レビュー THE GIRL BY MIDORI ゲーミングマウスパッド
THE GIRL BY MIDORIについて
「THE GIRL BY MIDORI」は、アメリカのゲーミングギアブランド MIDORIが初めてリリースしたゲーミングマウスパッドです。コントロール性に優れた表面生地を特徴としています。
MIDORI公式サイトの商品ページによると、「THE GIRL BY MIDORI」は日本の芸術に見られる繊細さと穏やかさからインスピレーションを得たデザインが特徴で、どんなワークスペースにも優雅さをもたらし、古典的な日本画の優美さと静謐さを体現しており、芸術愛好家や文化的な美を愛する人々にとって理想的なアイテムとして紹介されています。
MIDORI公式サイトの販売代理店ページによると、日本国内ではRabbit0が取り扱い店舗として記載されています。
外観的特徴
「THE GIRL BY MIDORI」は、高度な操作性を誇るゲーミングマウスパッドです。競技シーンに最適化された性能と、神秘的な雰囲気の少女をあしらったデザインが特徴的です。硬度32の柔軟なベースに、高精度のコントロールを可能にする滑走面を組み合わせることで、精密な操作が要求されるゲーミングシーンに対応した製品となっています。
サイズは500mm×500mmで、現代のゲーミングマウスパッドに求められる十分すぎる大きさを備えており、広範囲のマウス操作や低感度設定のプレイヤーにも対応しています。「THE GIRL BY MIDORI」はフラットパッケージで梱包されているため、開封後すぐに巻き癖なく使用できます。また、特典としてステッカーが2種類封入されています。
形状とエッジ
カッターマットの方眼を基準に、「THE GIRL BY MIDORI」の水平・垂直方向の歪みを目視で確認しましたが、変形は見られませんでした。「THE GIRL BY MIDORI」のエッジは、パイピング処理されたエッジの高さがマウスパッド表面よりも低く設計されています。この特徴により、端に置いたアクリルプレートがステッチに乗り上げることはありません。結果として、ゲーミングマウスがステッチに引っかかったり、乗り上げたりする心配がなく、スムーズな操作が可能です。
表面組織と底面
「THE GIRL BY MIDORI」の滑走面は、化学繊維を用いた編地によって平滑性と滑らかさを実現しています。この編地は横方向に施されており、マットでサラサラとした手触りが特徴ですが、わずかにざらつきも感じられます。滑走面の表面組織は、ベースに対して水平・垂直方向ともに歪みなく接着され、斜めのずれも見られません。撚糸は太く、一つ一つの編み目が大きくしっかりと編まれているように見受けられます。
「THE GIRL BY MIDORI」の滑り止めには、Star Shine PUと呼ばれるベースに新しい防滑パターンを採用しています。粘着性は全くなく、むしろサラサラとした心地よい触感が特徴です。光を当てるとキラキラと輝く外観が印象的で、設置面に軽く押し付けたり引いたりしても安定して固定されます。
- ゲーミングマウスパッドの防滑性能の重要性
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- 防滑性能の高いマウスパッドは、プレイヤーが激しくマウスを操作しても、マウスパッドの位置がズレません。これによりマウスの動きが正確に反映され、マウスの操作やエイムの精度が向上します。
- 特にFPSやMOBAなど、瞬時の反応が求められるゲームでは、マウスパッドのズレが致命的なミスを引き起こす可能性があります。
アームカバー(スリーブ)との相性
代表的なアームカバー(スリーブ)との相性は以下の通りです。
アームカバー(スリーブ) | THE GIRL BY MIDORI |
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◎ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | ○ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 表面 | ◎ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 裏面 | ◎ |
WALLHACK ARM SLEEVE | ○ |
表面硬度
「THE GIRL BY MIDORI」はポリウレタンベースを採用しています。硬度は、VERYSOFTの32です。マウスを押し込むと素早く沈み込み、高反発特性を持つベースにより適度に強いブレーキ性能と、コントロールパッドでありながら滑らかな滑り心地を実現しています。
静動摩擦測定
- 静動摩擦測定条件と免責事項等について(クリックで開きます)
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当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、布マウスパッドはESPTIGER ARC2、ガラスマウスパッドはNitro Factory ACZ-Fを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
測定条件等の説明はこちらレビュー THE GIRL BY MIDORI ゲーミングマウスパッド測定に使用している装置はこちら多機能型静動摩擦測定機 TL201Tt免責事項等について利用規約・免責事項・著作権初動の評価のカテゴライズ
いわゆる「初動の重さ」を、一般的に表現される軽いや重たいといった感覚を7段階に分類しました。
滑りの評価のカテゴライズ
マウスパッドの滑り具合を、一般的に使われる「スピード」「バランス」「コントロール」などの表現に基づいて7段階に分類しました。
初動と滑り具合の評価
初動の重さ(最大静摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
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方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 超高摩擦 | 106.0gf |
