レビュー Kurosun Ninja and Kurosun Samurai ゲーミングマウスパッド
Kurosunについて
Kurosunは、高品質なゲーミングマウスパッドを提供する米国の新興ブランドです。特にスピード系とバランス系とされる製品で注目を集めています。今回は、Kurosunから発売された「Kurosun Ninja Premium Gaming Mousepad Black」と「Kurosun Samurai Premium Gaming Mousepad Black」を紹介します。
日本国内では、「ふもっふのおみせ」などで購入可能です。販売価格は、Kurosun Ninja Premiumが7,980円、Kurosun Samurai Premiumが8,480円となっています。
外観的特徴
Kurosun Ninja
Kurosun Samurai
Kurosunの布製ゲーミングマウスパッドは、白い糸でパイピング処理されたエッジが全体の印象をすっきりと見せています。その縁取りに囲まれた漆黒の滑走面には、各マウスパッドの名前の由来となった忍者や侍のキャラクターが、シャープなディテールでインクプリントされています。この組み合わせが、印象的なデザインを生み出しています。
日本人には想像しづらい、海外の人が思い描いた忍者と侍のキャラクターデザインが、それぞれ独特の雰囲気を醸し出しています。この異文化の視点から生まれたデザインは、日本のゲーマーにとって新鮮で興味深い要素となっているでしょう。
梱包
「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」は、フラットなパッケージで梱包されています。そのため、開封後すぐに巻き癖のない状態で使用できます。Kurosunのフラットパッケージには凝ったキャラクターデザインのプリントや装飾が施されており、製品の高級感と開封時の体験価値を高める工夫が見受けられます。
形状
製品の品質を評価するため、「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」の両モデルについて、厳密な歪み検査を実施しました。検査方法として、精密なカッターマットの方眼を基準に使用し、水平方向と垂直方向の両面から歪みの有無を綿密に確認しました。
検査の結果、両モデルともに目に見える変形や歪みは一切検出されませんでした。さらに、より詳細な検証を行うため、複数の角度からマウスパッドを観察し、光の反射具合も慎重に考慮しながら入念に調べました。この追加検査でも、微細な歪みや不均一性は一切見られませんでした。
Kurosun Ninjaのエッジ
Kurosun Samuraiのエッジ
「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」は、両モデルともに高度な技術と細心の注意を払って製造されています。特筆すべきは、その精巧なステッチ加工です。エッジ部分には白い糸を使用した丁寧なパイピング処理が施されており、これがマウスパッド全体に洗練された印象を与えています。
製品の設計において特に注目すべき点は、エッジの高さ設計です。通常のマウスパッドでは、エッジが表面よりも高くなっていることが多いのですが、Kurosunの両モデルでは逆の設計を採用しています。つまり、パイピング処理されたエッジの高さが、マウスパッド本体の表面よりもわずかに低く設計されているのです。この独特な設計は、単なる見た目の美しさだけでなく、機能性も考慮されています。
この特殊な設計により、マウスパッドの端に置いたアクリルプレートがステッチに乗り上げることがありません。これは、ゲーミングマウスの操作性に直接影響を与える重要な特徴です。結果として、ゲーミングマウスがステッチに引っかかったり、乗り上げたりするリスクが大幅に軽減されます。これにより、ゲーマーはマウスパッドの端まで余すことなく使用でき、スムーズで正確な操作が可能となります。
また、マウスパッドの耐久性と快適性を大幅に向上させています。滑走面とベースの確実な縫合により表面の剥離を防ぎ、丸みを帯びたエッジは手首や腕に優しく触れるため、長時間の使用でも快適です。結果として、製品寿命が延び、優れたコストパフォーマンスを実現しています。
このように、「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」は、見た目の美しさだけでなく、使用時の快適性や耐久性まで考慮された、非常に洗練されたゲーミングマウスパッドと言えるでしょう。
表面組織
「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」は、化学繊維を用いた織地と編地により、滑走面の平滑さと滑らかさを実現しています。「Kurosun Ninja」の滑走面には、斜めの畝が特徴的な綾織りのような織物組織が採用されています。一方、「Kurosun Samurai」の滑走面は、横向きに編まれた編地組織が特徴的です。強くアイロンがけされたかのように撚糸が潰れた見た目で、非常に平滑な仕上がりとなっています。
「Kurosun Ninja」の手触りは、全方向においてしなやかで、やや硬めながらスベスベとした感触です。「Kurosun Samurai」の手触りは、横方向ではマットでサラサラとした感じですが、縦方向では非常に強い抵抗があります。まるで織物の目に逆らうように撫でているような感覚です。
比較すると、「Kurosun Samurai」のほうが「Kurosun Ninja」よりも滑走面がやや粗く感じられます。
両モデルの滑走面は横向きにベースに貼り付けられています。滑走面の表面組織は、ベースに対して水平・垂直方向ともに斜めや歪みなく接着されており、高い精度で仕上げられています。
