 10.4gf | 1.50 |
方向 | 最大静摩擦力 |
---|---|
X軸 | 65.5gf |
Y軸 | 69.5gf |
45度 | 69.7gf |
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | ハイスピード | 7.14gf | 1.35 |
Y軸 | ハイスピード | 7.37gf | 1.18 |
45度 | ハイスピード | 7.49gf | 1.15 |
主要なガラスマウスパッドのWALLHACK SP-004と比較しながら、評価を進めていきます。
最大静摩擦力の詳細分析
最大静摩擦力は、マウスが静止状態から動き出す瞬間に必要な力を示す重要な指標です。この値が高いほど、マウスを動かし始めるのに多くの力が必要となります。
- GLSSWRKS Hana
- X軸: 73.6gf – 水平方向の動きに対する抵抗を示します。
- Y軸: 67.3gf – 垂直方向の動きに対する抵抗を示します。
- 45度: 70.9gf – 斜め方向の動きに対する抵抗を示します。
GLSSWRKS Hanaは全方向でほぼ均一な最大静摩擦力を示しており、特にX軸とY軸の差が小さいことから、方向による違いが少ない安定した初動特性を持っていることがわかります。
- WALLHACK SP-004
- X軸: 65.5gf – 水平方向の動きに対する抵抗を示します。
- Y軸: 69.5gf – 垂直方向の動きに対する抵抗を示します。
- 45度: 69.7gf – 斜め方向の動きに対する抵抗を示します。
WALLHACK SP-004もまた、方向による大きな差はありません。
両製品を比較すると、WALLHACK SP-004の方が全体的に約5-6gf低い最大静摩擦力を示しています。これは、WALLHACK SP-004の方がより軽い力でマウスを動かし始めることができます。一方、GLSSWRKS HanaはWALLHACK SP-004よりも、若干高い最大静摩擦力を持つことで、SP-004より精密なエイムのコントロールが可能になります。
平均動摩擦力と標準偏差の詳細分析
平均動摩擦力は、マウスが動いている間の抵抗を示す重要な指標です。標準偏差は、その抵抗の一貫性を表します。これらの値を詳しく分析することで、各マウスパッドの特性をより深く理解することができます。
GLSSWRKS Hana
- X軸: 11.0gf (標準偏差: 1.24)
- 水平方向の滑りが非常に安定しています。この低い標準偏差は、X軸方向の動きが極めて一貫していることを示しています。
- Y軸: 10.7gf (標準偏差: 1.28)
- 垂直方向もスムーズで、X軸とほぼ同等の性能を示しています。
- 45度: 10.4gf (標準偏差: 1.50)
- 斜め方向の動きも他の方向と遜色ない滑らかさを維持しています。
- 標準偏差も他の方向と同程度であり、一貫した斜め方向の動きを実現しています。
WALLHACK SP-004
- X軸: 7.14gf (標準偏差: 1.35)
- 水平方向の滑りが最も軽く、高速な動きが可能です。これは、素早い左右の動きを必要とするFPSゲームなどで有利に働く可能性があります。
- Y軸: 7.37gf (標準偏差: 1.18)
- 垂直方向の滑りもスムーズで、X軸よりも安定しています。
- X軸と比べて若干高い動摩擦力は、垂直方向の動きに対してより細かい制御が可能であることを示唆しています。
- 標準偏差が小さいことから、垂直方向の動きがより一貫していると言えます。
- 45度: 7.49gf (標準偏差: 1.15)
- 斜め方向の動きもX軸に近い値を保っていますが、標準偏差が比較的大きいです。
- 標準偏差が小さいことから、垂直方向の動きがより一貫していると言えます。
両製品を比較すると、WALLHACK SP-004の方が全体的に約3.0〜4.0gf低い平均動摩擦力を示しており、より軽い力でマウスを動かせることがわかります。一方、GLSSWRKS Hanaは若干高い平均動摩擦力を持ちます。この特性は、精密なエイムや安定したトラッキングを必要とするゲームプレイで有利に働くでしょう。
これらの特性は、ユーザーの好みや使用目的によって、それぞれ長所となります。例えば、より高速かつ素早いマウス操作を重視するFPSプレイヤーにはWALLHACK SP-004が、ガラスマウスパッドの中でバランス寄りで一貫した滑りを必要とするゲーマーにはGLSSWRKS Hanaが適しているかもしれません。ただし、これらの差異は微細であり、多くのユーザーにとっては実際の使用感の違いを感じ取るのが難しい可能性があります。最終的な選択は、個人の好みと使用目的に大きく左右されるでしょう。
総合評価
- GLSSWRKS Hanaは、SP-004よりも、やや高い静摩擦力と動摩擦力を持ち、より制御しやすい滑りを提供する可能性があります。また、標準偏差が小さいことから、より一貫した滑りを実現しています。
- WALLHACK SP-004は、より低い静摩擦力と動摩擦力を持ち、よりスピーディーな滑りを提供します。
- どちらの製品も高品質なガラスマウスパッドであり、ユーザーの好みや使用スタイルによって選択が分かれるでしょう。バランス寄りの滑りを好むユーザーにはGLSSWRKS Hanaが、より速い動きを好むユーザーにはWALLHACK SP-004が適しているかもしれません。
主要なガラスマウスパッドと比較
まとめ
デザイン性
- GLSSWRKSシリーズの特徴である、妖艶で神秘的な女性キャラクターが全面にUVプリントされています
- 高透明度のガラスと超高解像度UVプリント技術により、アートワークが鮮明かつ立体的に表現され、美しさが際立ちます
GLSSWRKS Hanaの設計
- 熱処理された強化ガラスにより耐久性が向上しています
- マウスパッド本体は薄く、2.5D「エッジレス」デザインを採用しています
- 丸みを帯びたエッジにより、手首や腕への圧力や不快感を最小限に抑えています
- ベースには特注デザインのカスタムシリコン素材を採用し、デスク上にしっかりと吸着します
GLSSWRKS Hanaの性能特性
- 最大静摩擦力と平均動摩擦力において、全方向で均一な滑りを実現しています
- GLSSWRKSシリーズの中で、KAZEMIとAKARIのよりも遅い滑り心地です
- WALLHACK SP-004と比較して約3.0〜4.0gf高い平均動摩擦力を持ちます
総合評価
- GLSSWRKS Hanaは、高品質なガラスマウスパッドとして、安定した滑りとスピード性能を見事に両立しています。特に標準偏差が小さいため、ムラのない一貫性のある滑りを実現し、APEX LEGENDSやOVERWATCH2などのトラッキングが求められるゲームで真価を発揮します。
- 美しいデザインと高性能を巧みに融合させ、ゲーミング用途はもちろん、絵画のような芸術作品としての価値も持ち合わせています。全面に施された高解像度UVプリントによる妖艶な「Hana」のアートワークは、デスク環境の美観も格段に向上させます。
- GLSSWRKS Hanaは、高速かつ安定した滑り心地を求めるゲーマーに最適な、極めて高品質で芸術性豊かなガラスマウスパッドです。
- 2024年に発売されたガラスマウスパッドの中でも、品質・デザイン・性能など総合的に考慮して、個人的にトップ5に入る逸品だと断言できます。
[サンプル提供:ふもっふのおみせ]
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