News
PR

Steam、決済業者基準に反するゲームを禁止 ガイドライン改定により特定テーマ作品など削除

Neu

 Valve Corporation運営のゲーム配信プラットフォーム「Steam」が7月16日、決済代行業者やカードネットワーク、銀行、インターネットプロバイダーが定める基準に違反する可能性のあるコンテンツを禁止する新たなガイドラインを公開した。

スポンサーリンク

新規約で「特定の成人向けコンテンツ」を対象に

 今回の規約改定はSteamworksの開発者向けポータルで行われ、新たな記述が追加された。追加された規約の全文は以下の通りである。

「15. Content that may violate the rules and standards set forth by Steam’s payment processors and related card networks and banks, or internet network providers. In particular, certain kinds of adult only content.」

 日本語に訳すと「Steamの決済代行業者、関連カードネットワーク、銀行、またはインターネットプロバイダーが定める規則や基準に違反する可能性のあるコンテンツ。特に特定の種類のアダルトコンテンツ」となる。

 この規約は主に「特定の成人向けのコンテンツ」が対象になるとされている。

規約改定を受けて多数のゲームが削除

 規約改定を受けて、すでにSteamからは多くのゲームが削除されている。削除されたゲームの詳細は、Steamの非公式データベース「SteamDB」のアプリイベントページから確認することが可能だ。

 SteamDBは自身のTwitterアカウントで「Steamは決済代行業者やカードネットワーク、インターネットプロバイダーが定める規則や基準に違反するゲームを禁止する新たなルールを追加した。同時に、多くの近親相姦をテーマにしたゲームがストアから削除された」と報告している。

PayPalとの関連性も指摘

 SteamDBは今回の措置について、PayPalとの関連性も指摘している。同アカウントによると、特定の地域のユーザーが過去5日間、PayPalを使用してSteamで支払いができない状況が続いているという。

 この決済問題と今回の規約改定との因果関係については詳細は明らかにされていないが、決済業者の基準強化が背景にあることが示唆されている。

決済業者の規約強化が背景に

 今回の規約改定は、近年クレジットカード会社などの決済代行業者が独自の規約を強化していることが要因とみられる。

 実際、昨年にはアダルト系通販サイトなどのサービスで一部クレジットカードを利用できなくなり、大きな話題となった経緯があり、これらの事例は、決済業者が成人向けコンテンツに対してより厳格な基準を適用する傾向を示している。

 今回の規約改定により、今後成人向けゲームを手がけるゲームクリエイターは、Steam独自の基準だけでなく、決済代行業者やカードネットワーク、銀行、インターネットプロバイダーが定める基準も考慮する必要が生じた。

 開発者は作品制作の段階から、これらの外部基準を意識したコンテンツ設計を行う必要があるだろう。

プラットフォーム運営の新たな課題

 今回の措置は、デジタルコンテンツ配信プラットフォームが直面する新たな課題を浮き彫りにしている。プラットフォーム事業者は自社の方針だけでなく、決済インフラを提供する外部企業の基準にも対応する必要がある。

 Steamのような大規模プラットフォームでも、決済業者の基準変更に応じてコンテンツポリシーを調整せざるを得ない状況は、デジタルコンテンツ業界全体に影響を与える可能性がある。

 今後、他のプラットフォームでも同様の対応が求められる可能性があり、成人向けコンテンツを扱う事業者にとって重要な動向となりそうだ。

Index
記事URLをコピーしました