【レビュー】Tenta-X Cataclysm Glass Pad丨動摩擦力15gfの高制動ガラスパッド!
ゲーミングマウスパッドの選択に悩むプレイヤーが増えています。特にFPSゲームでは、一瞬の照準の狂いがキルタイムを左右し、試合の勝敗を決めることも。 そんな中で注目を集めているのが、高性能ガラスマウスパッドの最新モデル「Tenta-X Cataclysm」です。
当サイトでは、ガラスマウスパッドの測定データを比較することで、この製品が持つ動摩擦力と卓越した安定性を確認しました。
本記事では、6軸の詳細な摩擦力測定と徹底的なデータ分析により、Tenta-X Cataclysmの真の実力に迫ります。タクティカルFPSプレイヤーやコントロール重視のゲーマーにとって、このパッドが持つ高い制動性能と安定性が、どのようなゲームプレイの向上をもたらすのか、具体的な数値とともに解説していきます。 あなたのプレイスタイルに、このガラスパッドが最適な選択となるのか、その答えがここにあります。
Tenta-X Cataclysm Glass Padについて
Cataclysm Glass Padは、2024年に300枚限定で発売されたガラスマウスパッドです。490 × 420 mmの広々としたサイズと、4層アルミノシリケートガラスを特徴とし、厚さは4mm(ガラス3mm、ベース1mm)です。全面シリコンベースにより、安定した滑り止め効果があります。
表面は滑らかな触り心地で超細かい凹凸があり、初動の速さと荷重時の摩擦増加によって優れたコントロール性を備えています。また、布製マウスパッドに近い静穏性も特徴的です。ハイスピード寄りの滑走性能と、荷重による摩擦増加で精密な操作が可能です。
エッチング加工された表面と美しい発色により、視覚的な魅力も兼ね備えています。滑走音が静かで快適な操作感は、特にゲーマーから高い評価を得ています。価格は79.00 USDで、すでに完売していますが、性能とデザインの両面で優れた製品として知られています。
- 静動摩擦測定条件と免責事項等について(クリックで開きます)
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当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、布マウスパッドはESPTIGER ARC2、ガラスマウスパッドはNitro Factory ACZ-Fを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
測定に使用している装置はこちら多機能型静動摩擦測定機 TL201Tt免責事項等について免責事項・著作権
当サイトでは、マウスパッドの静動摩擦測定にトリニティーラボ 多機能型静動摩擦測定機TL201Ttを使用しています。
静動摩擦測定結果について






X軸方向の最大静摩擦力
Tenta-X Cataclysm Glass PadのX軸方向の静摩擦力を測定したところ、往路で72.9gf、切り返し後の復路で84.4gfを記録し、その差は-11.5gfとなりました。市場に出回る主な20製品の中で、前方向の静摩擦力は上から6番目に高く、全体平均(約69.8gf)を約4%上回っています。
ガラスマウスパッドの中では比較的高めながら、布マウスパッドと比べると圧倒的に低い静摩擦力を備えています。コントロール性を重視したガラスパッドとして、PADSMITHのEmpress BalancedやGLSSWRKS HANAに近い性能を持つのが特徴です。前後の静摩擦力の差は11.5gfと中程度の異方性がありますが、一般的なガラスパッドの範囲内で、違和感なく使える水準です。
X軸方向の平均動摩擦力
X軸方向の動摩擦力は往路で14.9gf、切り返し後の復路で14.5gf、標準偏差は1.2を記録しました。この数値は測定された20製品中で2番目に高く、最も低いTHE BEAST(6.9gf)の約2.2倍、市場平均(約10gf)と比較して約50%高い値となっています。
動摩擦力の特徴として、14.9gfという高い値はトップクラスのWraith Cosmic Glass V2(18.6gf)に次ぐもので、D-GLOW 影 YING(14.4gf)と近い特性を持ちます。前後の動摩擦力の差は0.4gfと非常に小さく、方向による違いが少ない一貫した操作感が特徴です。また、標準偏差1.2gfは測定製品中最も低い値の一つで、表面の均一性が高いことを示しています。
使用感としては、ガラスマウスパッドとしては高い動摩擦力による強めの制動特性があり、マイクロアジャストが必要な場面や細かい調整で力を発揮します。特にTactical FPSや精密な照準合わせが必要なゲームジャンルを好むプレイヤーに適しています。
Y軸方向の最大静摩擦力
Y軸の静摩擦力測定では、往路が75.7gf、切り返し後の復路が84.3gf、その差は-8.5gfとなりました。この数値は測定された20製品中で3番目に高く、平均の69.2gfを約9.4%上回っています。最も低いPADSMITH Empress Speed(58.0gf)と比べると17.7gfの差があります。
75.7gfは布マウスパッドと比較して低く、ガラスマウスパッドとしては高めの最大静摩擦力を持ち、確実な停止と正確な位置決めが容易です。特性としてはWraith Cosmic Glass V2(84.7gf)やGamesense Sonar(76.6gf)に近く、コントロール重視の設計が特徴です。前後差は8.5gfと平均的で、PADSMITH Empress Speedと同等の値です。また、X軸(72.9gf)と比べてY軸(75.7gf)が若干高い値で、垂直方向の動きに強めの制動がかかります。
