レビュー DeviceArmoury 001 / 002 ゲーミングマウスパッド
これらゲーミングマウスパッドについて
DeviceArmouryゲーミングマウスパッド001と002(以降、DeviceArmoury 001、DeviceArmoury 002)は、DeviceArmoury社の完全オリジナル商品です。これらは競技シーンに特化した性能にこだわったゲーミングマウスパッドです。
各製品の公称スペックと価格は以下の通りです。
外観的特徴
DeviceArmoury 001
DeviceArmoury 002
DeviceArmoury 001は、マウスパッド全体にオリジナルキャラクターイラストがプリントされた、こだわりのデザインが特徴です。一方、DeviceArmoury 002は、右下にDeviceArmouryのオリジナルキャラクターのワンポイントロゴが入っただけのシンプルな黒い滑走面が特徴となっています。
DeviceArmoury 001のマウスパッドデザインと配色は、個人的に非常に魅力的です。デザインそのものも素晴らしいのですが、特に気に入っているのは、私の好きなアニメ「交響詩篇エウレカセブン」に登場する月光号を想起させる蛍光グリーン、ライトグレー、ダークグレーの配色です。この色使いは他のゲーミングマウスパッドには見られず、独特な魅力があります。
両モデルのサイズは490mm×420mmで、現代のゲーミングマウスパッドに求められる十分な大きさを備えています。
梱包
DeviceArmoury 001
DeviceArmoury 002
DeviceArmoury 001は、フラットパッケージに梱包されています。そのため、開封後すぐに巻き癖なく使用できます。
一方、DeviceArmoury 002はロールパッケージで届きます。軽く巻かれた状態ですが、開封後はすぐに平らに広げて使用できます。
形状
カッターマットの方眼を基準に、DeviceArmoury 001と002の水平・垂直に対する歪みを肉眼で確認しましたが、両モデルとも変形は見られませんでした。
DeviceArmoury 001のエッジ
DeviceArmoury 002のエッジ
DeviceArmoury 001と002は、どちらも丁寧なステッチ加工が施されています。写真からわかるように、パイピング処理されたエッジの高さがマウスパッド表面よりも低く設計されています。この特徴により、端に置いたアクリルプレートがステッチに乗り上げることはありません。結果として、ゲーミングマウスがステッチに引っかかったり、乗り上げたりする心配がなく、スムーズな操作が可能です。
表面組織
DeviceArmoury 001と002は、化学繊維を使用した編地により、滑走面に平滑さと滑らかさを実現しています。両モデルともマットでさらさらとした触感を持っています。ただし、001に比べて002のほうがややしっとりとし、わずかにざらつきがある手触りです。
表面組織の画像を見ると、002のほうが001よりも組織の目がやや粗くラフに編まれているように見えます。そのため、001よりも少し粗い触感になっています。
また、写真で確認する限り、マウスパッドの滑走面の表面組織はベースに対して水平・垂直方向ともに斜めや歪みがなく接着されていました。
底面
ゲーミングマウスパッドの性能において、机上での位置ずれを防ぐ滑り止め機能は極めて重要です。
DeviceArmoury 001は、底面に独特の凹凸ダイヤモンドパターンを採用しています。これは非常に弱い自己粘着性と吸盤構造を組み合わせたもので、軽い力で押したり引いたりしても設置面に安定して固定されます。一方、DeviceArmoury 002は従来のノンスリップラバーと防滑パターンを採用しています。マウスパッド本体の重量と相まって、設置面にしっかりと固定されます。
アームカバー(スリーブ)との相性
代表的なアームカバー(スリーブ)との相性は以下の通りです。
◎:最適 ○:適する △:やや適する ×:不適
アームカバー(スリーブ) | DeviceArmoury 001 | DeviceArmoury 002 |
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◎ | ◎ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | ◎ | ◎ |
表面:KIBU 布製マウスパッド 特化両面アームカバー | × | × |
裏面:KIBU 布製マウスパッド 特化両面アームカバー | ◎ | ◎ |
WALLHACK ARM SLEEVE | ◎ | ○ |
表面硬度
DeviceArmoury 001は、ベースに国産SlimFlex(PORON)を採用しています。これは高密度で、極めて微細かつ均一な構造と厚みを持つ高機能ウレタンフォームです。硬さにムラがなく、高品質ですが、コストも高めなので価格に反映されています。一方、DeviceArmoury 002は、ベースに最もオーソドックスなフォームラバーを採用しているため、コストが抑えられています。
- DeviceArmoury 001(SlimFlex)の硬度はSOFTの44です。沈み込みが早く、大きいため、ブレーキの強さが002よりやや強くなっています。
- DeviceArmoury 002(フォームラバー)の硬度はSOFTの40です。沈み込みは遅く硬めですが、反発力が強いのが特徴です。
静動摩擦測定
