【レビュー】G-Wolves Fenrir Asym 8K|20.3g超軽量ワイヤレスマウスの性能・使用感・価格を検証
G-Wolvesが開発した「Fenrir Asym 8K Wireless Mouse」(以下、Fenrir Asym 8K)は、フィンガーティップグリップを好むゲーマー向けに設計された超軽量ワイヤレスマウスです。
20.3gという驚異的な軽さと、最大8KHzのポーリングレートを実現する高性能を備え、特に小指のサポートを考慮した非対称形状が最大の特長です。本記事では、この製品の仕様、デザイン、性能について詳しくレビューします。


製品概要
Fenrir Asym 8Kは、G-Wolvesのフラッグシップモデルとして位置づけられており、特にフィンガーティップグリップでの使用に最適化されており、極限まで軽量化された設計が最大の特徴です。
項目 | 仕様 | 特徴 |
---|---|---|
センサー | Pixart PAW 3950 DB | 最新世代の高性能センサー |
最大DPI | 50-30,000(50単位で設定可) | 業界最高水準 |
ポーリングレート | 最大8KHz | 従来の1KHzの8倍 |
最大追従速度 | 750 IPS | プロレベルの高速操作に対応 |
重量 | ~20.3g | 市場最軽量クラス |
サイズ | L:75mm, W:63mm, H:27mm | フィンガーティップ最適化 |
価格 | $159.00 | プレミアムな価格帯 |
実際に使ってみて分かった、この形状の真価
つまみ持ちでの操作感:期待を上回る安定性
私は4月からつまみ持ち(フィンガーティップグリップ)でマウスを操作していますが、Fenrir Asym 8Kの非対称形状は本当によく考えられています。特に右側面の小指サポート用のフレアは、最初は「本当に効果があるのか?」と疑問に思っていましたが、実際に使ってみると確実にマウスの安定性が向上していることを実感できました。
20.3gという軽さでありながら、マウスがふらつくことはありません。これは形状設計の巧妙さによるものだと思います。従来の軽量マウスでは、軽すぎて制御が難しいと感じることがありましたが、Fenrir Asym 8Kではそのような問題は一切感じませんでした。

センサー性能
搭載されているPixart PAW 3950 DBセンサーの性能は申し分ありません。最大8KHzのポーリングレートは、正直なところ体感で違いを感じるのは難しいレベルですが、高リフレッシュレートモニターでのゲームプレイでは確実に滑らかさが向上しています。
私が主にプレイするValorantなどでテストしましたが、特にフリックショットの精度が向上したように感じます。これは軽量化とセンサー性能の相乗効果だと考えています。
Valorantでは、より精密なエイム調整が要求されますが、Fenrir Asym 8Kは期待通りの性能を発揮しました。特にオペレーターでのフリックショットでは、軽量化による恩恵を強く感じました。

気になった点
サイドボタンの配置
5ボタン構成のうち、サイドボタンの配置は賛否が分かれるところです。私の手のサイズではほぼ問題なくアクセスできますが、親指が太いが為に誤って意図しないサイドボタンをクリックすることがありました。ただしこれも、使う人の指や手の大きさに依存するところだと思います。

付属品
Fenrir Asym 8Kのパッケージを開封すると、マウス本体に加えて、ユーザー体験を向上させるために慎重に選ばれた多種多様な付属品が同梱されています。これらは、単なる予備品ではなく、マウスの性能を最大限に引き出し、個々のユーザーに最適化するためのツールキットです。
- 簡易取扱説明書
- 交換用マウスソール(PTFE製)と両面テープ: 汎用と専用形状の2種類のソールセットが含まれており、使用するマウスパッドや好みに応じて滑り心地を調整できます。
- 専用グリップテープ: マウスの主要な接触部分に貼り付けるためのプレカットされたグリップテープ。これにより、グリップ力が向上し、長時間のプレイでも安定した操作が可能になります。
- 8K対応ワイヤレスレシーバー: 8KHzの超高速ポーリングレートを実現するための専用レシーバー。
- 8Kドングル用パラコードケーブル: 無線および有線モードでの使用を目的とした、非常に柔軟で軽量なケーブル。操作の妨げになりません。
- 充電用ケーブル(USB Type-C): マウスの充電に使えるケーブルです。
- クリーニングブラシおよびクロス: マウスのセンサーや隙間の埃を除去し、常に最高のパフォーマンスを維持するためのメンテナンスツール。
- ダストカバーテープ: マウス裏面に異物が入り込むのを防止する効果が期待できます。
- キャリーケース(紐付き): 持ち運びや保管に便利なケース。
- ペーパークレイ: 形状変更用のアクセサリー。



