Creative Challenge 2025 優勝作品「がお。」レビュー。学生クリエイターの才能が生んだ革新的ゲーミングギア
QSPECが開催したCreative Challenge 2025の優勝作品「がお。」が、マウスソールとマウスパッドの2製品として商品化され、提供いただきましたのでレビューします。
また、発売開始から1か月間は売上の50%をデザインを担当した学生クリエイターへ還元する取り組みを実施しています。
価格はマウススケートが3,980円、マウスパッドが4,980円となっています。

Creative Challenge 2025とは
「若い才能が活躍できる場を作りたい」という想いから始まったCreative Challengeは、多くの学生クリエイターが全力で挑んだコンペティションです。 優勝デザインをマウスパッド・マウスソールに落とし込み、「若い才能の挑戦がカタチになった証」として製品化されました。

STALK model「がお。」の特徴
世界初の全面アートプリント技術
STALK modelは、世界初となる全面アートプリント技術を採用したガラスソールです。 クリエイター渾身のアートを「マウス裏」に全面印刷し、ガラス部と高耐久ステッカー部が一体化することで、底面全てが鮮やかなアートに仕上がっています。

実際の使用感と性能
マウスソールに特化してきたQSPECのノウハウが詰まった製品として、プレミアムガラス素材による超低摩擦が最大の特徴です。 従来のテフロン系ソールと比較すると、初動の軽さが格段に向上しており、わずかな手首の動きでもマウスが滑り出します。
特にFPSゲームでの精密なエイムにおいて、その違いは顕著に現れます。フリック操作では、狙った位置でピタリと止まる制御性を保ちながら、追いエイムでは滑らかな追従が可能になります。 長時間のゲームプレイでも手首への負担が軽減され、疲労感の蓄積が抑えられる点も評価できます。
デザインと実用性の両立
「がお。」のアートワークが施された、高耐久ステッカー部分の印刷品質は高く、長期使用でも色褪せや剥がれの心配が少ない仕上がりとなっています。
ガラス素材特有の課題である「滑りすぎ」については、適度な制動力も備えており、初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応できるバランスの良い設計です。 価格は3,980円と、プレミアムガラスソールとしては妥当な価格設定といえるでしょう。マウススケートもステッカーも貼り付けるのに特段難しくなく、スムーズに貼り付けられました。


TRACE model「がお。」の特徴
スピード寄りのバランスのとれた操作感と実際の使用体験
TRACE modelは、FPS・MOBA・MMOなど、あらゆるジャンルに適した「スピード寄り」のマウスパッドです。 高品質ポリエステル生地を採用した表面は、触れた瞬間にそのさらさらとした質感が分かります。

実際の使用では、マウスを滑らせた瞬間から軽やかな滑走感を体験できます。初動の軽さは特に印象的で、わずかな力でマウスが動き出すため、細かなエイム調整から大きなフリック操作まで、思った通りの動作が実現できます。 「振り向き操作がしやすく、スピード感をしっかり実感」できるという特徴は、実際のゲームプレイで顕著に現れます。
490×420mmの大型サイズがもたらす快適性
490×420mmという大型サイズは、ローセンシ設定のユーザーにとって特に恩恵が大きいです。 180度振り向きに必要な距離が長いプレイヤーでも、マウスパッドの端を気にすることなく、のびのびとマウスを動かせます。厚み4mmのクッション性により、長時間の使用でも手首への負担が軽減されます。
他のマウスパッドとの比較