当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、ESPTIGER ARC2スケートを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
初動の評価のカテゴライズ
いわゆる「初動の重さ」を、一般的に表現される軽いや重たいといった感覚を7段階に分類しました。
滑りの評価のカテゴライズ
マウスパッドの滑り具合を、一般的に使われる「スピード」「バランス」「コントロール」などの表現に基づいて7段階に分類しました。
初動と滑り具合の評価
初動(最大静摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 高摩擦 | 93.3gf |
Y軸 | 中摩擦 | 92.2gf |
45度 | 超高摩擦 | 95.1gf |
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | やや高摩擦 | 90.6gf |
Y軸 | 中摩擦 | 91.0gf |
45度 | 超高摩擦 | 88.4gf |
初動の評価
両モデルの初動特性は以下の通りです
- X軸:001は「高摩擦」、002は「やや高摩擦」で、001のほうがやや強い初動抵抗を示します。
- Y軸:両モデルとも「中摩擦」で、Y軸方向の初動特性は類似しています。
- 45度:両モデルとも「超高摩擦」で、斜め方向の初動抵抗が最も高くなっています。
最大静摩擦力
各方向における最大静摩擦力(単位:gf)は以下の通りです
- X軸:001(93.3gf)> 002(90.6gf)
- Y軸:001(92.2gf)≈ 002(91.0gf)
- 45度:001(95.1gf)> 002(88.4gf)
全体的に001のほうが高い静摩擦力を示し、特に45度方向で顕著な差が見られます。
滑り(平均動摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | バランスコントロール | 22.2gf | 1.54 |
Y軸 | コントロール | 27.5gf | 1.31 |
45度 | コントロール | 27.2gf | 1.30 |
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | バランス | 18.9gf | 1.32 |
Y軸 | バランスコントロール | 22.3gf | 1.21 |
45度 | バランス | 21.3gf | 1.34 |
滑りの評価
滑り特性の評価は以下の通りです
- X軸:001は「バランスコントロール」、002は「バランス」
- Y軸:001は「コントロール」、002は「バランスコントロール」
- 45度:001は「コントロール」、002は「バランス」
001はより「コントロール」寄りの特性を持ち、002は「バランス」から「スピード」寄りの特性を示しています。
平均動摩擦力と標準偏差
平均動摩擦力(単位:gf)と標準偏差は以下の通りです
- X軸:001(22.2gf, 1.54)> 002(18.9gf, 1.32)
- Y軸:001(27.5gf, 1.31)> 002(22.3gf, 1.21)
- 45度:001(27.2gf, 1.30)> 002(21.3gf, 1.34)
全ての方向で001のほうが高い平均動摩擦力を示しています。標準偏差は両モデルで大きな差はありませんが、X軸と45度方向で001がわずかに高く、Y軸では002がわずかに高くなっています。
総合評価
DeviceArmoury 001は全体的に高い摩擦特性を持ち、よりコントロール重視のプレイスタイルに適しています。一方、DeviceArmoury 002は比較的低い摩擦特性を示し、バランスとスピードを重視したプレイに向いています。
主要なマウスパッドと比較
表面硬度と初動の重さの比較
滑り具合の比較
まとめ
実測データの分析により、DeviceArmoury 001の方がより高い摩擦特性を持ち、コントロール重視のプレイスタイルに適していることが分かりました。一方、DeviceArmoury 002は比較的低い摩擦特性を示し、バランスとスピードを重視したプレイスタイルに向いています。
DeviceArmoury 001の特徴
- オリジナルキャラクターデザインとスタイリッシュなカラーリング
- 高性能な国産SlimFlex(PORON)ベース採用
- 価格は7,500円(消耗品としてはやや高価)
DeviceArmoury 002の特徴
- シンプルなデザインとフォームラバー採用でコスト削減
- ロールパッケージ梱包(開封後すぐに使用可能)
- 価格は3,280円(コストパフォーマンスに優れる)
両モデルとも細部の処理が丁寧で、ゲーミングマウスパッドとしての品質は高水準です。
選び方の目安として
- DeviceArmoury 001:コントロール重視の性能を求める方、Valorantなどのタクティカルシューターゲームプレイヤー、キャラクターデザインに惹かれる方におすすめ
- DeviceArmoury 002:現代のゲーミングマウスパッド基準を満たしつつ、コストパフォーマンスを重視する方におすすめ
個人的には、DeviceArmoury 001の配色が好きなアニメを思わせる色使いで印象的です。デザイン性と性能の両面から、このモデルに惹かれます。一方、DeviceArmoury 002も3,280円という低価格で高品質なゲーミングマウスパッドが手に入るため、どちらも魅力的な選択肢といえるでしょう。
[レビューサンプル提供:Device Armoury]
この記事を書いた人