【レビュー】AIM1布ゲーミングマウスパッド 摩擦測定で比較レビュー 陽炎・coalowl x AIM1 陽炎・夕霧
本記事では、AIM1の布製ゲーミングマウスパッドについて、測定データを用いて各製品の特徴を紹介します。
また、AIM1の布製ゲーミングマウスパッドの新製品がリリースされ次第このページにデータとレビューを追加していきます。
主要なゲーミングマウスパッドとの詳細な比較データは、記事末尾のマッピングマトリクスをご覧ください。
- 静動摩擦測定条件と免責事項等について(クリックで開きます)
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当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、布マウスパッドはESPTIGER ARC2、ガラスマウスパッドはNitro Factory ACZ-Fを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
測定に使用している装置はこちら多機能型静動摩擦測定機 TL201Tt免責事項等について免責事項・著作権
当サイトでは、マウスパッドの静動摩擦測定にトリニティーラボ 多機能型静動摩擦測定機TL201Ttを使用しています。
AIM1 陽炎
AIM1 陽炎ゲーミングマウスパッドは、しっとりとした肌触りが特徴です。表面組織は小口積みのレンガの壁のようなパターンのある程度密な編み目が特徴です。ゆるい撚糸で構成されたループが密集しているような見た目の表面です。
この質感は、滑りすぎず止まりすぎない絶妙なバランスを提供し、初心者から上級者まで幅広いゲーマーに適しています。また、ステッチ加工が施されており、手触りの滑らかさだけでなく耐久性も向上しています。
裏面には高いグリップ力を持つラバー素材が使用されており、激しいゲームプレイ中でもズレにくい仕様です。
主なスペック
項目 | 仕様 |
---|---|
サイズ | 500×500×3.5mm |
表面素材 | 布製 |
表面硬度 | 41 SOFT |
ステッチ加工 | あり |
アームカバー相性
項目 | 相性 |
---|---|
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◯ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 表面 | × |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 裏面 | ◯ |
AIM1 Sleeve | ◎ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | ◎ |
WALLHACK ARM SLEEVE | ◯ |
最大静摩擦力(初動の重さ)
方向 | 最大静摩擦力 |
---|---|
X軸 | 76.6gf |
Y軸 | 81.5gf |
45度 | 93.3gf |
平均動摩擦力(滑り具合)
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | スピードバランス | 21.8gf | 1.55 |
Y軸 | スピードバランス | 21.2gf | 1.91 |
45度 | スピードバランス | 23.2gf | 1.68 |
AIM1 陽炎の硬度は41(SOFT)で、やや硬めの沈み込みと復元性を特徴としています。
硬度比較
最大静摩擦力
- X軸(水平方向):76.6gf
- 水平方向の初動の重さが最も軽く、素早い左右の動きを可能にしています。FPSゲームなどでの素早いエイム調整に適しています。
- Y軸(垂直方向):81.5gf
- 垂直方向はやや重めの設定となっており、上下の微細な動きを安定して行うことができます。特に精密な操作が必要な場面で威力を発揮します。
- 45度(斜め方向):93.3gf
- 斜め方向で最も高い初動の重さを示しており、意図しない斜め方向への動きを適度に抑制する効果があります。これにより、正確な動きをサポートします。
平均動摩擦力と標準偏差
全方向において「スピードバランス」タイプの滑り心地で、均整の取れた性能を実現しています。
- X軸:21.8gf(標準偏差1.55)
- 水平方向の滑りが非常に安定しており、一定した操作感を提供します。標準偏差が小さいことから、滑りにムラがありません。
- Y軸:21.2gf(標準偏差1.91)
- 垂直方向の滑りは若干の変動がありますが、これによって自然な操作感が生まれています。標準偏差がやや大きいものの、実用上の問題はありません。
- 45度:23.2gf(標準偏差1.68)
- 斜め方向の滑りは理想的なバランスを実現しています。この方向での操作も安定しており、あらゆる角度での動きに対応できます。
総合評価
AIM1 陽炎は、しっとりとした心地よい肌触りと、理想的な摩擦バランスを兼ね備えたスピードバランスタイプのマウスパッドです。表面には小口積みのレンガ壁のような特徴的なパターンが施されており、このパターンによって滑りすぎず、かつ止まりすぎない絶妙なバランスを実現しています。この特性により、ゲーミングの初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザーの要求に応える性能をもっています。
