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【レビュー】Orbitalworks Pathfinder-あなた専用の形を作れるモジュラー式ゲーミングマウス

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 タイのOrbitalworksが開発した「Pathfinder」は、ユーザーが自身のグリップスタイルや好みに合わせて形状を自在に変更できる、モジュール構造を特徴とするワイヤレスゲーミングマウスです。価格は189ドルです。

究極のFPSマウス「Pathfinder」は、2年の歳月をかけて完成しました。あなた独自の握り方に自在に適応し、あらゆるスワイプ、スナイプ、スナップショットに瞬時に反応。
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究極のフィット感を追求する革新的なモジュール構造

 Pathfinderの最大の特徴は、その徹底したモジュール構造にあります。マウスの主要な形状を決定する左右のサイドパネル、後部のハンプ(手のひらが当たる部分)、さらにはサイドボタンまで、付属のパーツを交換することで、3,000通り以上にも及ぶ組み合わせにより、形状を自由自在にカスタマイズできます。

 このカスタマイズの核となるのが、工具を一切必要としない独自のラチェット機構です。パーツはスライドさせるだけで簡単かつ迅速に着脱でき、その所要時間は1秒未満とされています。この機構は直感的で満足感のある操作性を目指して設計されており、10,000回以上の交換サイクルに耐える耐久性も確保されています。このモジュール性が非常によく機能しており、パーツはしっかりと固定されます。

 付属するパーツは多岐にわたります。「Explore」と名付けられたボックスには、左側面用パーツが4種類、右側面用パーツが7種類、後部ハンプ用パーツが4種類、そしてS・M・Lの3サイズのサイドボタンが同梱されています。これにより、つまみ持ち、つかみ持ち、かぶせ持ちといったあらゆるグリップスタイルへの対応が可能です。

 さらに、各部には厚みの異なる2種類のスペーサーが用意されており、マウスの全長や全幅の微調整も行えます。これらのパーツを組み合わせることで、理論上は2,500通りから3,000通り以上の膨大な数の形状バリエーションが生まれます。この自由度の高さは、自分だけの「エンドゲーム」形状を見つけ出す旅ができます。

妥協なき高性能コンポーネント

 Pathfinderは、そのユニークなモジュール構造だけでなく、競技シーンで求められる高いパフォーマンスも兼ね備えています。

センサーとMCU

 心臓部には、業界最先端クラスのPixArt製センサー「PAW3950」が搭載されています。このセンサーは最大30,000 DPI、最大速度750 IPS、最大加速度50Gという極めて高いスペックを誇ります。Orbitalworks曰く、「PAW3395との差は大きくないが、この価格帯の製品として妥協はしたくなかった」と、最高のコンポーネントを選択したとのこと。マイクロコントローラーユニット(MCU)には、安定した処理能力で定評のあるNordic nRF52840が採用されています。

ポーリングレートとクリック遅延

 ワイヤレス接続でありながら、最大8,000Hzのポーリングレートに対応しています。これにより、マウスの動きがPCへ1秒間に最大8,000回報告され、カーソルの動きがより滑らかになります。Orbitalworksはトップクラスのファームウェア開発者と提携し、あらゆるポーリングレートで揺るぎない安定性を実現したとしています。その結果、クリック遅延はわずか0.4msに抑えたとのことです。

スイッチとクリック感

 メインの左右クリックには、耐久性と低遅延で知られるOmron製オプティカルスイッチが採用されています。完璧に調整されたというクリック感は、プリトラベルやポストトラベルにおいてクリックの過度な遊びと、横ブレがないように調整されています。さらに、基板には機械式スイッチと互換性のあるフットプリントが用意されており、はんだ付けによるスイッチ交換も可能な設計になっています。

スクロールホイール

 スクロールホイールの基本性能については、概ね良好です。スクロールについてはタクタイル感が非常に良く、ステップが明確に分離されていて使いやすかったです。ホイールの構造は光沢のあるプラスチック製でノッチ式を採用しています。ただ、ホイール自体の材質がやや硬く、ラバータイプのホイールを普段使っている人にとっては、使用感に若干の慣れが必要だと感じました。

クオリティとデザイン

 モジュール式マウスは構造上、パーツ間の軋みや剛性の低さが懸念されがちですが、Pathfinderはこの点にも細心の注意を払って設計されています。

構造と素材

 本体重量は構成によって52gから59gの範囲で変動する軽量設計でありながら、堅牢性も両立させています。かつてレビュアー向けに配布された初期サンプルではシェルの品質に関する指摘をしましたが、今回の製品版ではより高品質なプラスチックが使用され、軋みはゼロになっていました。

表面仕上げとグリップ感

 カラーはブラックとホワイトの2色が展開されています。表面は滑らかなマット仕上げで、特殊な表面加工により滑り止めテープが不要なほどのグリップ感があり、長時間の使用でも指紋が残りにくいです。

パッケージ内容と付属品

 Pathfinderは、マウス本体が入った「Core Box」と、カスタマイズパーツ一式が収められた「Explore Box」の2つの箱で届きます。

 Core Boxの内容物

  • Pathfinder コア本体
  • 8K ワイヤレスレシーバー
  • USB-C ケーブル
  • X-Raypadとのコラボレーションによる3種類のマウススケート
    • X-Raypad Obsidian (Red)
    • X-Raypad Obsidian Pro air (Grey)
    • Pure PTFE (White)

