【レビュー】G-Wolves Fenrir Max 8K |8KHz対応22.4g超軽量マウスの実力とは?購入前に知るべき特徴
G-Wolvesが2025年に発売したFenrir Max 8Kは、重量22.4gの超軽量設計と8KHzポーリングレートを搭載したフィンガーグリップ専用ワイヤレスゲーミングマウスです。
約22.4gという極めて軽量な設計と、最新の8KHzワイヤレスポーリングレート技術を搭載し、競技シーンにおける高速かつ精密な操作を追求しています。
その形状は左右対称で、後方にアグレッシブなこぶ(ハンプ)を持つ特徴的なデザインを採用しており、既存のG-Wolves HSK Proをわずかに大きくし、改良したモデルです。

製品概要と基本仕様
G-Wolves Fenrir Max 8Kは、同社の最新フラッグシップモデルとして位置づけられるフィンガーグリップ専用マウスです。公式サイトでは「Engineered for violent speed and momentum」と表現されており、最先端の技術革新が盛り込まれています。
技術仕様
センサー・性能
- センサー:Pixart PMW-3950
- 最大DPI:30,000
- 最大ポーリングレート:8,000Hz
- 最大トラッキング速度:750 IPS
- 加速度:50G
- リフトオフ距離:1.0mm / 2.0mm
物理仕様
- 重量:約22.4g
- サイズ:長さ75mm、幅61mm、高さ31mm
- 形状:左右対称
- ハンプ位置:後方
- フロントフレア:内向き・中程度
その他
- ボタン数:5個
- メインスイッチ:8,000万クリック耐久
- マウスフィート:PTFE 0.70mm
- ケーブル:パラコード(1.6m)
- 接続:USB 2.0
- 対応OS:Windows、Mac、Linux
- 保証期間:1年


形状とデザインの特徴
Fenrir Max 8Kは左右対称の形状を採用しており、後方にアグレッシブなハンプを配置した設計となっています。フロント部分は内向きに中程度のフレアを持ち、指先グリップでの操作に最適化されています。
実際に手に取った第一印象
初めてFenrir Max 8Kを箱から取り出した時、正直驚きました。約22.4gという重量は数字で見ていても、実際に手に持つとその軽さが際立ちます。普通のマウスに慣れていると、最初は「本当にこれで大丈夫?」と心配になるほどです。
形状は一般的なマウスとは大きく異なります。後ろ側が短くカットされたような独特な形で、横幅は広めに作られています。見た目だけでは使いにくそうに感じるかもしれませんが、指先だけでマウスを操作する人には理想的な設計になっています。

指先での握り心地
私は普段からマウスを指先だけで操作するスタイル(フィンガーグリップ)を使っているので、このマウスはとても使いやすく感じました。後ろ側の盛り上がった部分が指にちょうど良くフィットして、安定してマウスを支えることができます。
また、前の部分が内側に少し傾いているおかげで、親指と薬指が自然な位置に収まります。長時間使っていても手が疲れにくく、快適に操作できました。

使い心地と品質
見た目は軽そうで華奢に見えますが、実際に使ってみると意外にしっかりしています。マウスボタンを押した時の感触は少し柔らかめですが、内部にしっかりとした支えがあるため、壊れやすいということはありません。クリックした時の反応も良く、意図しないクリックが起こる心配もありませんでした。
どんな人に向いているか
このマウスは明らかに特定の使い方をする人向けに作られています。マウスを手のひら全体で包み込むように握る人や、手首を机に付けて操作する人には向いていません。指先だけでマウスを操作する人専用と考えた方が良いでしょう。
私も試しに他の握り方で使ってみましたが、形状的にとても使いにくく、本来の性能を発揮できませんでした。
8週間使ってみた感想
約2ヶ月間このマウスを使い続けて分かったのは、指先操作をする人にとっては本当に理想的なマウスだということです。軽さによる疲労軽減効果は想像以上で、長時間のゲームや作業でも手首や指が疲れにくくなりました。
ただし、購入を検討している方は、まず自分がどのようにマウスを握っているかを確認することをお勧めします。このマウスは万人向けではなく、使う人を選ぶ製品だからです。指先操作に慣れている人であれば、きっと満足できる製品だと思います。