さらに、高品質なステッチ加工が施されていることで耐久性が大幅に向上しており、裏面には高いグリップ力を持つ特殊なラバー素材を採用しています。これにより、激しい使用時でも安定した性能を維持することができ、長時間のゲームプレイでも安定したパフォーマンスを発揮することができます。
coalowl x AIM1 陽炎
coalowl x AIM1 陽炎は、coalowl氏とAIM1陽炎による初のコラボレーションモデルで、しっとりとした肌触りが特徴的なマウスパッドです。表面は小口積みのレンガ壁のような独特のパターンと密な編み目構造を持ち、緩やかな撚糸で作られたループが密集しています。
この表面構造により、滑りすぎず止まりすぎない絶妙なバランスを実現し、初心者から上級者まで幅広いゲーマーに最適な操作感を提供します。また、ステッチ加工により耐久性が向上し、長期使用でも安定した性能を維持します。
プリントが施されているため、通常モデルのAIM1 陽炎と比べてよりパリッとした表面感触が特徴です。裏面には強力なグリップ力を持つラバー素材を採用しており、激しいゲームプレイ中でもマウスパッドがズレにくい設計となっています。
スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
サイズ | 500×500×3.5mm |
表面素材 | 布製 |
表面硬度 | 40 SOFT |
ステッチ加工 | あり |
アームカバー相性
項目 | 相性 |
---|---|
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◎ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 表面 | × |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 裏面 | ◎ |
AIM1 Sleeve | ◎ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | △ |
WALLHACK ARM SLEEVE | △ |
最大静摩擦力(初動の重さ)
方向 | 最大静摩擦力 |
---|---|
X軸 | 74.0gf |
Y軸 | 76.7gf |
45度 | 76.7gf |
平均動摩擦力(滑り具合)
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | スピードバランス | 21.1gf | 1.55 |
Y軸 | スピードバランス | 21.1gf | 1.41 |
45度 | スピードバランス | 23.6gf | 1.53 |
最大静摩擦力の比較
- coalowl x AIM1 陽炎は通常版の陽炎と比べて、全体的に最大静摩擦力が低くなっており、滑り出しがとても軽いです。
- X軸: 74.0gf(通常版: 76.6gf)
- Y軸: 76.7gf(通常版: 81.5gf)
- 45度: 76.7gf(通常版: 93.3gf)
特に45度方向での差が顕著で、通常版と比べて約16.6gf低い値を示しています。これはプリント加工の影響により、表面の特性が変化したためと考えられます。
平均動摩擦力の比較
- 動摩擦力については両モデルで近似した値を示していますが、通常版の陽炎と比べてXとY軸の少しだけ平均動摩擦力も低くなっています。
- X軸:21.1gf(通常版:21.8gf)
- Y軸:21.1gf(通常版:21.2gf)
- 45度:23.6gf(通常版:23.2gf)
特徴的な性能
バランス性
coalowl x AIM1 陽炎は、X軸とY軸の静摩擦力の差が約2.7gfと、通常版(差約4.9gf)と比べてより均一な特性を示しています。これにより、方向による違いを感じにくい、より一貫性のある操作感を実現しています。
コントロール性
通常の陽炎と比較して全体的に最大静摩擦力が抑えられており、より軽い力での初動が可能になっています。
使用感の評価
coalowl x AIM1 陽炎は、通常版の陽炎の特徴である安定したスピードバランス性能を維持しながら、よりライトな操作感を実現しています。標準偏差も低く抑えられており(1.41-1.55の範囲)、一貫した操作感をもたらします。
結論
coalowl x AIM1 陽炎は、通常版の陽炎と比較して
- より軽い初動
- より均一な軸間バランス
- 安定した動摩擦特性
を特徴としており、ライトな滑り出しでスピードバランスタイプのマウスパッドを好むユーザーに特に適したマウスパッドと言えます。プリント加工による表面特性の変化が、結果として滑りやすい特性をもたらしています。
coalowl x AIM1 陽炎のパッケージデザインは、細部にまでこだわりが感じられます。外箱や内箱の随所にイラストレーターのcoalowl氏のシグネチャーロゴが配置されており、また同氏が手がける愛らしいキャラクターたちが優しい雰囲気を醸し出しています。パッケージを開封する瞬間から、ユーザーの期待感を高め、特別な体験を提供できるよう細やかな工夫が施されています。