 このマウススケートの同梱により、ユーザーは使用するマウスパッドに合わせて滑りの特性を選択できます。

 Explore Boxの内容物

  • 左側面パーツ (4種類): LATCH, CLAW, PINCH, AVERAGE
  • 右側面パーツ (7種類): AVERAGE, PINCH, CLAW, RIGHT HAND, XTRA, SLASH, WAVE
  • 後部ハンプパーツ (4種類): LOW, MEDIUM, HIGH, RIGHT HAND
  • スペーサー (各2種類): 左右側面用 (1.5mm, 2.5mm)、後部用 (4mm, 8mm)
  • サイドボタン (3サイズ): M, L

 これらの豊富なパーツにより、ユーザーは自分の手の大きさやグリップスタイルに最適な形状を細かく調整していくことが可能です。

設定とソフトウェア

 Pathfinderの設定は、専用ソフトウェアを通じて行います。ソフトウェアはインストールタイプで提供されており、Orbitalworksの公式サイトからダウンロード可能です。

基本設定項目

 ソフトウェアでは、DPI設定、ポーリングレート調整、ボタンの割り当て変更が可能です。マウスの5つのボタン(左右クリック、2つのサイドボタン、ホイールクリック)はすべてプログラム可能で、スクロールホイール自体もプログラム可能な設定となっています。

バッテリー管理

 ソフトウェア上でバッテリー残量をパーセンテージで確認できます。また、ワイヤレスレシーバーのインジケーターライトでも電池残量を把握でき、緑色(高)、青色(中)、消灯(低)で表示されます。300mAhのバッテリーは、1,000Hzポーリングレートで約1週間の使用が可能です。ポーリングレートを上げるほど電池消費は増加するため、使用環境に応じた調整が推奨されます。

DPIスイッチ

 マウス底面にはDPIスイッチボタンが配置されており、ゲーム中でも素早くDPI設定を変更できます。

将来の拡張性

 Orbitalworksは、Pathfinderを単一の製品で終わらせるのではなく、長期的なプラットフォームとして捉えています。今後は、プロゲーマーとのコラボレーションによる新たな形状パーツのリリースや、コミュニティ主導でのデザイン開発を促進していく計画です。ユーザーがテスターとして開発に参加できる機会も設けられる予定です。

 また、サードパーティによる3Dプリントパーツの利用も想定されていますが、品質の低いパーツを使用したことによる破損については、保証の対象外となる場合があるため注意が必要です。

総合評価とまとめ

 Pathfinderを実際に手に取って使ってみた感想を率直に述べると、このマウスは間違いなくゲーミングマウスに新しい風を吹き込んだ製品だと感じました。

良かった点

 まず驚いたのは、モジュール式マウスなのに作りがしっかりしていることです。3,000通り以上のカスタマイズができるというのも、最初は「本当にそんなに必要?」と思っていましたが、実際に色々試してみると、微妙な違いが意外と大きな差になることがわかりました。

 特に右側面の7種類のパーツは面白くて、今まで他のマウスでは体験できなかった形状がいくつもありました。新しい持ち方を発見できたのは予想外の収穫でした。

気になった点

 ただし、189ドルという価格はやはり高いです。スクロールホイール本体が少し硬めで、カスタマイズ重視の製品なのにここだけ調整できないのは残念でした。ハンプ部分のスペーサーを2つ重ねると隙間が目立つのも、見た目的に気になりました。

実際の使い心地

 パーツの付け替えは思っていたより簡単でした。ただ、一部を除くパーツに名前が書いてないので、どれがどれだかわからなくなることがあったのは困りました。

 心配していたモジュール構造の不安定さは、実際に使ってみるとほとんど感じませんでした。激しくマウスを動かしてもパーツが外れることはなく、しっかりと固定されていました。

 2か月ほど使ってみて、パーツの付け替えに伴う各パーツの摩耗やぐらつきなどはほとんど発生せず、安定して使用することができています。

コミュニティの盛り上がり

 このマウスの面白いところは、ユーザー同士で設定を共有し合う文化が生まれていることです。SNSで「この組み合わせがおすすめ」といった投稿を見かけることが多くなり、マウス選びが一人の作業から、みんなで楽しむものに変わった感じがします。

買うべきかどうか

 現時点での完成度を考えると、待つ必要はないと思います。特に、今まで色々なマウスを試してきたけど「これだ!」というものに出会えていない人や、形状にこだわりがある人には、本当におすすめできます。

 ただし、すでに完璧にフィットするマウスを持っている人や、予算を抑えたい人は、この価格帯での購入は慎重に考えた方が良いでしょう。

今後への期待

 Orbitalworksは今後も新しいパーツを追加していく予定とのことで、この継続的な進化の可能性も魅力的です。コミュニティ主導での開発も計画されているようで、ユーザーの声が反映されやすい環境が整っているのも好印象です。

 結論として、Pathfinderは「みんなに合う普通の形」ではなく「あなただけの最適な形」を追求した、本当に革新的な製品だと感じました。価格は高めですが、その分の価値は十分にあると思います。ゲーミングマウスの新しい可能性を示してくれた、記念すべき製品として高く評価できます。

究極のFPSマウス「Pathfinder」は、2年の歳月をかけて完成しました。あなた独自の握り方に自在に適応し、あらゆるスワイプ、スナイプ、スナップショットに瞬時に反応。
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