Y軸 | やや高摩擦 | 109.0gf |
45度 | 超高摩擦 | 106.0gf |
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 高摩擦 | 94.1gf |
Y軸 | やや低摩擦 | 88.5gf |
45度 | 高摩擦 | 89.5gf |
近い硬度を持ちながら異なる滑走面を特徴とするARTISAN ZERO SOFTと比較しながら、評価を進めていきます。
最大静摩擦力
THE GIRL BY MIDORI(硬度32)
- X軸:106.0gf
- Y軸:109.0gf
- 45度:106.0gf
ARTISAN ZERO SOFT(硬度34)
- X軸:94.1gf
- Y軸:88.5gf
- 45度:89.5gf
高い最大静摩擦力は、マウスの初動時により強い力が必要となることを意味します。これは精密な動きを必要とするユーザーにとっては有利に働く可能性がありますが、マウスを常に動かし続けたり、素早い動きを重視するゲーマーにとっては使いにくい可能性があります。
両製品の硬度がほぼ同じであるにもかかわらず、THE GIRL BY MIDORIは全ての軸でARTISAN ZERO SOFTよりも高い最大静摩擦力を示しています。この差は特にY軸で顕著で、約20gfの開きがあります。この違いは、硬度以外の要因、特に表面素材や織り方の違いによるものと考えられます。THE GIRL BY MIDORIの表面は、より強い摩擦を生み出す特殊な織り方や素材を採用している可能性があります。
一方、ARTISAN ZERO SOFTは比較的低い最大静摩擦力を示しており、THE GIRL BY MIDORIより滑らかな初動を提供します。
結論として、硬度が近似しているにもかかわらず、両製品は異なる最大静摩擦力特性を持っており、これはユーザーの好みや用途に応じて選択の基準となり得ます。
滑り(平均動摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | ハイコントロール | 29.8gf | 2.71 |
Y軸 | ハイコントロール | 32.5gf | 2.97 |
45度 | ハイコントロール | 31.6gf | 2.22 |
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | コントロール | 28.4gf | 1.41 |
Y軸 | バランスコントロール | 23.8gf | 1.59 |
45度 | バランスコントロール | 25.1gf | 1.66 |
滑りの評価
THE GIRL BY MIDORIは全ての軸で「ハイコントロール」と評価しました。
ARTISAN ZERO SOFTは軸によって評価が異なり
- X軸:コントロール
- Y軸:バランスコントロール
- 45度:バランスコントロール
THE GIRL BY MIDORIの方がより高いコントロール性能を持っています。
平均動摩擦力と標準偏差の詳細比較
THE GIRL BY MIDORI
- X軸:29.8gf (標準偏差 2.71)
- Y軸:32.5gf (標準偏差 2.97)
- 45度:31.6gf (標準偏差 2.22)
ARTISAN ZERO SOFT
- X軸:28.4gf (標準偏差 1.41)
- Y軸:23.8gf (標準偏差 1.59)
- 45度:25.1gf (標準偏差 1.66)
THE GIRL BY MIDORIは全ての軸でARTISAN ZERO SOFTより高い平均動摩擦力を示しています。特にY軸では約8.7gfの差があり、最も顕著です。また、THE GIRL BY MIDORIの標準偏差は全ての軸でARTISAN ZERO SOFTより大きくなっています。これは、THE GIRL BY MIDORIの表面がやや不均一で、マウスの動きにわずかなムラを感じる可能性があることを示唆しています。
THE GIRL BY MIDORIはY軸で最も高い平均動摩擦力を示し、垂直方向の動きに対してより強いコントロール性能を発揮します。対照的に、ARTISAN ZERO SOFTはX軸で最も高い平均動摩擦力を示し、水平方向の動きに対してより強いコントロール性能を発揮します。
両モデルとも、精密なエイムや強いフィードバック、高いコントロール性能を好むユーザーに適しています。特に、VALORANTやCS2のような精密なエイムを要するゲームをプレイする方に向いているでしょう。
主要なマウスパッドと比較
表面硬度と初動の重さの比較
滑り具合の比較
まとめ
THE GIRL BY MIDORIは、優雅なデザインと高いコントロール性能を特徴とするゲーミングマウスパッドです。
THE GIRL BY MIDORIの設計
- ポリウレタンベースを採用し、硬度はVERYSOFTの32
- 500mm×500mmの十分な大きさ
- エッジにパイピング処理を施し、マウスの引っかかりを防止
- 化学繊維を用いた編地による平滑性と滑らかさ
THE GIRL BY MIDORIの性能特性
- 全ての軸で高い最大静摩擦力を示す
- 全ての軸で「ハイコントロール」と評価される滑り特性
- 高い平均動摩擦力を持つが、やや大きな標準偏差も示す
デザインと使用感
- THE GIRL BY MIDORIは日本芸術からインスピレーションを得た優雅なデザイン
- コントロールパッドでありながら、高反発ベースにより不意に沈み込むことがなく、滑らかな滑り心地を実現
- マットでサラサラとした手触りが特徴ですが、わずかにざらつきも感じられる滑走面
総合評価
THE GIRL BY MIDORIは、高いコントロール性能と精密な操作を重視するゲーマーに最適なマウスパッドです。高い最大静摩擦力と平均動摩擦力を備えており、精密な動きを必要とするユーザーに大きな利点をもたらします。特に、VALORANTやCS2といった正確なエイムが求められるゲームをプレイする方にとって、理想的な選択肢となるでしょう。
[サンプル提供:MIDORI]
この記事を書いた人