コストパフォーマンスの鬼。2,200円から買える高品質なゲーミングマウスパッド TRASHPAD 太歳と燕をレビュー
コストパフォーマンスの鬼。2,200円から買える高品質なゲーミングマウスパッド TRASHPAD 太歳と燕をレビュー
TRASHPAD 太歳と燕について
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、コストパフォーマンスに優れたスピードバランス型ゲーミングマウスパッドです。布製ゲーミングマウスパッドは消耗品であり、定期的な交換が必要です。そのため、できるだけ安価であることが望ましいでしょう。両モデルとも、このミニマルなデザインで、フラットパッケージに梱包されながらLサイズで2,500円という、ゲーミングマウスパッドとしては非常に手頃な価格設定になっています。高性能・高機能なSlimFlex(旧PORON)やポリウレタンベースではなく、従来の弾性ゴムを使用することで、徹底的にコストを抑えています。
外観的特徴
TRASHPAD「太歳」
TRASHPAD「燕」
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、非常にシンプルなデザインが特徴です。両モデルとも右下にブランド名とマウスパッド名がプリントされています。カラーは「太歳」がネイビー、「燕」がレッドの1色のみで、それぞれに独特の雰囲気を醸し出しています。
梱包
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、フラットパッケージに梱包されています。そのため、開封後すぐに巻き癖なく使用できます。
形状
カッターマットの方眼を基準に、TRASHPAD「太歳」と「燕」の水平・垂直に対する歪みを肉眼で確認しましたが、両モデルとも変形は見られませんでした。
TRASHPAD「太歳」のエッジ
TRASHPAD「燕」のエッジ
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、どちらも丁寧なステッチ加工が施されています。写真からわかるように、パイピング処理されたエッジの高さがマウスパッド表面よりも低く設計されています。この特徴により、端に置いたアクリルプレートがステッチに乗り上げることはありません。結果として、ゲーミングマウスがステッチに引っかかったり、乗り上げたりする心配がなく、スムーズな操作が可能です。
表面組織
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、化学繊維を用いた編地により滑走面の平滑さと滑らかさを実現しています。編み目は「太歳」のほうが大きく少し粗く、「燕」のほうは目が小さく細かく、コーティング処理によってやや艶やかに見えます。
両モデルともマットでさらさらとした手触りが特徴です。比較すると、「太歳」のほうが「燕」よりも滑走面がやや粗く感じられます。
両モデルの滑走面は横向きにベースに貼り付けられています。滑走面の表面組織は、ベースに対して水平・垂直方向ともに斜めや歪みなく接着されており、高い精度で仕上げられています。
底面
ゲーミングマウスパッドの性能において、机上での位置ずれを防ぐ滑り止め機能は極めて重要です。
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、従来のノンスリップラバーと防滑パターンを採用しています。SlimFlexやポリウレタンで使用されている最新かつ信頼性の高い防滑技術と比べると、性能は劣ります。机の天板との相性によっては、設置面に軽く押し付けたり引いたりすると、マウスパッドが設置位置からずれることがあります。
アームカバー(スリーブ)との相性
代表的なアームカバー(スリーブ)との相性は以下の通りです。
◎:最適 ○:適する △:やや適する ×:不適
アームカバー(スリーブ) | TRASHPAD「太歳」 | TRASHPAD「燕」 |
Pulsar Gaming Gears eS アームスリーブ | ◎ | ◎ |
REJECT GAMING ARM SLEEVE | × | ○ |
表面:KIBU 布製マウスパッド 特化両面アームカバー | × | × |
裏面:KIBU 布製マウスパッド 特化両面アームカバー | ◎ | ◎ |
WALLHACK ARM SLEEVE | ◎ | ◎ |
表面硬度
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、従来の弾性ゴムをベースに採用しています。これは最もオーソドックスで、マウスパッドのベース素材として広く使用されている材料です。
TRASHPAD「太歳」は、硬度がSOFTの38に設定されています。沈み込みはやや遅いものの、強い反発力を生み出します。この特性は、素早い動きや滑らかな操作を重視するプレイヤーに適しており、高速で連続的な動きを必要とするゲームプレイに向いています。
一方、TRASHPAD「燕」は、硬度がVERYSOFTの30に設定されています。「太歳」と比較すると、荷重に対してより早く沈み込みますが、反発力は弱くなっています。この特性は、精密な動きを必要とするゲームプレイに適しており、マウスの動きをより正確にコントロールしたい場合に効果的です。
静動摩擦測定
当サイトでは、マウスパッドの滑り性を定量的に評価するため、多機能型静動摩擦測定機と専用の治具、ESPTIGER ARC2スケートを使用して摩擦データを測定しています。この高精度な機器により、マウスパッドの表面特性を詳細に分析することが可能となりました。
初動と滑りの評価を行い、他のマウスパッドと比較していきます。また、摩擦係数や硬度などの要素も考慮に入れ、総合的な評価を提供します。内容が徐々に専門的になるため、摩擦に関する用語や重要なポイントをまとめた補足ページを用意しました。このページでは、測定方法や結果の解釈についても詳しく説明しています。