以下のテーブルは、各マウスパッドの最大静止摩擦力と動摩擦力を、測定方向別にまとめたものです。動摩擦力の値は、複数回測定されたデータの中央値であり、必ずしもグラフに示される特定の値と直接リンクしているわけではありません 。
X軸方向の測定データ
マウスパッド名 | 最大静止摩擦力 (gf) | 動摩擦力 (gf) | 動摩擦係数 (μk) |
---|---|---|---|
Steelseries QCK BALANCE | 72.1 | 14.6 | 0.099 |
Steelseries QCK SPEED | 67.7 | 12.4 | 0.084 |
QSPEC TRACE model 『がお。』 | 74.2 | 18.5 | 0.13 |
Logicool(Logitech) G640S | 78.0 | 16.3 | 0.11 |
Vaxee PA Pcute | 75.1 | 18.1 | 0.12 |
Vaxee PA Black | 81.8 | 19.3 | 0.13 |
Vaxee PA Zygen | 90.3 | 18.9 | 0.13 |
ARTISAN FX-ZR-SF-XL | 94.1 | 28.4 | 0.19 |
Y軸方向の測定データ
マウスパッド名 | 最大静止摩擦力 (gf) | 動摩擦力 (gf) | 動摩擦係数 (μk) |
---|---|---|---|
Steelseries QCK BALANCE | 75.5 | 18.6 | 0.13 |
Steelseries QCK SPEED | 69.3 | 13.4 | 0.091 |
QSPEC TRACE model 『がお。』 | 77.6 | 20.0 | 0.13 |
Logicool(Logitech) G640S | 84.7 | 17.3 | 0.12 |
Vaxee PA Pcute | 79.1 | 20.7 | 0.14 |
Vaxee PA Black | 87.8 | 20.0 | 0.14 |
Vaxee PA Zygen | 86.7 | 20.3 | 0.14 |
ARTISAN FX-ZR-SF-XL | 88.5 | 23.8 | 0.16 |
45度回転方向の測定データ
マウスパッド名 | 最大静止摩擦力 (gf) | 動摩擦力 (gf) | 動摩擦係数 (μk) |
---|---|---|---|
Steelseries QCK BALANCE | 73.1 | 16.9 | 0.11 |
Steelseries QCK SPEED | 69.3 | 14.2 | 0.097 |
QSPEC TRACE model 『がお。』 | 77.9 | 20.7 | 0.14 |
Logicool(Logitech) G640S | 80.3 | 16.4 | 0.11 |
Vaxee PA Pcute | 74.6 | 17.6 | 0.12 |
Vaxee PA Black | 82.3 | 18.5 | 0.13 |
Vaxee PA Zygen | 89.1 | 21.3 | 0.14 |
ARTISAN FX-ZR-SF-XL | 89.5 | 25.1 | 0.17 |
マウスパッド摩擦力測定データ解説
この測定データは、ゲーミングマウスパッドの性能を評価する上で重要な「静止摩擦力」と「動摩擦力」に焦点を当てています。静止摩擦力はマウスを動かし始める際の抵抗、動摩擦力はマウスが動き始めてからの抵抗を表します。動摩擦係数 (μk) は、動摩擦力を荷重で割った値であり、マウスパッドの滑りやすさの直接的な指標となります。数値が小さいほど滑りやすいことを示します。
全体的な傾向
- 最大静止摩擦力: マウスを動かし始める際の「重さ」や「止めやすさ」に直結します。数値が高いほど、マウスの初期動作に「ピタッと止まる」感覚が強くなります。
- 動摩擦力: マウスが一度動き出してから、どれだけスムーズに滑るかを示します。数値が低いほど、少ない力でマウスを滑らかに操作できます。
- 動摩擦係数 (μk): マウスパッドの「滑り」の特性を総合的に示します。
各マウスパッドのレビュー
- Steelseries QCK BALANCE
- 最大静止摩擦力はX軸で72.1gf 、45度回転で73.1gf と低めであり、マウスを動かし始めやすい特性を持っています。
- 動摩擦力もX軸で14.6gf (μk:0.099) 、45度回転で16.9gf (μk:0.11) と低い水準です。
- 全体的に滑りやすく、特にX軸方向への動きで低い抵抗を示します。素早いマウス操作が求められるゲームに適しています。
- Steelseries QCK SPEED
- 最大静止摩擦力はX軸で67.7gf (μk:0.084) 、45度回転で69.3gf (μk:0.097) と、今回の比較の中では最も低い部類に入ります。
- 動摩擦力もX軸で12.4gf 、Y軸で13.4gf 、45度回転で14.2gf と非常に低く、特にX軸方向での滑りの良さが際立っています。
- その名の通り、非常に「速い」マウスパッドであり、低DPIでの広いマウス移動や、滑らかなトラッキングを重視するユーザーに最適です。
- QSPEC TRACE model 『がお。』
- X軸方向での最大静止摩擦力は74.2gf と比較的低く、Y軸方向と45度回転方向では77.6gf 、77.9gf とわずかに上昇しますが、全体的に低い傾向にあります。
- 動摩擦力はX軸で18.5gf 、Y軸で20gf 、45度回転で20.7gf と、方向によってわずかに差が見られますが、安定した滑りを提供します。
- バランスの取れた滑りと止めやすさを求めるユーザーに適しており、多くのゲームジャンルに対応できる汎用性を持っています。
- Logicool(Logitech) G640S
- 最大静止摩擦力はX軸で78.0gf 、Y軸で84.7gf 、45度回転で80.3gf と中程度の値です。Y軸方向でわずかに抵抗が高まる傾向があります。
- 動摩擦力はX軸で16.3gf (μk:0.11) 、Y軸で17.3gf (μk:0.12) 、45度回転で16.4gf (μk:0.11) と比較的低く、滑らかさに優れています。
- QCK BALANCEやQCK SPEEDと比較すると若干止めが効く印象ですが、全体的にはスムーズな操作感で、快適なゲーミング体験を提供します。
- Vaxee PA Pcute
- 最大静止摩擦力はX軸で75.1gf 、Y軸で79.1gf 、45度回転で74.6gf と、QSPEC TRACE model 『がお。』に近い値を示します。
- 動摩擦力はX軸で18.1gf 、Y軸で20.7gf 、45度回転で17.6gf と、Y軸方向でわずかに抵抗が大きくなる傾向が見られます。
- バランスの取れた滑りと止めやすさを持ち、特に繊細な操作とスムーズな動きを両立させたいユーザーに適しています。
- Vaxee PA Black
- 最大静止摩擦力はX軸で81.8gf 、Y軸で87.8gf 、45度回転で82.3gf と、Vaxee PA PcuteやQSPEC TRACE model 『がお。』よりも一貫して高い値を示します。
- 動摩擦力はX軸で19.3gf 、Y軸で20gf 、45度回転で18.5gf と、比較的安定しています。
- 初期の動き出しにしっかりと「止め」の感覚があり、その後の滑りはスムーズです。これにより、精密なエイムが求められる場面での安定性に優れています。
- Vaxee PA Zygen
- 最大静止摩擦力はX軸で90.3gf 、Y軸で86.7gf 、45度回転で89.1gf と、今回比較したマウスパッドの中で最も高い部類に入ります。
- 動摩擦力はX軸で18.9gf 、Y軸で20.3gf 、45度回転で21.3gf と、Vaxee PA Blackよりわずかに高い傾向が見られます。
- 非常に強い「止め」の感覚が特徴で、マウスの微細な動きをコントロールしたい、特に低DPIで精密なエイムを行うユーザーに最適です。
- ARTISAN FX-ZR-SF-XL
- 最大静止摩擦力はX軸で94.1gf 、Y軸で88.5gf 、45度回転で89.5gf と、非常に高い水準です。
- 動摩擦力もX軸で28.4gf (μk:0.19) 、Y軸で23.8gf (μk:0.16) 、45度回転で25.1gf (μk:0.17) と、他のマウスパッドと比較して明らかに高い値を示します。
- このマウスパッドは、非常に高い「コントロール性」を提供します。マウスの動きにしっかりと抵抗があり、意図しないオーバーシュートを防ぎます。滑りよりも止めを重視するユーザー、または高DPIで微細な調整を行いたいユーザーに強く推奨されます。
結論
マウスパッド選びは個人の好みやプレイスタイルに大きく依存しますが、このデータは客観的な指標を提供します。
- 速度重視: Steelseries QCK SPEED、Steelseries QCK BALANCEが適しています。
- バランス重視: QSPEC TRACE model 『がお。』、Logicool(Logitech) G640S、Vaxee PA Pcuteが適しています。
- コントロール重視: Vaxee PA Black、Vaxee PA Zygen、ARTISAN FX-ZR-SF-XLが適しており、特にARTISAN FX-ZR-SF-XLは高いコントロール性を求めるユーザーに最適です。