このパッドは垂直方向の細かい照準調整やリコイルコントロール、高DPI設定での精密な操作に適しています。一方で、高速な垂直フリックや低感度設定でのプレイには注意が必要です。
Y軸方向の平均動摩擦力
Y軸方向の動摩擦力は往路で15.6gf、切り返し後の復路で15.9gfを記録し、標準偏差は1.5でした。この数値は測定された20製品中で2番目に高く、最も低いTHE BEAST(6.0gf)の約2.6倍、市場平均(約10.2gf)と比較して約53%高い値となっています。
顕著な制動特性として、15.6gfというガラスマットとしては高い動摩擦力が特徴的です。これはWraith Cosmic Glass V2(18.5gf)に次ぐ高さで、D-GLOW 影 YING(14.7gf)に近い性能です。前後の動摩擦力差は0.3gfと極めて小さく、上下方向で一貫した操作感があり、方向依存性が少なく予測しやすい挙動となっています。
表面品質については、標準偏差1.5は中程度の値で、一般的なガラスパッドと同等の安定性があります。
このような特性から、リコイルコントロールが重要なタクティカルFPS、精密な垂直方向の照準調整、高DPI設定での操作に適しています。一方で、高速な垂直フリックや低感度設定での大きな動きには不向きです。
45度方向の最大静摩擦力
45度方向の静摩擦力は往路で71.5gf、切り返し後の復路で84.9gfで、その差は-13.4gfです。この数値は測定された20製品中で5番目に高く、比較した製品群の平均69.3gfを約3.2%上回ります。最も低いPADSMITH Empress Speed(58.9gf)との差は12.6gfです。
71.5gfの高めの静摩擦力は、D-GLOW 影 YING(71.4gf)やRazer Atlas(71.6gf)と近い特性です。前後差は13.4gfとやや大きく、Arbiter Studio GODZILLA COLLECTION LUNARと同等の異方性を持ち、切り返し後の復路への動きに強い抵抗がかかります。また、X軸(72.9gf)、Y軸(75.7gf)と比べて45度方向(71.5gf)が最も低く、斜め方向の動きが軽くなっています。
45度方向の平均動摩擦力
45度方向の動摩擦力は往路で15.0gf、切り返し後の復路で14.8gf、標準偏差は1.2です。この値は測定された20製品中で2番目に高く、比較した製品群の平均(約10.2gf)と比較して約47%高い数値です。最も低いTHE BEAST(7.2gf)と比べると約2.1倍の値となります。
15.0gfという高い動摩擦力は強い制動特性を持ち、これはWraith Cosmic Glass V2(20.1gf)に次ぐ高値で、D-GLOW 影 YING(14.6gf)に近い特性を示します。前後の動摩擦力差は0.2gfと極めて小さく、最も均一な方向特性を持つ製品の一つで、斜め方向で一貫した操作感があります。また、標準偏差1.2gfは測定製品中最も低い値の一つで、表面品質の高さと安定した操作感を備えています。
このマウスパッドは斜め方向の精密な照準合わせ、高DPI設定での操作、細かい角度調整が必要なゲームに最適です。
アームカバー相性について
Cataclysm Glass Padはアームカバーの種類を問わず、安定した滑走性能を発揮します。
ガラス製のマウスパッドは布製と異なり、アームカバーの縫い目や素材による影響を受けにくい特徴があります。Pulsarのゲーミングアームスリーブから100均製品まで、あらゆるアームカバーとの相性が抜群です。
滑走性の安定性により、アームカバーの選択肢が広がります。ユーザーは予算や好みに合わせて、最適なアームカバーを自由に選択できます。
まとめ
静摩擦力の測定結果は、X軸では初動72.9gf・切り返し後84.4gf、Y軸では初動75.7gf・切り返し後84.3gf、45度方向では初動71.5gf・切り返し後84.9gfでした。これらの値は測定された20製品の中でも上位に位置しています。
動摩擦力の測定値は、X軸で初動14.9gf/切り返し後14.5gf、Y軸で初動15.6gf/切り返し後15.9gf、45度方向で初動15.0gf/切り返し後14.8gfとなりました。全方向での標準偏差は1.2-1.5と安定しており、高品質な表面加工が確認できます。
優れた方向バランスとガラスマットとしては高めの動摩擦力性能が特長です。表面品質は安定しており、精密な操作性と一貫した操作フィードバックを実現します。ただし、高速な動きや低感度設定での扱いやすさには制限があります。
このマウスパッドは、ガラスとしては若干重めの動摩擦力が特徴で、タクティカルFPS、精密な照準合わせ、リコイルコントロール、細かい角度調整に向いています。中~高感度設定やコントロール重視のプレイスタイルで力を発揮しますが、高速なフリック操作やより滑らかな動きを求めるスピード重視のプレイスタイルには適していません。
総じて、Cataclysm Glass Padは、精密な操作性と高い制動力を備えたプレミアムガラスマウスパッドで、特にコントロール重視のプレイヤーにとって信頼できる選択肢となるでしょう。








[レビューサンプル提供:Tenta-X]
主なスペック
項目 | 仕様 |
---|---|
サイズ | 490 × 420 mm |
厚さ | 4mm(ガラス3mm + ベース1mm) |
構造 | 4層構造(エッチング表面/アルミノシリケートガラス/UVプリント面/シリコンベース) |
ベース | 高密度シリコン(全面) |
表面特性 | • 低初速摩擦• 高動摩擦• 高い制動力 |
耐久性 | 半永久 |
価格 | 79.00 USD |
販売形態 | 限定版(300枚限定) |
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