底面
ゲーミングマウスパッドの性能において、机上での位置ずれを防ぐ滑り止め機能は極めて重要です。
「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」は、自己粘着性を持つアルファセルベースと凹凸のある防滑パターンを採用しています。これらは、SlimFlexやポリウレタンなどの最新ベースで使用されている信頼性の高い防滑パターンと同等の性能を発揮します。この設計により、マウスパッドは通常の使用時には安定して机に固定されます。ただし、机の天板の材質や表面状態との相性によっては、マウスパッドを設置面に軽く押し付けたり引いたりすると、設置位置からわずかにずれることがあります。
アームカバー(スリーブ)との相性
代表的なアームカバー(スリーブ)との相性は以下の通りです。
◎:最適 ○:適する △:やや適する ×:不適
アームカバー(スリーブ) | Kurosun Ninja | Kurosun Samurai |
---|---|---|
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◎ | ○ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | ◎ | △ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 表面 | ◎ | × |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 裏面 | ◎ | ◎ |
WALLHACK ARM SLEEVE | ◎ | ○ |
表面硬度
「Kurosun Ninja」と「Kurosun Samurai」は、異なる表面組織を持ちながら、共通してアルファセルをベース素材に採用しています。
しかし、両者の特性は大きく異なります。
- Kurosun Ninja
- 硬度:58(MID)
- 特徴:硬いベースと織物の滑走面の組み合わせにより、スピード重視の滑り心地
- 注意点:マウスを止める際は自身の手と腕の力が必要
- Kurosun Samurai
- 硬度:47(SOFT)
- 特徴:編物の滑走面と適度な硬さのベースの組み合わせにより、バランスの取れた滑らかな操作感を実現
- 注意点:強い押し込みによるブレーキ効果は期待できない
静動摩擦測定
- 静動摩擦測定条件と免責事項等について(クリックで開きます)
-
当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、布マウスパッドはESPTIGER ARC2、ガラスマウスパッドはNitro Factory ACZ-Fを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
測定に使用している装置はこちら多機能型静動摩擦測定機 TL201Tt免責事項等について利用規約・免責事項・著作権初動の評価のカテゴライズ
いわゆる「初動の重さ」を、一般的に表現される軽いや重たいといった感覚を7段階に分類しました。
滑りの評価のカテゴライズ
マウスパッドの滑り具合を、一般的に使われる「スピード」「バランス」「コントロール」などの表現に基づいて7段階に分類しました。
初動と滑り具合の評価
初動(最大静摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 中摩擦 | 85.5gf |
Y軸 | やや低摩擦 | 89.6gf |
45度 | 超高摩擦 | 92.8gf |
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 高摩擦 | 94.4gf |
Y軸 | 中摩擦 | 91.4gf |
45度 | 超高摩擦 | 92.7gf |
Kurosun NinjaとKurosun Samuraiの最大静摩擦力と平均動摩擦力のデータを詳細に分析し、比較してまとめます。
最大静摩擦力の詳細分析
Kurosun Ninjaの特性
- X軸:85.5gf – 中程度の初動の重さで、横方向の動き出しがスムーズ
- Y軸:89.6gf – X軸より若干重い初動だが、縦方向の動き出しは比較的容易
- 45度:92.8gf – 三方向中最も重い初動で、斜め方向の動き出しに抵抗感あり
Kurosun Samuraiの特性
- X軸:94.4gf – Ninjaより8.9gf重い初動で、横方向の動き出しに強い抵抗感
- Y軸:91.4gf – Ninjaより1.8gf重い初動だが、X軸よりは軽い
- 45度:92.7gf – Ninjaとほぼ同等(0.1gf軽い)の重い初動
Kurosun Ninjaは方向によって最大静摩擦力に明確な差異があります。X軸からY軸、45度と進むにつれて摩擦力が増加し、特に45度方向で最も高くなっています。この特性は、ゲーマーに異なる方向での微妙な滑り心地をもたらし、多様なゲームプレイスタイルに対応できる可能性があります。一方、Kurosun Samuraiは全方向で比較的高い値を示しており、特にX軸方向で最も高い摩擦力を発揮します。これは、横方向の動きに対して強い抵抗を感じさせ、精密な横方向の調整が必要なゲームに適している可能性があります。Y軸とX軸の摩擦力の差が小さいことから、全方向で均一な操作感を提供すると考えられます。
興味深いことに、両モデルとも45度方向でほぼ同じ数値を示しています(Ninja: 92.8gf、Samurai: 92.7gf)。この特性は、斜め方向の動きに対して強い初動の重さ(抵抗)をもたらします。