異なるゲームジャンルでの適応性
FPSゲームでは、敵を素早く捉える際のフリック操作で威力を発揮します。表面のさらさらとした質感により、狙った方向へ瞬時にマウスを振ることができ、反応速度の向上を実感できます。 MOBAやMMOといった、頻繁なクリック操作が求められるジャンルでも、軽快な操作感が継続的なパフォーマンス維持に貢献します。
一方で、極めて精密なエイム調整が必要な場面では、スピード重視の特性により若干の慣れが必要かもしれません。しかし、「細かなフリックから大きなスワイプまでスムーズに操作可能」という設計思想通り、幅広い操作に対応できるバランスの良い仕上がりとなっています。
使用上の注意点
一方で、エッジ部分の仕上げには改善の余地があります。マウスパッドの縁が切りっぱなし仕様となっており、裁断面の処理が粗いため、手首や腕が触れた際に違和感を覚えることがあります。長時間のゲームプレイでは、人によっては痛みを感じる可能性もあるため、使用位置の調整や、必要に応じてアームカバーの併用を検討することをおすすめします。




クリエイターへの還元
発売開始から1か月間は、本商品の売上の50%をデザインを担当した学生クリエイターへ還元する仕組みを導入しています。 購入するだけで、次世代クリエイターの夢を直接サポートできる取り組みとして注目されています。
皆さんおはようございます。QSPECです。
— QSPEC (@QSPEC_official) May 14, 2025
本日より、「がお。」がQSPEC公式サイトにて発売となります🙌
本日から1か月間、本商品の売上の50%がデザインを担当した学生クリエイター「小池じぇい」氏へ還元されます。
QSPEC初となる取り組みです。
よろしければ、下記リンクより詳細をご覧ください。… pic.twitter.com/lNHCTZ4QVp
まとめ
Creative Challenge 2025優勝作品「がお。」は、学生クリエイターの才能とQSPECの技術力が融合した革新的な製品です。
STALK modelでは世界初の全面アートプリント技術、TRACE modelではスピード重視の操作感を実現し、それぞれ異なるニーズに応えるユニークな仕様となっています。
購入者は高品質なゲーミングギアを手に入れると同時に、売上の一部が学生クリエイターに還元される仕組みを通じて、次世代の才能育成に直接貢献できる点も大きな特徴といえるでしょう。
[サンプル提供:QSPEC]




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