兄弟機との比較
Fenrirシリーズには、Max 8Kの他に非対称形状のAsym 8Kが存在します。両モデルの主な違いは以下の通りです。
- Fenrir Max 8K:左右対称形状、重量約22.4g
- Fenrir Asym 8K:ハイブリッド(非対称)形状、重量約21.5g
両モデルともハンプ位置は後方・アグレッシブで、フロントフレアは内向き・中程度という共通点を持ちます。




性能評価
- 入力遅延測定の条件と免責事項等について(クリックで開きます)
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ゲーミングマウスの性能評価において、入力遅延の測定は重要な要素です。当サイトでは、NVIDIAが開発した遅延測定ツールLDAT(Latency Display Analysis Tool)を使用して、マウスの入力遅延を計測しています。LDATは、ゲームやアプリケーションにおけるクリックからマズルフラッシュまでの遅延を、迅速かつ正確に測定するツールです。
測定の仕組みは、光センサーをディスプレイ表面に取り付け、マズルフラッシュを検出します。測定したいマウスが実際にクリックされてからマズルフラッシュ発光までの時間を高精度で計測することで、マウスの実際の応答性能を客観的に評価できます。当サイトではこの測定における最小値を掲載しています。
ただし、マウスを総合的に評価する際は、入力遅延だけでなく、前述の形状、重量、ボタン配置なども重要な判断材料となります。LDATの測定結果と他の要素を総合的に分析することで、より自分に適したゲーミングマウスを選択できるでしょう。
他のゲーミングマウスの入力遅延データは、こちらで見れます【レビュー】G-Wolves Fenrir Max 8K |8KHz対応22.4g超軽量マウスの実力とは?購入前に知るべき特徴免責事項等について免責事項・著作権
Mouse Firmware:1.0.39 Receiver Firmware:1.0.39
G-Wolves Fenrir Max 8Kの入力遅延性能分析
一般モード
- 4K wireless: 3.7ms(最速)
- 8K wireless: 3.9ms
- 2K wireless: 4.2ms
- 1K wireless: 4.4ms
- 1K wired: 4.3ms
競技モード
- 1K wireless: 3.9ms
- 2K wireless: 4.1ms
- 4K wireless: 3.9ms
- 8K wireless: 4.2ms
わかりやすい比較結果
最も速いのは一般モードの4K
Fenrir Max 8Kで最も入力遅延が少ないのは、一般モードの4Kワイヤレス(3.7ms)です。これはLogicool Pro X Superlight 2のOPTICALモード1Kと同じ数値で、全体でもトップクラスの性能です。
8Kモードは必ずしも最速ではない
意外なことに、8Kモードよりも4Kモードの方が遅延が少なくなっています。一般モードの8Kは3.9ms、競技モードの8Kは4.2msとなっており、ポーリングレートが高いほど速いわけではないことがわかります。
他マウスとの比較
- Razer VIPER V3 PRO: 8Kで4.4ms(Fenrir Max 8Kより遅い)
- Logicool Pro X Superlight 2: OPTICALモード1Kで3.7ms(同等)、HYBRIDモード1Kで4.6ms
兄弟機Fenrir Asymとの違い
Fenrir Asym 8Kは全体的により安定した性能を示しています。
- 8K競技モード: 4.0ms
- 各設定での遅延のばらつきが少ない(4.0ms~4.4ms)

価格と入手性
Fenrir Max 8Kの公式価格は159.00ドルで、関税・消費税込みの価格となっています。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、バイオレットの3色が用意されています。



ソフトウェアとカスタマイズ
Fenrir Max 8KはWebベースのソフトウェアを採用しており、ブラウザ経由でマウスの各種設定を行うことができます。このWebアプリケーションは非常にシンプルで操作しやすく、最も一般的な機能をすべて提供しており、従来のソフトウェアよりも使いやすい実装となっています。