マウスパッド本体のデザインにおいても、coalowl氏の独特な世界観が存分に表現されています。優しい色使いと柔らかなタッチで描かれたイラストは見る人の心を和ませ、日々のゲーミング環境に温かみのある癒しの空間を創出する、細部まで丁寧に作り込まれた素晴らしいデザインとなっています。
AIM1 夕霧
AIM1 夕霧は、マットでわずかにザラついた手触りが特徴です。素肌で使用すると手や手首が表面に貼り付きやすいため、マウスパッド上で手首や腕をスライドさせるようなエイムをする場合はアームカバーの使用をおすすめします。
表面組織は、合成繊維を使用したアムンゼン織組織を採用し、緯糸が長く経糸が短い規則的なパターンを特徴としています。一般的に、このアムンゼン織を採用したマウスパッドはスピードからスピードバランスタイプの滑走感を示しますが、夕霧は異なる特性を持ちます。繊維への特殊コーティングが施されているのか、アムンゼン織特有の硬い硬度にもかかわらず、摩擦測定結果と実際の使用感からバランスコントロールからコントロールタイプの重めな滑走感を実現しています。
裏面には強力なグリップ力を持つラバー素材を採用しており、激しいゲームプレイ中でもマウスパッドがズレにくい設計となっています。
主なスペック
項目 | 仕様 |
---|---|
サイズ | 500×500×3.5mm |
表面素材 | 布製 |
表面硬度 | 56 MID |
ステッチ加工 | あり |
アームカバー相性
項目 | 相性 |
---|---|
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◯ |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 表面 | × |
KIBU Gear 布特化両面アームカバー for Gaming 裏面 | ◯ |
AIM1 Sleeve | ◯ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | △ |
WALLHACK ARM SLEEVE | △ |
最大静摩擦力(初動の重さ)
方向 | 最大静摩擦力 |
---|---|
X軸 | 94.9gf |
Y軸 | 94.6gf |
45度 | 96.5gf |
平均動摩擦力(滑り具合)
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | バランスコントロール | 30.0gf | 1.58 |
Y軸 | バランスコントロール | 32.8gf | 2.41 |
45度 | コントロール | 37.7gf | 2.13 |
AIM1 夕霧の硬度は56(MID)で、マウスの沈み込みを抑制しつつ、素早い復元性を実現しています。
硬度比較
最大静止摩擦力(初動)の比較
- 夕霧の特徴
- X軸: 94.9gf
- Y軸: 94.6gf
- 45度: 96.5gf
- 全方向で90gf以上の最大静止摩擦力を示しており、より強い初動の重さが特徴です。
- 陽炎との比較
- 陽炎(X軸: 76.6gf、Y軸: 81.5gf)と比べて、夕霧は約15-20gf最大静止摩擦力を持っています。
- これは夕霧の方が静止状態からの動き出しに若干強い力が必要であることを意味します。
平均動摩擦力(滑り)の比較
- 夕霧の特徴
- X軸: 30.0gf(標準偏差: 1.58)
- Y軸: 32.8gf(標準偏差: 2.41)
- 45度: 37.7gf(標準偏差: 2.13)
- バランスコントロール〜コントロール寄りの特性を示しています。
- 陽炎との比較
- 陽炎(X軸: 21.8gf、Y軸: 21.2gf)と比較して、夕霧は約8-10gf高い動摩擦力を持ちます。
- 夕霧の方が滑りに対する抵抗が大きく、よりコントロール性を重視した設計となっています。
実用面での特徴
- 精密な操作性
- 高い静摩擦力と適度な動摩擦力により、細かい調整を必要とするエイム操作に適しています。
- 特に止めエイムや微調整を重視するプレイヤーに向いています。
- 方向による特性
- 45度方向で若干高い摩擦力を示すため、斜め方向の動きにおいてより強いコントロール性が得られます。
- X軸とY軸の値が近く、方向による違和感が少ない設計となっています。
結論
夕霧は陽炎と比較して、全体的により高い摩擦力特性を持つコントロール寄りのマウスパッドです。精密な動きや止め撃ちを重視するプレイヤーに特に適していると言えます。一方、陽炎は夕霧よりスピード寄りの特性を持ち、スピードバランスタイプのマウスパッドを好むプレイヤーに向いています。
まとめ
硬度と最大静摩擦力のマッピングマトリクス
以下の図は、ゲーミングマウスパッドの硬度と最大静摩擦力(初動の重さ)の関係を示しています。
硬度と平均動摩擦力のマッピングマトリクス
以下の図は、ゲーミングマウスパッドの硬度と平均動摩擦力(滑り心地)の関係を示しています。
硬度・最大静摩擦力(初動の重さ)・平均動摩擦力(滑り具合)
以下は、マウスパッドの硬度・最大静摩擦力(初動の重さ)・平均動摩擦力(滑り具合)を昇順でソートしたグラフです。
[サンプル提供:AIM1]
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