滑り(平均動摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | スピードバランス | 18.4gf | 1.54 |
Y軸 | スピードバランス | 18.6gf | 1.48 |
45度 | バランス | 19.2gf | 1.73 |
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | バランス | 19.5gf | 1.79 |
Y軸 | バランスコントロール | 25.6gf | 1.92 |
45度 | コントロール | 25.4gf | 1.87 |
平均動摩擦力と標準偏差の詳細分析
Kurosun Ninjaの詳細分析
- 全方向での低摩擦力(18.4-19.2gf)
- X軸:18.4gf – 横方向の動きがスムーズで、素早い左右の動きに適している
- Y軸:18.6gf – 縦方向もほぼ同等の低摩擦で、上下の動きも容易
- 45度:19.2gf – 斜め方向でもわずかな増加のみで、全方向的に高速な動きが可能
- 方向による差が小さい(最大差0.8gf)
- 全方向で一貫した操作感をもたらし、扱いやすい
- 方向転換時のストレスが少なく、複合的なエイムにも対応しやすい
- 標準偏差が小さく(1.48-1.73)、安定した滑り
- X軸:1.54 – 横方向の動きが非常に安定
- Y軸:1.48 – 最も安定した縦方向の動き
- 45度:1.73 – やや変動があるが、依然として安定した斜め方向の動き
Kurosun Samuraiの詳細分析
- X軸は低めの摩擦力(19.5gf)
- Ninjaより若干高いが、依然として横方向の素早い動きに対応
- バランスタイプの横方向の滑り心地
- Y軸と45度方向で高い摩擦力(25.4-25.6gf)
- Y軸:25.6gf – 縦方向の動きに強い抵抗を感じ、より精密なマウス操作とエイムが可能
- 45度:25.4gf – 斜め方向も同様に高い動摩擦力
- 標準偏差がやや大きく(1.79-1.92)、変化に富んだ滑り
- X軸:1.79 – 他の三軸の中で最も値が低いものの、敏感な方にとっては滑りにムラを感じる可能性がある
- Y軸:1.92 – 最も変動が大きく、縦方向のマウス操作と滑り心地に微妙な変化を感じる可能性がある
- 45度:1.87 – 斜め方向も変動が大きく、マウス操作と滑り心地に微妙な変化を感じる可能性がある
これらの特性から、Kurosun Ninjaは高速で一貫した動きを求めるプレイヤーに適しています。APEX LEGENDSやOVERWATCH2など、素早いエイム合わせやトラッキングが求められるゲームに向いているでしょう。一方、Kurosun Samuraiは方向によって異なる摩擦特性を持ち、より精密な操作や意図的な減速が必要なゲームに適しています。例えば、VALORANTやCS2などがこれに該当するでしょう。
主要なマウスパッドと比較
表面硬度と初動の重さの比較
滑り具合の比較
まとめ
Kurosun NinjaとKurosun Samuraiゲーミングマウスパッドについて、以下の項目でまとめます
デザイン性
- 白い糸でパイピング処理されたエッジが全体の印象をすっきりと見せています
- 漆黒の滑走面に忍者や侍のキャラクターがシャープなディテールでインクプリントされています
- 海外の視点から生まれた日本の忍者と侍のデザインが、日本のゲーマーにとって新鮮で興味深い要素となっています
設計
- フラットなパッケージで梱包されており、開封後すぐに巻き癖のない状態で使用できます
- パッケージには凝ったキャラクターデザインのプリントや装飾が施されており、製品の高級感と開封時の体験価値を高めています
- Kurosun Ninjaには織物の滑走面、Kurosun Samuraiには編物の滑走面を採用しています
- ベースは共通してアルファセルを採用しています
- 硬度は、Kurosun Ninjaが58のMIDで、Kurosun Samuraiは47のギリギリSOFTに収まる柔らかさです
性能特性
- Kurosun Ninja
- 全方向で低い平均動摩擦力(18.4-19.2gf)を実現し、高速かつ一貫した動きを可能にします
- 方向による差が最小限(最大差わずか0.8gf)で、全方向で均一な操作感を提供します
- 標準偏差が小さく(1.48-1.73)、安定した滑りをもたらします
- Kurosun Samurai
- X軸はバランスタイプの摩擦力(19.5gf)を持つ一方、Y軸と45度方向では高い摩擦力(25.4-25.6gf)を示し、方向によって異なる操作感をもたらします
- 標準偏差がやや大きく(1.79-1.92)、より滑り心地に一貫性がないかわりに、高めのコントロール性能をもたらします
使い心地
- Kurosun Ninja:高速で一貫した動きを求めるプレイヤーに適しています。APEX LEGENDSやOVERWATCH2など、素早いエイム合わせやトラッキングが求められるゲームに向いています
- Kurosun Samurai:方向によって異なる摩擦特性を持ち、より精密な操作や意図的な減速が必要なゲームに適しています。VALORANTやCS2などがこれに該当します
総合評価
両モデルは、異なるゲームスタイルやプレイヤーの好みに合わせて設計されています。Kurosun Ninjaは「スピードバランス」型で、高速で滑らかな動きを実現。一方、Kurosun Samuraiは「バランス~コントロール」重視で、精密な操作に適しています。ゲーマーは自身のプレイスタイルに合わせて最適なモデルを選択できます。可能であれば、実際に試してみることをお勧めします。その体験が、あなたに最適なマウスパッドを見つける鍵となるでしょう。
[サンプル提供:Kurosun]
この記事を書いた人