DPI設定とカスタマイズ
DPI設定はデフォルトで400、800、1,600、3,200に設定されており、Webソフトウェアを使用して細かな再設定が可能です。ゲーミングマウスに求められる基本的なDPI調整機能として、プレイスタイルやゲームジャンルに応じた最適な感度設定を行うことができます。
ポーリングレート設定
Fenrir Max 8Kは最大8,000Hzのポーリングレートに対応しており、Webソフトウェアから設定変更が可能です。一般的なゲーミングマウスと同様に、125Hz、500Hz、1,000Hz、そして最大8,000Hzまでの段階的な調整ができ、使用環境やシステム負荷に応じて最適なポーリングレートを選択できます。

リフトオフディスタンス(LOD)調整
リフトオフディスタンスは1.0mmまたは2.0mmに設定可能で、Webソフトウェアから調整できます。この機能により、マウスを持ち上げた際の誤動作を防ぎ、精密なエイム操作を実現することができます。特に指先グリップでの使用において、マウスを頻繁に持ち上げる操作スタイルに対応した重要な設定項目となっています。
LED設定とインジケーター機能
LEDはRGB対応で、ソフトウェアまたはPCB LEDによるDPIインジケーター機能を備えています。LED調整機能はありませんが、無効化することは可能で、競技環境での使用時に不要な光を消すことができます。
ファームウェアアップデート対応
ファームウェアのアップデートも簡単に実行できる設計となっています。これにより、新機能の追加や性能向上、バグ修正などを継続的に受けることができ、長期間にわたって最新の性能を維持することが可能です。
このように、Fenrir Max 8KのWebソフトウェアは、ゲーミングマウスに求められる必要最低限の設定項目をすべて網羅しており、直感的な操作で各種カスタマイズを行うことができる実用的なシステムとなっています。

まとめ
最終的な評価
正直に言うと、G-Wolves Fenrir Max 8Kは「好きになれるかどうかが一瞬で分かる」タイプのマウスです。指先でマウスを操作する人にとっては、これ以上ないほど理想的な相棒になってくれます。でも、それ以外の握り方をする人には、まったく合わない可能性が高いです。
こんな人には絶対におすすめ
もしあなたが指先だけでマウスを操作していて、「もっと軽くて反応の良いマウスが欲しい」と思っているなら、このマウスは期待を裏切りません。22.4gという軽さは本当に驚きで、長時間ゲームをしても手が疲れにくくなります。FPSゲームで細かいエイム調整をする時の滑らかさも、一度体験すると他のマウスには戻れなくなるかもしれません。
競技シーンで勝ちたい人や、「マウス操作をもっと極めたい」と本気で思っている人なら、159ドルという価格も決して高くないはずです。実際、同じレベルの性能を持つ他社製品と比べても、むしろお得感があります。
でも、万人向けではありません
ただし、手のひら全体でマウスを包み込むように握る人や、手首を机に付けて操作する人には、正直言って使いにくいと思います。形も一般的なマウスとはかなり違うので、「普通のマウスで十分満足している」という人が無理に買う必要はありません。
購入前に考えてほしいこと
購入を検討する前に、まず自分がどうやってマウスを握っているかチェックしてみてください。指先だけで操作していて、軽いマウスの良さを理解できるなら、きっと満足できるはずです。でも、少しでも迷いがあるなら、もう少し一般的な形のマウスを選んだ方が無難かもしれません。
結論として
G-Wolves Fenrir Max 8Kは、間違いなく「尖った」製品です。でも、その尖り方が自分に合えば、他では味わえない最高の体験ができます。指先グリップを極めたい人、競技で勝ちたい人、マウス操作の精度を追求したい人には、本当におすすめできる一品です。
ただし、「とりあえず良いマウスが欲しい」程度の気持ちなら、もっと無難な選択肢があることも付け加えておきます。自分のプレイスタイルと真剣に向き合って、本当に必要だと思えたら購入を検討してみてください。きっと期待以上の結果が得られるはずです。








[サンプル提供:G-Wolves]

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