Fenris Max 8Kとの比較
AsymとMaxの根本的な違い
Fenrir Asym 8K:非対称設計
Asym 8Kの最大の特徴は、その名の通り非対称形状にあります。特に右側面に設けられた小指サポート用のフレアは、つまみ持ちでのマウス保持力を大幅に向上させます。
実際に使用してみると、この非対称設計の効果は想像以上でした。20.3gという軽量設計でありながら、マウスが手から滑る心配がなく、安定したグリップを維持できます。幅63mmという設計も、つまみ持ちには理想的なサイズ感です。
Fenrir Max 8K:対称形状による汎用性
一方、Max 8Kは対称形状を採用しており、幅61mmとAsymより2mm狭く、高さ31mmとAsymより4mm高い設計で、つまみ持ちの中で汎用性の高い設計となっています。




入力遅延
- 入力遅延測定の条件と免責事項等について(クリックで開きます)
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ゲーミングマウスの性能評価において、入力遅延の測定は重要な要素です。当サイトでは、NVIDIAが開発した遅延測定ツールLDAT(Latency Display Analysis Tool)を使用して、マウスの入力遅延を計測しています。LDATは、ゲームやアプリケーションにおけるクリックからマズルフラッシュまでの遅延を、迅速かつ正確に測定するツールです。
測定の仕組みは、光センサーをディスプレイ表面に取り付け、マズルフラッシュを検出します。測定したいマウスが実際にクリックされてからマズルフラッシュ発光までの時間を高精度で計測することで、マウスの実際の応答性能を客観的に評価できます。当サイトではこの測定における最小値を掲載しています。
ただし、マウスを総合的に評価する際は、入力遅延だけでなく、前述の形状、重量、ボタン配置なども重要な判断材料となります。LDATの測定結果と他の要素を総合的に分析することで、より自分に適したゲーミングマウスを選択できるでしょう。
他のゲーミングマウスの入力遅延データは、こちらで見れます【レビュー】G-Wolves Fenrir Asym 8K|20.3g超軽量ワイヤレスマウスの性能・使用感・価格を検証免責事項等について免責事項・著作権
Fenrir Asym 8K ワイヤレスの入力遅延性能を他の主要ゲーミングマウスと比較分析しました。測定データによると、このマウスは8Kモード競技設定で4.0ms、通常モードで4.3msの入力遅延を記録しています。
競合他社との性能比較
最速クラスのLogicool Pro X Superlight 2(3.7-3.8ms)には及ばないものの、Fenrir Asym 8Kは4.0-4.4msの範囲で安定した性能を発揮します。特筆すべきは、Razer VIPER V3 PROとの比較で全ポーリングレート設定において優位性を示していることです。8Kモードでは4.3ms対4.4ms、4Kモードでは4.3ms対4.8ms、2Kモードでは4.1ms対4.7ms、1Kモードでは4.4ms対5.1msと、すべての設定でRazer製品を上回っています。
実用性と特徴
競技モードでは通常モードより0.3ms短縮される効果があり、プロレベルでも十分通用する4.0msを実現しています。ポーリングレートを変更しても性能が安定しており、用途に応じた柔軟な設定変更が可能です。
総合評価
Fenrir Asym 8Kは、Logicool製品には一歩及ばないものの、Razer製品より優秀でコストパフォーマンスに優れた選択肢です。特につまみ持ちユーザーやFPSゲーマーには、その軽量性と低遅延性能が大きなメリットとなるでしょう。実用的な推奨設定は、バッテリー持続性を考慮した2Kモード(4.1ms)、または競技用途での8K競技モード(4.0ms)です。