初動の評価のカテゴライズ
いわゆる「初動の重さ」を、一般的に表現される軽いや重たいといった感覚を7段階に分類しました。
滑りの評価のカテゴライズ
マウスパッドの滑り具合を、一般的に使われる「スピード」「バランス」「コントロール」などの表現に基づいて7段階に分類しました。
初動と滑り具合の評価
初動(最大静摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 中摩擦 | 79.8gf |
Y軸 | やや低摩擦 | 87.4gf |
45度 | 高摩擦 | 85.7gf |
方向 | 初動の評価 | 最大静摩擦力 |
---|---|---|
X軸 | 中摩擦 | 80.9gf |
Y軸 | やや低摩擦 | 88.1gf |
45度 | 高摩擦 | 85.7gf |
最大静摩擦力
- TRASHPAD 太歳の最大静摩擦力
- X軸: 79.8gf
- Y軸: 87.4gf
- 45度: 85.7gf
- TRASHPAD 燕の最大静摩擦力
- X軸: 80.9gf
- Y軸: 88.1gf
- 45度: 85.7gf
- 比較分析
- 両モデルとも、Y軸 > 45度 > X軸の順で最大静摩擦力が高くなっています
- TRASHPAD 燕は全ての軸でTRASHPAD 太歳より高い値を示しています(45度は同値)
- 最大の差はX軸で1.1gf、Y軸で0.7gfあり、わずかですがTRASHPAD 燕の方が高摩擦です
- 45度軸では両モデルとも85.7gfで同一の値を示しており、斜め方向の動きに対しては同等の性能と言えます
滑り(平均動摩擦力)
- 測定データ(クリックで開きます)
-
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | スピードバランス | 17.3gf | 1.53 |
Y軸 | バランス | 19.6gf | 1.77 |
45度 | バランス | 19.5gf | 1.75 |
方向 | 滑りの評価 | 平均動摩擦力 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
X軸 | スピードバランス | 17.0gf | 1.76 |
Y軸 | バランス | 21.4gf | 1.85 |
45度 | バランス | 20.1gf | 1.93 |
滑りの評価
- 両モデルとも、X軸は「スピードバランス」、Y軸と45度軸は「バランス」と評価しました
- この一致は、両製品が類似した設計思想に基づいていることを示唆しています
- 「スピードバランス」はマウスの素早い動きとバランス寄りの制御性を持つこと意味します
平均動摩擦力と標準偏差
- TRASHPAD 太歳
- X軸: 17.3gf (SD 1.53)、Y軸: 19.6gf (SD 1.77)、45度: 19.5gf (SD 1.75)
- 軸間の最大差: 2.3gf(X軸とY軸の間)
- TRASHPAD 燕
- X軸: 17.0gf (SD 1.76)、Y軸: 21.4gf (SD 1.85)、45度: 20.1gf (SD 1.93)
- 軸間の最大差: 4.4gf(X軸とY軸の間)
- 比較分析
- 燕は太歳よりも柔らかい硬度であることも影響し、X軸の動摩擦力を除いて全軸で太歳より高い動摩擦力と標準偏差を示しています
- 最大の差はY軸で1.8gfあり、燕がより少しだけ高い平均動摩擦力を提供します
- 燕は軸間の摩擦力の差が大きく、方向による特性の変化が顕著です
- 燕の標準偏差がより大きいことから、滑りにムラが生じやすい可能性があります
- 太歳は燕よりも標準偏差が小さいため、一貫性のある滑りを提供し、扱いやすい特徴があります
主要なマウスパッドと比較
表面硬度と初動の重さの比較
滑り具合の比較
まとめ
TRASHPAD「太歳」と「燕」は、コストパフォーマンスに優れたスピードバランス型ゲーミングマウスパッドです。APEX LEGENDSやVALORANTなど、幅広いゲームジャンルで使いやすい特性を持っています。
布製ゲーミングマウスパッドは消耗品であり、定期的な交換が必要です。そのため、できるだけ安価であることが望ましいでしょう。両モデルとも、このミニマルなデザインで、フラットパッケージに梱包されながらLサイズで2,500円という、ゲーミングマウスパッドとしては非常に手頃な価格設定になっています。
TRASHPAD「太歳」と「燕」の設計
- シンプルなデザイン「太歳」はネイビー、「燕」はレッドの1色展開
- コストパフォーマンスを重視したスピードバランス型ゲーミングマウスパッド
- 従来の弾性ゴムをベースに使用し、コストを抑えた設計
- 化学繊維を用いた編地による滑走面の平滑さと滑らかさを実現
- 従来のノンスリップラバーと防滑パターンを採用
TRASHPAD「太歳」と「燕」の性能特性
- 両モデルとも、X軸は「中摩擦」、Y軸は「やや低摩擦」、45度軸は「高摩擦」
- 「太歳」は全体的に低い摩擦力と小さい標準偏差を示し、一貫した滑りを提供
- 「燕」は若干高い摩擦力と大きい標準偏差を持ち、より強い制御感を提供
- 両モデルとも、方向によって異なる特性を持つ
総合評価
- スピードバランスタイプのゲーミングマウスパッド
- Lサイズで2,500円という、コストパフォーマンスに優れた消耗品
- 両モデルとも類似した特性を持つが、わずかな違いがある
- 「太歳」は一貫性のある滑りを提供し、扱いやすい特徴がある
- 「燕」は「太歳」より僅差で高めのコントロール性能
選び方の目安
- 滑らかで一貫性のある動きを好むユーザーは「太歳」を選択
- 「太歳」よりも強いコントロール性能と、より柔らかいベースを求めるユーザーは「燕」を選択
- ゲーマーの好みや遊ぶゲームタイトルなどに応じて選択することが重要
- 予算や交換頻度を考慮し、コストパフォーマンスを重視する場合はどちらも適切な選択肢
[サンプル提供:KIBU]
この記事を書いた人