ソフトウェアとカスタマイズ
Fenrir AsymはWebベースのソフトウェアを採用しており、ブラウザ経由でマウスの各種設定を行うことができます。このWebアプリケーションは非常にシンプルで操作しやすく、最も一般的な機能をすべて提供しており、従来のソフトウェアよりも使いやすい実装となっています。

DPI設定とカスタマイズ
DPI設定はデフォルトで400、800、1,600、3,200に設定されており、Webソフトウェアを使用して細かな再設定が可能です。ゲーミングマウスに求められる基本的なDPI調整機能として、プレイスタイルやゲームジャンルに応じた最適な感度設定を行うことができます。
ポーリングレート設定
Fenrir Asym 8Kは最大8,000Hzのポーリングレートに対応しており、Webソフトウェアから設定変更が可能です。一般的なゲーミングマウスと同様に、125Hz、500Hz、1,000Hz、そして最大8,000Hzまでの段階的な調整ができ、使用環境やシステム負荷に応じて最適なポーリングレートを選択できます。

リフトオフディスタンス(LOD)調整
リフトオフディスタンス(LOD)は0.7mm・1.0mm・2.0mmの3段階に設定可能で、Webソフトウェアから簡単に調整できます。ただし、LODの設定によってはセンサーが横向きに配置されている影響で、通常のマウスの置き直し時にセンサーが震える現象が発生するという報告があったので最適な設定を見つける必要がありそうです。
LED設定とインジケーター機能
LEDはRGB対応で、ソフトウェアまたはPCB LEDによるDPIインジケーター機能を備えています。LED調整機能はありませんが、無効化することは可能で、競技環境での使用時に不要な光を消すことができます。
ファームウェアアップデート対応
ファームウェアのアップデートも簡単に実行できる設計となっています。これにより、新機能の追加や性能向上、バグ修正などを継続的に受けることができ、長期間にわたって最新の性能を維持することが可能です。
このように、Fenrir Asym 8KのWebソフトウェアは、ゲーミングマウスに求められる必要最低限の設定項目をすべて網羅しており、直感的な操作で各種カスタマイズを行うことができる実用的なシステムとなっています。
まとめ
Fenrir Asym 8Kは、20.3gという驚異的な軽さを誇る特殊なゲーミングマウスです。最近のゲーミングマウスが40-60g程度なので、その軽さは一般的なマウスの約3分の1という革新的な設計となっています。価格は159ドル(約2万4,000円)と高価ですが、特定の条件に合うユーザーには非常に魅力的なゲーミングマウスです。


どんな人におすすめか
このマウスは「つまみ持ち」という特殊な持ち方専用に作られています。つまみ持ちとは、指先だけでマウスを操作する持ち方で、手のひらはマウスに触れません。FPSゲームで素早く正確な操作が求められる競技レベルのプレイヤーに特に適しています。
軽さのメリット
20.3gという軽さにより、マウスを動かす際の抵抗が極めて少なくなります。これにより高速な操作が可能になります。また、非対称形状により小指をしっかりサポートし、従来の軽量マウスで問題となっていた「握りにくて制御しにくい」という課題を解決しています。
注意点
初めて超軽量マウスを使う人に向けてのアドバイスとして、20.3gという軽さに慣れるまで時間がかかり、最初は制御が困難になる可能性があります。また、手のひら全体でマウスを包み込む「パームグリップ」や「クローグリップ」を好む人には全く適しません。
価格について
約2万4,000円という価格は確かに高額ですが、極限の軽量化技術、8KHzという超高速な応答性能、独特な非対称形状の開発コストを考慮すると適正価格です。ただし、これは競技レベルでゲームをプレイし、パフォーマンス向上を真剣に求めるユーザー向けのゲーミングマウスとして考えるべきです。
購入前のチェックポイント
購入前に必ず確認すべきは、自分の持ち方が「つまみ持ち」であること、手のサイズが適合すること、軽量マウスの使用経験があることです。これらの条件が揃わない場合は、より汎用的なゲーミングマウスから始めることをお勧めします。
条件に合致するユーザーにとって、このマウスはゲーム体験を劇的に向上させる可能性を秘めた革新的な製品です。特につまみ持ちでFPSゲームを本格的にプレイする方には、試してみる価値のある一品といえるでしょう。







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